すでにあちこちで話題になっていますが、「ニュースキャスター」の、
筑紫哲也氏が、11月7日に肺がんで亡くなりました。
享年73歳、もうちょっとがんばれたのに、というところでしょうか。
(07年4月の東京都知事選で、民主党から、石原の対立候補に打診され、
断わっていたことを、覚えているかたもいるでしょうか?)
「<筑紫哲也さん死去>「キャスター」お茶の間に浸透」
「筑紫哲也さん死去…肺がん告白から1年半」
政治家の中では、辻元清美議員と親交があったみたいです。
「政局や政策を相談すれば、的確な分析と具体的な
アドバイスが返ってきた」と、語っていますよ。
「筑紫哲也さん通夜に辻元議員ら参列 」
「ライバル」と目されていた、久米宏氏。
(衆議院総選挙の開票特番を、もう一度共演なかったのが心残り?)
「久米宏氏「後ろに筑紫さんがいたから安心」」
「久米宏さん「筑紫さんは左サイドバック。
乱暴なことを言ってもフォローしてくれた」…筑紫哲也さん通夜」
筑紫哲也さんと言えば、TBSの『News23』という番組を務めていましたが、
05年6月13日の放送では、選択別姓の特集を組んでくださったのでした。
「夫婦別姓法案の行方」「夫婦別姓法案なぜ通らない?」というタイトルで、
民法改正法案が、なぜ可決しないのかについて検討したものです。
つぎのエントリで、番組について、紹介されています。
http://fb-hint.tea-nifty.com/blog/2005/06/_news23_8652.html
http://fb-hint.tea-nifty.com/blog/2005/06/tbs_41b0.html
はじめに、現行法でできる方法で工夫をしながら、
夫婦別姓を実践している家族が、2組紹介されます。
このあたりは、「わたしたちは、こんなに苦労しています、
法案成立が必要なんです」という、よくあるパターンとなっています。
この特集が特異的なのは、反対派に焦点を当てているところです。
西村真悟議員の「日本人の良識」発言と、西川京子議員の
「絶対に同姓でいくんだよ」発言が紹介されます。
これらは、むかしの録画で、2002年4月17日に開かれた、
「日本女性の会」主催の「夫婦別姓に反対する国民の集い」の
ときではないかと、おそらく思います。(参考)
この機会に、新しく取材をされたのは、自民党の森岡正宏議員です。
「家族ばらばら法案」発言を、繰り広げてくれます。
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やっぱりこれは家族バラバラ法案ですよ。
子どもは「なぜ私はお父さんと一緒の姓だけど
お母さんと一緒じゃないの?」とかなるでしょう。
家族の一体性とか、ご先祖に対する感謝の気持ちとかが
だんだん希薄になってきますよ。
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番組の前半で、実際に別姓の家族が出て来ますし、
このあとであれば、森岡議員のもの言いが、いかに虚構に満ちたものであるか、
多くの視聴者が実感できるのではと思います。
これに加えて、西村、西川両議員の力みぶりも異様に映るでしょう。
「選択別姓法案に反対する人は、かくもおかしいのか」という印象と、
「いつまでも法案が成立しないのは、こういう人たちのせいなのか」
という認識が、番組を観たかたたちのあいだでは、広まっていました。
反対論者の批判をするのがよい、反対派がどんな人たちなのか、
知ってもらうことが大事だ、というのが、わたしのかねてからの持論でしたが、
この番組を契機にようやく、そうした雰囲気が出て来たことになります。
(筑紫哲也さんさすがですと、あらためて感心してしまいます。)
自民党内では、選択別姓の議論は、さかりを過ぎて陰っていましたが、
世論的にはこのころが、いちばん盛り上がっていたように思います。
(ところがこのあと、9月11日に、郵政選挙で自民党が大勝します。
民主党の議席は大きく減ってしまい、民法改正、選択別姓の実現が、
はるかさきに遠のき、夢物語になってしまいました。
その1年後、政権が安倍になると、バックラッシュ的雰囲気が蔓延して、
民法改正、選択別姓の議論は、逼塞を余儀なくされます。
そして07年7月、参議院選で民主党が大勝し、約2か月後に安倍は退陣ですが、
そのとき民法改正は、すでに忘れられた課題となっていました。)
2008年11月13日
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