すでに、9月19日エントリや、10月4日エントリで、触れていますが、
『政権交代』(岡田克也著、講談社)という本を、たんぽぽは読んだのでした。
なぜきゅうに、この本を読む気になったかと言うと、
つぎのエントリで、紹介されているのを見て、
「そんなにいい本なんだ」と、興味をそそられたからです。
http://blog.goo.ne.jp/kokkai-blog/e/47dabd5b010c5f3159145a610196b174
http://blog.goo.ne.jp/kokkai-blog/e/36896c1a41cc897ae6c1dd5cb99bb699
そのあと、本屋さんへ行って、本を見つけまして、
「ああこれが、『下町の太陽』で絶賛されていた本か」と思ったのでした。
ためしに中をざっと見たら、あまりむずかしくなさそうだし、
民主党に好意的な本に餓えていた(苦笑)のもあって、
「読んでもいいかも」と思って、買ってみることにしたのでした。
読んだ印象ですが、岡田克也氏というのは、
とにかく正直(!)で、信頼を基礎に置く人だと、思いましたよ。
「政治家」と聞いて、ふつうに(?)イメージできるタイプとは、
かけ離れている感じですが、「公平」「透明」と言ったキーワードが、
「絵空事」ではなく、本当に実感として伝わってくるのです。
政策について、有権者にお話するときも、
都合のいいことだけでなく、都合の悪いことも全部言って、
その上で、各人に判断してもらう、というやりかたでいきます。
これは、体のよいことだけ言って、有権者をその気にさせる、
政治家にありがち(?)な、「マキャベリズム」とか、
「ポピュリズム」とは、対極にあると言えるでしょう。
これでだいじょうぶかと、思ってしまうのですが、
そういえば、2004年の参院選で、消費税の増税を打ち出したにもかかわらず、
自民党にはじめて勝ち越すという、快勝をおさめたのでした。
都合の悪いこともふくめて、全部正直かつ理論的にお話したので、
増税も必要なんだと、有権者に受け入れられたのでしょう。
有権者の良識を信用する姿勢で、貫かれているわけです。
郵政選挙も、日本の有権者が、おかしな判断をするのは特例であり
ほとんどの場合深刻に誤ることはない、という考えかたです。
郵政選挙の最大の被害者が、どう受け止めているのかと思ったのですが、
人間不信にすぐおちいる、わたしなんかと違って、
じつに楽観的なので、びっくりしましたよ。
いくらなんでもおひとよしすぎないか、ポピュリズムに対して、
楽観がすぎないかと、ひねくれもののわたしは、思ってしまいます。
(支持者やほかの議員からも、正直すぎると批判されたり、
あきれられたりもするようなので、だまされることも結構あるのかも。)
それでもあくまで、政治家と有権者とのあいだの信頼こそ
だいじだとする姿勢には、むしろ感銘してしまうのでした。
本全体の構成は、岡田氏の自伝ですが、4章から7章は、
93年の政界再編から現在にいたるまでの、通史にもなっています。
くわしくないかたは、ご覧になれば、ひととおりのことがわかると思います。
よくご存知のかたは、知識の整理にもなるでしょう。
そのほか、民主党の党組織の基礎堅めや、候補者選定の基準、
「自由な議論を歓迎するが、一度決まったことは必ず守る」のような、
党風の確立などを、公平性と透明性を原則に進めたことも書いてあります。
これを見ていると、まさに「民主党を作った」という感じです。
じつは、わたしは、いままで政治評論家や、政治学者の本は、
読んでいたのですが、政治家の書いた本は敬遠していたのでした。
なんとなくバイアスがかかっている気がしたからです。
岡田克也氏の本を読んで、それが食わず嫌いであることがわかりました。
これくらいでしたら、わたしは、まったくだいじょうぶです。
読んでよかったと思いました。
2004年の参院選とか、2005年の郵政選挙ではどうしたのかとか、
いろいろと内情が気になるかたも多いと思います。
「コイズミともっとも対決した政治家」について、
興味のあるかたは、ぜひご覧になるといいでしょう。
あまり興味のないかたでも、「こういう政治家もいるんだ」
くらいの気持ちには、なれるかもしれないですよ。
(いい本を教えてくださりました、ありがとうです。>宮崎信行さま)
2008年10月06日
この記事へのトラックバック
手足首を引っ込めた亀、針を立て丸まったハリネズミ状態の麻生自民、政権転落に怯え解散せずに対して我々の為す術は無いのか?
Excerpt: はたして我々は、麻生が解散するのを、ただただ待つだけしか術はないのか?ひとつの問題提起として皆さんにも考えて欲しいです。 kimera25さんが「選挙が先送りになった理由 」で、いみじくも書いていま..
Weblog: 雑談日記(徒然なるままに、。)
Tracked: 2008-10-07 07:49
東京駅から直線で40kmの所に原発ができた。働いてる奴はたばこの火で大きな火事騒ぎの低レベル、近くには爆発物だらけ、。
Excerpt: 最大離れていても、原子炉から爆発物のところまで300mの距離もない至近距離。しかも日常的に爆弾を積んだ飛行機が飛び立ったり、着陸したり、しかもその発着の飛行場の真下の地下に原子炉がある。 もっとも..
Weblog: 雑談日記(徒然なるままに、。)
Tracked: 2008-10-07 19:57
岡田さんの本を読んでみたいなぁと思いましたよ。
岡田さんは、郵政選挙の時の演説で
「小泉さんが総裁になって期待した方もいたでしょう。
私も思いました。反省してます(ペコリ)」
というのをTVで見て、好きになりました。
本当に正直な人で。
>私は、たんぽぽさんの記事を読んで
>岡田さんの本を読んでみたいなぁと思いましたよ。
おおおお、ありがとうございます。
たんぽぽは、本当は「共感派」なので(笑)、
そうおっしゃっていただけると、たいへんうれしいです。
(共感してくださるかたがいるって、思わなかったよ...)
まじめなお話、ぜひ覧になるといいと思います。
こういう、政治家「らしくない」政治家も、
本当にいるんだと、わたしも、感激してしまいましたよ。
(政治家が「正直」って、あまり聞かないことですからね。(笑))
>「小泉さんが総裁になって期待した方もいたでしょう。
>私も思いました。反省してます(ペコリ)」
01年5月7日の、小泉純一郎首相(当時)の、最初の所信表明では、
自民党は静まり返っていて、民主党は拍手喝采だったのでしたね。
(気がつくと、自分も何度も拍手をしていたと、
岡田克也氏も、言っていたそうだけど。)
小泉氏が言っていた「構造改革」は、民主党の主張と重なって見えたし、
総裁選の公約でも、自民党をぶっ壊すとか、民主党との連帯もありえるとか
言っていましたから、無理もないことだと思います。
(なので、この当時の、民主党サイドの「不覚」を、
いったいだれに責められようかと、わたしは思っているんだけど。)
(わたしが気に入らないなら、そう言えばいいのに...)
あと、はじめてコメントなさるときは、簡単な自己紹介をお願いします。
それから、わたしのブログでは、不特定多数を連想させる
ハンドルではなく、ユニークなものを使ってください。