読売新聞の『日本人』というコーナーで、こんな調査がありましたよ。
「結婚はしたほうがよいか」など、結婚観についての調査です。
「「女性は結婚しなくても幸せ」55%…読売調査」
ウェブ配信版では、この記事だけしかないのですが、
『ふつうに事実婚ブログ』の8月27日エントリによると、
続きの記事があって、選択別姓の是非の設問もあることがわかりました。
きょうようやく時間ができたので、図書館に行って
(うちは読売はとってない)、記事全部を見てきました。
見てみたら、1ページ丸まる、この調査に使っていました。
一般的な結婚観についての記事なのですが、選択別姓についても
問うているところが、気がきいている(?)ようです。
「あなたは、夫婦が希望すれば、それぞれ結婚の前の姓を
名乗ることができる「夫婦別姓」の導入に、
賛成ですか、反対ですか。」という設問です。
男女べつにしたグラフがしめされていて、数値だけ書くとつぎのようです。
男性:賛成25.4%、
どちらかと言えば賛成18.0%
どちらかと言えば反対23.7%、
反対25.9%、
答えない7.1%
女性:賛成28.3%
どちらかと言えば賛成22.0%
どちらかと言えば反対22.1%
反対20.7%
答えない6.9%
記事本文も、短いので全文写してしまいます。
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「賛成」47%「反対」46%
夫婦が希望すれば、それぞれ結婚前の姓を名乗ることができる
「夫婦別姓」の導入については「賛成」47%、「反対」46%となった。
男女別に見ると、男性は「賛成」43%、「反対」50%、
女性は「賛成」50%、「反対」43%と相反する結果となった。
年代別では、「賛成」は20歳代の62%が最高で、
年齢が高くなるに従って低くなり、70歳代以上では28%にとどまった。
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まっ先に眼を引くのは、賛成と反対がほぼ同数、ということでしょう。
これを、「思ったほど賛成が多く、結構認知されている」と見るか、
「まだまだ反対が根強く、偏見にさらされている」と見るかは、
意見がわかれるところかもしれないです。
内閣府の世論調査(07年1月)では、選択肢は「賛成」「通称使用」
「反対」になっていて、「どちらかと言えば」がないのですが、
このときも、「賛成」と「反対」とで、ほぼ同数でした。
ごく簡単に見れば、「通称使用」のうち、半分が「どちらかと言えば賛成」で、
あと半分が「どちらかと言えば反対」になると思います。
(反対論者は、「通称使用」を、全部「反対」に加えて、
自分たちの「お仲間」にしたがるけれど。(笑))
男女別では、女性が男性より賛成が多いのは、予想通りでしょうか。
でも、思ったほど差がついていないと、わたしは思いました。
「答えない」の割合もほぼ同じで、選択別姓は一般に思われているほど、
「女性だけの問題」ではない、ということかもしれないです。
政策決定の際の判断としては、さきにご紹介したエントリの、
最後のところを、まるごと引用しておこうと思います。
http://d.hatena.ne.jp/penguinsnest/20080827/1219811321
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結局は、こうしたデータが出てきたときに
「半数が賛成なのだし、旧姓使用や事実婚で工夫している人も
別姓で婚姻届が出せるようにしよう」
「結婚の当事者が多い20代の結果をよく見てみよう」と考えるか、
「半数しか賛成していないのだから、結婚制度はこのままで
あとは自己責任で旧姓使用でも事実婚でもすればいい。
あ、ちなみに事実婚ってただの同棲だよね?」
「年長者の価値観を重視すべきだ」と考えるか。
どちらのスタンスをこの社会がとり、政策として実行するのかだと思います。
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2008年08月30日
この記事へのトラックバック
見ました。藤本幸久監督作品、(米兵の作り方 狂った社会)「アメリカばんざい!」、日本の将来を暗示している映画だった。
Excerpt: 正直、この映画見ないと損ですよ。周回遅れで米国のまねをしている日本の政治、自公政権がこれからつくり出す日本国の未来を暗示しているような映画です。 僕は、女房と二人で29日に行ってきました。夜の9時..
Weblog: 雑談日記(徒然なるままに、。)
Tracked: 2008-08-31 20:18
いったい誰がどんな偏見にさらされているのか、もう少し詳しく説明してください。
探せばほかのサイトや本にも、たくさん出ていると思いますよ。
本当にご存知ないのでしたら、わざわざ知らなくてもいいことなので、
あえて知らないままでいることを、お勧めするけれど。
他のブロガーには説明責任を求めていますよね意味わかるかな? 知らない?ご自分のサイトをみてくださいね。
さて首相が変わります。今後の夫婦別姓に関する展望は?麻生氏は保守で別姓推進を阻む方だと思います。男尊女卑が強いという九州の方だし。
別姓は必要だと思うんですが。
たんぽぽさんのご見解をお聞きしたいなと考えております。
まだ決まっていなのに思い込みは怖いですね。
夫婦別姓の話題って、ここのメインコンテンツでしょうが。民法改正一般のところをクリックすれば関連する記事はたくさんでてくるわけですよ。
そういう質問する前に、まず過去記事読んだらどうですか?
それとも、昔書いた記事であっても新しく来た人に対していちいち手取り足取り説明してやらなきゃならないわけ?
知らないとか知識が無い、というのは恥ではないけど、そのための労力を何もかけずに、請えば説明してもらえる、と考えるのは恥だと思うよ。
離婚の権利もまた、当初はそのような権利を認めることは家庭の崩壊を招くという反論にさらされていたわけですが、離婚の権利を認めることは、なにも離婚を望んでいない夫婦に対してまで、お前らもさっさと別れろよ、と強要したり勧めることは意味しません。
それと同じことで、別姓の権利を認めることは、なにも同姓の権利を否定することや、別姓の夫婦と同姓の夫婦の間に上下の関係を持ち込むことではないでしょう。
そのへんがよく理解できずに反対している人たちがいるとすれば、それは確信的な反対派が意図的に振りまく「偏見」にさらされた結果なのかもしれませんね。
もちろん過去記事は読んだ上、今後の展望をお伺いしたいだけなのに。
いや まじめに別姓は必要と考えております。
とにかく政権トップがかわりますから。
別姓について詳しいたんぽぽさんの意見を伺いたいなと。
自分の知り合いも別姓を認めてもらいたくて苦労なさったのを見ておりますから。
確かにカッコ悪い。
いやね、これだけ夫婦別姓について過去の蓄積があるサイトにやってきて、しかもさんざん粘着して荒らし行為をしてきた上で、いまさら
>いったい誰がどんな偏見にさらされているのか、もう少し詳しく説明してください。
こんなマヌケな質問してくる人に、ほかにどんな対応方法があるんだろう、と疑問に思ったもので。
>うちゃさん
「だかあ〜ら〜」さんは、今までお見かけしたことのないハンドルネームの方ですから、今までの経緯をご存じないのかも知れませんよ。
>だかあ〜ら〜さん
あなたの前に同趣旨の質問をされた方は、これまで、この、たんぽぽさんのブログで、たんぽぽさんに対して
________________________
|おまえ、梅毒じゃねぇの? 性病科に逝って来い。
|
|はやく氏ぬことを希望するよ。
http://taraxacum.seesaa.net/article/100754223.html#comment (2008年06月29日 09:54)
________________________
|たのむ。
|あんたが氏ねば、とりあえず皆なかよしだw
http://taraxacum.seesaa.net/article/102902412.html#comment (2008年07月16日 20:24)
________________________
といったコメントや、こちらのようなセクシャルハラスメントに該当するコメントをなさっていたり(http://taraxacum.seesaa.net/article/103157045.html#comment)、『ネット殺人鬼タンポポ』の記述が送り先TBリストに表示されるのを含む、三つのエントリから16ほどのトラックバックが送った方です。
これらの行為はシーサーブログの利用規約の禁止事項(http://kiyaku.seesaa.net/category/547790-1.html)「6.いやがらせとなる行為」「7.誹謗中傷する行為」「12.品性を欠く行為」を初めとする項目多数に該当していたそうで、実際に運営側から警告を受けたとのことです(http://taraxacum.seesaa.net/article/103834469.html)。
そういった経緯があった方が、とても「教えて君」(http://lhsp.s206.xrea.com/misc/osietekun.html)によく似たコメントをなさっているのが、このコメント欄の状況です。
ですから、
>え?なんでたんぽぽさんじゃない方からレスが?
<
は、ネットワーカーの互助精神があるからです。
そして、
だかあ〜ら〜さんが「2008年09月01日 12:51」の方の質問にかぶせて
「そういう事はきちんと説明しないといけないんですよ。」「ブログ主として説明が必要です。」というような、たんぽぽさんのコメントスタイルに対して指図しているように見える表現をお使いになりつつ、「今後の夫婦別姓に関する展望は?」といった焦点が曖昧な質問をなさると、まるで「死ぬのはやつらだ」さんのお友達が援護しに来ているように見えてしまいますよ。
知りたい情報がお有りで、それをたんぽぽさんにお尋ねになりたいのでしたら、少し他の表現を変更なさって、質問を具体的に絞られた方がいいのではないでしょうか。
誤;他の表現を変更
正;他の表現に変更
失礼しました。
(そういう名前っぽくないハンドルは、関心しないですねえ...)
>もちろん過去記事は読んだ上、今後の展望をお伺いしたいだけなのに。
「だけ」じゃないですよ。
あなたは、最初のコメントで、こうおっしゃっています。
こちらに横レスがついたんですよ。
>そういう事はきちんと説明しないといけないんですよ。たんぽぽさん!
>ブログ主として説明が必要です。
>他の方(ROM専の方とか)の印象が悪くなりますよ。
コメント、ありがとうございます。
わたしのブログは、どういうわけか「教えてくん」は、
ぜんぜん来なかったのですが、ここへ来てついに現れた感じですね。
それにしても、はじめてお越しではないのだし、
ましてや、いままで、ああいうことをしておいて、なぜ唐突に?の感は、
わたしもいっぱいあります。
碧猫さま
コメント、ありがとうございます。
過去のエントリを、リンクして並べてくださって、ありがとうございます。
(碧猫さまは、いつもそうしたことが、とてもていねいで、
きっちりお調べになると、感心しております、はい。)
こちらでも調べてみたんだけど、「だかあ〜ら〜」さまは、
7月のはじめから、閲覧されているようです。
「絨毯爆撃」もご存知でしょうし、「セクハラ」や「通報」は、
リアルタイムで見ていたことになると思います。
(なるほどねえ...)
そういえば、レーニンは、夫婦別姓を導入しようとして、
挫折したというのを、聞いたことがあります。
(家族のことにも、関心があったのかな?)
それはともかく、いまの日本だけど、
夫婦別姓が認められると、全員が別姓にしなければいかんのかと、
思っているかたは、本当にちらほらいますね。
本気で誤解しているかたもいるようだけど、そうではなくて、
あたまでは「選択制」とわかっていても、それが認められたら、
自分のつれあいも、旧姓に戻したいと言うのでは?という不安があって、
ある種の強迫観念にかられる人も、いるんだろうと思います。
(こうした観念の背景には、「相手と話し合って決めたつもりだけど、
じつは無理に改姓させていたのでは?」という思いが、
どこかにあるのかもしれないです。)
私はいつも思うのですが、選択別姓に反対する人の中で、
選択別姓が認められることで不便になったり害を被ったりする人がどの位いるんでしょう?
実際は殆どいないんじゃないでしょうか。(私には実例が思い浮かびません)
逆に、選択別姓が認められていないことで不便を感じている人は少なくないでしょうから、
賛成と反対のパーセンテージは、同じ数字であっても等価ではないと思いますね。
他人さまが、別姓を選択して困ることなんて、ちっともないと思いますよ。
「なんか気に入らない、むかつく、だから反対」程度だと思います。
反対論者たちが、ごちゃごちゃ並べているけれど、
あれだけ血眼になって反対理由を探している連中なのに、
個人への影響に関することが、ほとんどないですからね...
通称使用や、事実婚の権利拡大に対して、反対派がぜんぜん興味を持たない、
ということは、彼らにとって、他人が別姓でいようと、
なんの影響もないことを、しめしているんじゃないかと思います。
http://taraxacum.hp.infoseek.co.jp/teardrops/against/extend.html
選択別姓に反対する人の中には「子どもがかわいそう」という理屈を言う人もいるようですが、
それならば(通称使用はともかく)事実婚の権利拡大については、
もっと興味を持って良さそうなものですよね。
私は単純な人間なので、変えることで不便な思いをしている人が救われるような制度なら、
変えてしまえばいいじゃないかと思うのですが、そう思わない人も多いのですね。
しかも国会議員にも(変えたがらない人が)少なくないというのだから、
ますます不思議で仕方がありません。
>「子どもがかわいそう」という理屈を言う人もいるようですが、
それも、他人さまの子どもであって、自分の子どもではないですからね。
しょせんは他人ごとで、自分が直接受ける不利益ではないのでした。
>それならば(通称使用はともかく)事実婚の権利拡大については、
>もっと興味を持って良さそうなものですよね。
通称については、「通称使用でじゅうぶんだ」とは、よく言いますね。
でも、通称使用の実態を調査した、とか、具体的な対案を提案したとか、
そういうお話はぜんぜん聞かないのでした。
反対論者の急先鋒の高市早苗でさえ、作ったとされている
通称使用の法案はあるのかないのか、はっきりしなかったりします。
こんなのも、他人ごとととらえていて、実際に不便をしている人の
立場になって考えようという発想が、ぜんぜんないんだと思います。
>私は単純な人間なので、変えることで不便な思いをしている人が救われるような制度なら、
いや、単純ではなく、変えてしかるべきと思いますよ。
反対派が反対に固執するのは、「正しい家族」幻想が
壊されるからではないかと、わたしは、考えているんだけど...
http://taraxacum.hp.infoseek.co.jp/teardrops/against/illusion.html
国会議員でも、そういう幻想をお持ちのかたも、多いみたいだけど、
支持基盤の団体が反対しているから、賛成できないこともあったりしますよ。
http://taraxacum.hp.infoseek.co.jp/teardrops/movement/shintou.html
「正しい家族」が、古来からの伝統だと言い出すこともあります。
これもおかしいですよね。専業主婦の話は言うまでもありませんし、
夫婦同姓にしても、そもそも明治以前の庶民は「姓」を持っていなかったわけですから。
>支持基盤の団体が反対しているから、賛成できないこともあったりしますよ。
なるほど、そういったこともありますね。
(そういえば小泉元首相の靖国参拝も、そういった面が指摘されていましたね)
自分は内心「おかしい」と思っていても国会議員の地位にしがみつく為に、
支持基盤の団体におべっかを使うような議員活動をしているから、
「政治屋」と揶揄されるのでしょう。
(リンクしたページも、読んでくださってありがとうです。)
>これもおかしいですよね。専業主婦の話は言うまでもありませんし、
>夫婦同姓にしても、そもそも明治以前の庶民は「姓」を持っていなかったわけですから。
そうなんですよね...
ほかにも、明治の政府が江戸時代以前の「日本の伝統」を
顧みるはずもないとか、ちょっと考えれば、すぐにわかるんだけど、
なぜか、本気で「古来からの伝統」と思い込んで、疑わなかったりする。
現在のような家族観になったのは、もっと新しくて、
高度経済成長期の「標準家族」が、なかば国策で、
「理想の家族」と思わされたのが原因ではないかと、わたしは思っているんだけど。
(「『古来からの伝統』と思うようになった伝統」も、
もしかすると、このときから、定着したのかもしれないです。)
>支持基盤の団体におべっかを使うような議員活動をしているから、
自民党に逆風が吹いて、浮動票が取りにくくなると、
ますます支持基盤に頼ろうとして、そっちなびいたりもするんですよね...