2008年12月13日

toujyouka016.jpg 国籍法改正反対派(4)

国籍法改正反対派は、議員の事務所に大量にFAXを送って、
ひたすら抗議活動を繰り広げたのでした。
「国籍法改正反対派が送った2000通のメール&FAXに怯えた政治家」
http://d.hatena.ne.jp/macska/20081209/p1
「国籍法改正反対派に見る振り込め詐欺の手口」
http://hisamatomoki.blog112.fc2.com/blog-entry-332.html
「国籍法改正反対ビラのスレッドが凄い事になっている件」
http://d.hatena.ne.jp/hagakurekakugo/20081207/p2

ひとつ目の『*minx*』の12月9日エントリによると、
ひとりの議員のところに、法改正反対を訴えるFAXとメールが、
合わせて2000通くらい集まったとあります。
FAXのほうが多くて、そのうちの4分の3がそうでした。
内容はいままで出て来た、検討に値しない反対論がほとんどで、
誹謗中傷もあったものと思われます。

 
あまりことなので、はじめてご覧になった中には、
その狂気ぶりに、びっくりされたかたもいるかもしれないです。
しかし、民法改正運動に長くかかわったかたでしたら、
こういう騒ぎは、すでに見たことがあるものです。

2002年の春ごろ、選択別姓が国会で盛り上がり、
あせりを感じた反対派たちが、アクションを起こしたのですが、
そのひとつとして、おなじような大量FAX攻撃がありました。
http://www.sasaki-law.com/memberof/concern5.htm
http://taraxacum.hp.infoseek.co.jp/teardrops/against/hysterics1.html
臨時国会での審議開始後、これまでは激励メールだけだったのが
その量をはるかに超えて(大部分は組織的活動と思える)
反対ファックスが私の所にも毎日それこそ山のように送られてきました。
反対意見の多くは、議員のそれと同様、残念ながらかなり感情的です。
理由は大体以下に要約できるようです。

少年非行の増加、学級崩壊などの中、家庭が崩壊する危険性
子どもが可哀相日本の伝統文化を守れ
あるいは夫婦別姓=フェミニズム・共産党
即刻自民党を辞めて共産党に行け、という過激な(!)ものもありました。

『*minx*』の作者も、大量FAX攻撃を見たのは、3度目とあります。
慣れたようすで、「さすが、macskaさん」という感じなのですが、
バックラッシュとか、排外・国粋主義者の毎度おなじみの手口のようです。
ネットを介在した「ネット右翼」的なパニック煽動が
政治家にまで影響を及ぼすという構図は、
以前の「ジェンダーフリー」騒動でも見られたし、
毎日新聞のWaiwaiをめぐる騒動でもあったから、
大きなものではこれが三度目になる。


ところで、一部の「リベラル」議員が、反対したのは、
大量FAX攻撃におそれをなしたからだ、というのは本当でしょうか?
堤未果氏の東京新聞のコラム(11月30日)を見ても、
「議員たちを揺さぶり疑問を投げかけたのは国会事務所に
殺到した国民からのファクスやEメールだった」としか
書いていないので、はっきりとはわからないです。
http://ponchoronyanko.cocolog-nifty.com/blog/2008/12/post-a5f6.html
http://d.hatena.ne.jp/macska/20081209/p1

上でご紹介の、佐々木知子議員(当時)の選択別姓のページを見ても、
大量FAXにひるんだようすもなく、毅然としている感じです。
それで議員たるもの、これしきのことなどなんとも思わず、
反対派たちのFAX攻撃なんて、その程度かと思っていたのでした。

『*minx*』のエントリでは、今度の国籍法改正に反対したのは、
FAX攻撃におびえたからに違いないと見ています。
もしそうなら、非常識きわまりない、大量抗議FAXで恫喝すれば、
議員の考えを曲げることができると、反対派に自信を持たせてしまい、
民主主義という観点から、じつに困ったことになります。

恫喝されなくても、大量にFAXが送りつけられれば、
業務に支障が出ますから、じゅうぶんゆゆしいことです。
集団妄想にでもおちいったかと思われる、反対論者たちの
大量FAX攻撃の対策を、本当に考える必要がありそうです。

posted by たんぽぽ at 23:13 | Comment(6) | TrackBack(0) | 民法改正一般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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この記事へのコメント
わたしのエントリを誤読されているようです。議員のもとにFAXとメールが総数2000通近く来ており、そのうち4分の3がFAXです。内容は、FAXはこれまで確認したところ例外なく全てが反対で(うっかり賛成FAXを見逃している可能性はあります)、メールには少数ながら賛成意見がありました。

あと、waiwaiは議員関係なかったですね。そのかわり、毎日新聞や毎日新聞に広告を載せている企業に同じようなメールやFAXのキャンペーンがありましたが。
Posted by macska at 2008年12月15日 00:55
macskaさま、いらっしゃいませ。
コメントありがとうございます。

>わたしのエントリを誤読されているようです。

ご指摘、ありがとうございます。
貴エントリ、あらためて確認しました。
(わたし、まちがえていましたね...)
わたしのエントリは、直しておきました。


>内容は、FAXはこれまで確認したところ例外なく全てが反対で
>(うっかり賛成FAXを見逃している可能性はあります)、
>メールには少数ながら賛成意見がありました。

民法改正のときも、反対派はFAX、賛成派はメールと、
使うメディアがきっちりわかれる傾向はあったのでした。
国籍法改正は、反対派はFAXだけでなく、一部にメールを使うのもいて、
賛成のメールが、少数になったのかもしれないです。

>あと、waiwaiは議員関係なかったですね。
>そのかわり、毎日新聞や毎日新聞に広告を載せている企業に
>同じようなメールやFAXのキャンペーンがありましたが。

情報ありがとうございます。
あれだけの数ですし、組織でやっているところもあるんでしょうね...
Posted by たんぽぽ at 2008年12月15日 21:58
>あと、waiwaiは議員関係なかったですね。
>そのかわり、毎日新聞や毎日新聞に広告を載せている企業に
>同じようなメールやFAXのキャンペーンがありましたが。

確かに毎日新聞の件には最初は議員は関係なく、ネット右翼が勝手に盛り上がっていただけですが、途中から「元国会議員」(笑)が便乗して売名行為を働いていました。

http://www.m-kiuchi.com/2008/07/26/mainichishinbunhaikanka/
(「毎日新聞廃刊か」?)

http://www.m-kiuchi.com/2008/07/29/mainichishinbunnhaikane2/
(「毎日新聞はいかんね2」?)

この「元政治家」が謎のローマ字の文字列を使っていたのは昔からだったんですね。

私は、この「元政治家」の馬鹿げたリアクションを見て、「毎日新聞叩きに反対するキャンペーン」を始めようと思い立ったのでした。

もっとも、その直後に福田康夫首相(当時)が辞意を表明したので、キャンペーンは尻すぼみになってしまいましたが。
Posted by kojitaken at 2008年12月15日 23:47
kojitakenさま、コメントどうもです。

引用なさっている、macskaさまのコメントにある、
「毎日新聞」の件というのは、今回の国籍法改正のことでは...?
ようするに、毎日新聞に、「国籍法改正反対のFAXやメールを送ろう」
という主旨の、広告か記事が載ったのかと、わたしは思ったんだけど...

ご紹介の城内氏のブログの記事は、08年7月のものだけど、
たぶん、それらのこととは、関係ないと思いますよ。

(ちがったら、kojitakenさまと、macskaさまのおふたりに、
もうしわけないけれど...)
Posted by たんぽぽ at 2008年12月16日 22:49
> 引用なさっている、macskaさまのコメントにある、
> 「毎日新聞」の件というのは、今回の国籍法改正のことでは...?

の件ですが、

> ========
> ネットを介在した「ネット右翼」的なパニック煽動が
> 政治家にまで影響を及ぼすという構図は、
> 以前の「ジェンダーフリー」騒動でも見られたし、
> 毎日新聞のWaiwaiをめぐる騒動でもあったから、
> 大きなものではこれが三度目になる。
> ========

という記述があり、これは、
http://japan.cnet.com/blog/sasaki/2008/08/05/entry_27012752/
で論じられている件と同一だと思います。

macskaさんのコメントにある「毎日新聞」の件というのも、この件だと判断した次第です。

そして、この騒ぎに便乗したのが、「あの」城内実でした。
Posted by kojitaken at 2008年12月18日 22:23
kojitakenさま、コメントありがとうです。

エントリ中にある、「毎日新聞のWaiwaiをめぐる騒動」は、
ご指摘の城内氏が出てきた騒ぎのことではないかと、わたしも思います。
http://d.hatena.ne.jp/macska/20081209/p1

[2008年12月15日 00:55]に書いてくださったのは、
今回の国籍法のことで、「毎日新聞のWaiwaiをめぐる騒動」は、
べつなのかと、わたしは思ったのでした...
Posted by たんぽぽ at 2008年12月19日 00:35
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