2008年10月23日

toujyouka016.jpg 自由権規約審査

すこし前、10月15日と16日に、ジュネーブの国連ヨーロッパ本部で、
自由権規約委員会による、日本の報告書の審査が行なわれました。
この審査は、今回で5回目になります。
「国連自由権規約委、日本を審査 死刑急増に非難集中か」
「日本の死刑、代用監獄に批判続出 国連委、10年ぶり対日審査」

「自由権規約」は、「国際人権B規約」とも言われるもので、
婚外子差別の廃止、嫡出概念の廃止もふくまれるものですよ。
国連自由権規約委員会の最終見解は、こちらをご覧ください。
「HUMAN RIGHTS COMMITTEE CONSIDERS REPORT OF JAPAN」
「Human Rights Committee 94th Session」

ほかのニュース記事をご覧になりたいかたは、こちらにまとまっています。
全体的には、死刑制度や代用監獄に、関心が集まっているようです。
(長勢甚遠や、鳩山邦夫による、死刑の乱発が効いたでしょうか?)
http://azuryblue.blog72.fc2.com/blog-entry-539.html
http://azuryblue.blog72.fc2.com/blog-entry-542.html

こちらには、従軍慰安婦に関したことの考察があります。
http://d.hatena.ne.jp/Stiffmuscle/20081016/p1
http://d.hatena.ne.jp/Stiffmuscle/20081017/p1

 
民法改正に関係する内容ですが、婚外子の相続差別と、
女性だけの再婚禁止期間、婚姻可能な年齢の男女差が報告されています。
民法改正なんて、10年以上、ずーっとなにもなされていないのですが、
それでいったいなにを報告して、なにを言われたかは、
わたしのブログをいつもご覧のかたなら、予想できるかもしれないです。

婚外子差別については、「Report of Japan(日本の報告)」で、
国連人権委員会の見解が書かれています。
(あとの日本語は、わたしのつたない訳。)
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Concerning children born out of wedlock,
the report refers to a provision of Japan’s Civil Code
which stipulates that the statutory share in succession of a child
born out of wedlock shall be one half of that of a child born in wedlock.
This is a reasonable provision established with the objective of protecting families
comprised of a married husband and wife and their children.
However, as was already stated in the fourth periodic report,
it is necessary to undertake a review of the system
in accordance with changing social circumstances affecting inheritance.

非嫡出子については、日本の報告書では、
相続額を嫡出子の半分としている、民法の規定を根拠としている。
これは、法律婚主義にもとづいて、結婚している夫婦と
子どもたちからなる家族を保護するためであり、合理的としている。
しかしながら、4回目の報告でも明言しているように、
相続をとりまく社会状況の変化に合わせた、制度の見直しが必要である。
========

法律婚主義を取っているから、婚外子の相続差別は合理的、という
日本側の釈明は、これまでからずっと言われてきたことです。
ようするに、状況はぜんぜん変わっていない、ということですが、
なんの進捗もないから、同じことしか言いようがないのでしょう。
そのせいで、国連の見解も、4回目の報告のときに同じです。
「ずっと前にも言ったでしょう?」と言われてしまったのですが、
4回目は1998年ですから、いまから10年前から変化がないことになります。


女性だけにある再婚禁止期間と、婚姻可能な年齢の男女差について、
「Response to Questions Sent to Japan in Advance
(事前に日本へ送られた質問に対する回答)」に書かれています。
========
Concerning discriminatory provisions in the Civil Code,
namely the prohibition for women to remarry during six months following divorce in the event
that it was necessary to determine the paternity of a child or the difference
in the minimum age of marriage for women (16) and men (18),
the delegation explained that there had been a report
by an advisory committee to the Minister of Justice
that proposed the marriageable age to be 18 years of age for both men and women.
Also, the period of prohibition of remarriage post divorce should be shortened to 100 days.
However, there were physical and mental differences in the age
at which men and women reached the maturity necessary for marriage.
The delegation stressed that there was a rationale behind the provisions
giving different marriageable age for men and women
that reflected these physical and mental differences between men and women.

民法の差別的規定については、父性の推定のために、
女子にのみ、離婚後半年のあいだ再婚が禁止されていることと、
婚姻可能な年齢が、女子が16歳以上、男子が18歳以上で、異なることがある。
諮問委員会で、婚姻可能な年齢を男女とも18歳とするという質議が、
法務大臣に対してなされたことを、日本側は説明している。
また、再婚禁止期間は、100日に短縮されるべきとしている。
しかしながら、結婚適齢期に達する年齢は、男女のあいだで、
肉体的にも精神的にも違いがあるとして、婚姻可能な年齢に
男女差を設ける規定の裏付けとなっていることを、日本側は強調した。
========

再婚禁止期間については、法改正がぜんぜん進んでいないので、
「こういう質議があった」というだけの、じつにさみしい報告です。

結婚に対する適性なんて、男女差より個人差のほうが大きいと思います。
いまは、高校生くらいまでは、男子も女子も、ライフスタイルに
たいして違いがないので、精神面での差なんてほとんどないのではと思います。
国に適齢期のことをとやかく言われるのも、大きなお世話という感じです。
たぶん、進捗がないので、なにも言うことがないのでしょう。

posted by たんぽぽ at 23:19 | Comment(0) | TrackBack(4) | 民法改正一般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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