ところで、国籍法の改正で「偽装認知」が増えて、
不正に日本国籍を取る子どもが増えるのでは?と考える人たちがいるのです。
つぎの記事では、不法就労を心配しているのですが、
おそらくは、虚偽の生後認知をされた子が、日本国籍を理由に、
母親が在留資格を取ることが、反対派の心配なのでしょう。
「世論は無視か!? 国籍法改正案が成立の見通し」
「世論は無視か」などと言っていますが、ほとんどは問題視せず、
反対しているのは、ごくごく一部のように思います。
最初この主張を見たとき、婚外子に対する差別心か、
家族制度変更へのアレルギーかと、わたしは、思ったのでした。
あちこち見ていると、排外主義的な動機のほうが大きそうです。
偽装認知の可能性は、つぎのエントリでくわしくお話されています。
エントリの作者は、専門のかたのようで、
反対派の主張への反論もあって、すごいよく書けています。
みなさまも、ぜひご覧になるとよいでしょう。
「○○○!知恵袋 国籍法は改悪なんでしょうか?」
http://blogs.yahoo.co.jp/isikeriasobi/55815187.html
これは、1996年7月30日に出された、法務省入国管理局長通達
「日本人の実子を扶養する外国人親の取扱いについて」が、
在留資格を取るための、法的根拠とされます。
子が国籍を取ろうとすれば、認知の真実性が審査され、
さらに、母親が在留資格を取る審査で、認知した男性の渡航歴や、
過去のふたりの関係を調べられたりします。
このほか、男性が日本に在留資格のあるケースや、
男女とも、日本に在留資格のないケースも、検討されています。
いずれの場合も、虚偽認知で子に日本国籍を取らせるのはわりが悪く、
わざわざそんなことをする人はいないと考えられます。
ようするに、同居のふりをすればよい偽装結婚とちがって、
偽装認知は、過去の経歴を調べられるので、むずかしいようです。
また関係の解消もむずかしいので、相手も見つけにくいそうです。
エントリ作者は、在留資格を数多く扱っているそうですが、
(500とか600という数ではないそうです)偽装認知がばれずに、
在留資格が取れたケースは、実際にはひとつもないそうです。
さきの国籍法違憲裁判も、偽装認知のおそれを指摘しながら、
その具体的事例は、まったく示さなかったのだそうです。
そのほかの関連エントリ:
産経新聞は、しっかり反対の論陣を張っていますよ。
「「国籍法改正反対」をリードする産経新聞」
採決前に退席した議員に、西川京子氏がいます。
「国籍法改正案が衆院で可決、自民一部議員が採決前に退席」
反対派議員が議連を結成ですが、発起人は国粋主義者の平沼赳夫氏。
「国籍法改正に反対議連発足」
2008年11月23日
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札つきのネット右翼の方が「水伝」の「共感派」よりまだ説得力がある(笑)
Excerpt: 「水伝騒動」で対立関係になってからほとんど訪れることのなくなったブログだが、 わんばらんす 危険な田母神思想・・・『大量殺人兵器を扱う者の資格』なし を見てぶっ飛んだ。 書き出しはまともなのだが、な..
Weblog: kojitakenの日記
Tracked: 2008-11-24 19:35
国籍法改正の趣旨を理解せず反対の理由だけを探す態度はいただけないと思います。(1)
Excerpt: 国籍法「改正」について書いた前の記事、 『「すべて人は、国籍をもつ権利を有する。」(世界人権宣言第15条) (国籍法改正について)...
Weblog: 村野瀬玲奈の秘書課広報室
Tracked: 2008-11-26 23:06