2008年11月10日

toujyouka016.jpg 性的被害の告白(15)

ところで、前のエントリでご紹介したLight氏ですが、
じつは強い自己責任論者ではないか?という意見があります。
(女性的でやさしげな文体なので、気がつきにくいそうだけど。)
具体的には、石原慎太郎都知事や、橋下徹府知事のタイプです。
http://blogs.dion.ne.jp/akiras_room/archives/7685149.html#comments
(2008年10月29日 19:23)

「自己責任論」が大好きな人たちは、一般に社会的強者のことが多いです。
彼ら彼女らの「成功」は、社会的に優遇された立場に
いるからでもあるのですが、そうした幸運を理解せず、
全部自分の努力のゆえんと思いこんでいたりします。

それゆえ、自分の成功体験を元にして、自分のようにやれば
他人もできるはず、他人ができないのは、努力していないか、
わかっていないからだと、考えがちになります。
ときおり、自分が正しいと思ったことを、相手におしつけることが、
その相手のためでもある、などと考えたりもします。

 
Light氏が、akiraさんのブログで言いたかったことは、
「自分と娘もセクハラを乗り越えたんだから、たんぽぽ(たち)も、
おなじようにやればうまくいったはず。それにもかかわらず、
ここにいる人たちは、みんな騒ぎすぎだ」ではないかと思われます。
これは、強い自己責任論者だと考えれば、納得ができそうです。

また、Light氏は、「自説を展開しているだけ」とか、
「自分語りだ」という批判もあったのでした。
これもご自分の成功体験を、わたしたちに、おしつけようという、
「自己責任」の大好きな人の発想だと考えれば、理解できそうです。

性被害のような個人的体験は、固有性が強いものです。
Light氏や娘さんが、性的いやがらせを乗り越えられたのは、
もちろん結構なのですが、おなじやりかたで、
ほかのかたがうまくいくとはかぎらないです。

このあたりに無自覚だからでしょう、Light氏がコメントすると、
無神経にして精神的暴力となり、とくに今回の場合、
過去にセクハラで被害を受けて、傷を負っているかたと、
軋轢を生じることにもなるわけです。


Light氏は、akiraさんのブログに現れたとき、
自分と娘にも、性的いやがらせを受けた経験があると言い、
「濃いミルク」発言で、自分も血の気が引いたとも言ったのでした。
あたかも自分は、わたしやakiraさんの味方だと、言いたげですが、
実際には、おおよそ相容れない考えでした。

このように、Light氏が、「味方のふり」をしたがるのも、
過剰な自己責任論者だからかもしれないです。
「自己責任論」の好きなかたは、自分も相手の味方だとか仲間だとか、
同じ立場に立っているとか、やたら言いたがるようです。

これもおそらく、自分とおなじようにやれば、
他人もうまくいくと、思っていることの現れなのでしょう。
言われた側からしたら、同類でないのがあきらかなので、
しらじらしくて、なおさら押し付けがましく聞こえたりします。


おりしも、自己責任と競争が大好きらしい、橋下府知事が、
私学助成金の削減を撤回してくれるよう、直談判に来た高校生たちを、
むきになってやりこめたことが、話題になっています
ここでいちばん深刻なことは、橋下府知事自身も、
高校生たちと同じく、「苦しい競争の舞台に立っている仲間なんだ」
という幻想をばらまいていることだと、言うかたもいらっしゃります。
http://d.hatena.ne.jp/kmiura/20081027#p1

だから、「同じ人間だろ」といわれたら断固否定、
「わたしは違う、と...」


このエントリは、「セクシャル・ハラスメント議論用【一般】」の、
玄倉川さまの(2008年10月29日 19:23)のコメントを参考にしました。

参考資料:わたしからのレスの一覧。
(2008年10月30日 23:48)

posted by たんぽぽ at 22:12 | Comment(0) | TrackBack(1) | 家族・ジェンダー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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