2008年12月26日

toujyouka016.jpg 反対派が増えた理由?(2)

12月25日エントリでご紹介の、apj氏のかわった主張ですが、
婚外子差別という観点で、見過ごせないことをコメントしています。
「法改正してまでバカ親のフォロー? (by apj)」
http://www.cml-office.org/archive/1228710191201.html#com9
|じゃあ、子供を作ることを決めた親の判断について
|責任を問うことを同時にやらないとやっぱりおかしい。

|というか、何で法改正してまでバカ親のフォローを
|しなきゃならないのか、ってことの方が釈然としない。
|やって後々まずいことになりそうなことは、避けるのが普通では。

日本人と外国人とのあいだの婚外子に、国籍を与えることは、
「バカ親のフォロー」であるなどと言っているのです。
これは、もちろん、「バカ親のフォロー」をするのはおかしいから、
婚外子に国籍を与える必要はない、ということで、
本人の意志によらない「親の責任」を、子どもにおしつけることでしょう。

 
民法の規定にもある、婚外子の相続差別もそうですが、
こういう考えをする人は、子どもを意志や人格を持たない、
「物体」のように見ているのかもしれないです。

たとえば、霊感商法に引っかかって、高い壺を買わされたら
(例が悪いかな?)、壺を捨てるなどして処分するとか、
「ものに責任を取らせる」とでもいうべき手段を取るでしょう。
このような「まちがって買って来た」のと同じ感覚で、
「まちがって産まれてきた」子どもの「処分」として、
国籍を与えないとか、遺産を半分にするとか、言うのかもしれないです。

実際の子どもは、産まれて来た以上、無生物や物体と違って、
親とはべつの、独自の人格や意志があります。
よって、親にどんな事情があろうと、子どもの権利は保証するのが、
現在の考えかたなのは、言うまでもないでしょう。

そのため、自由権規約の24条では、子どもは「社会的出身」で
差別されないと定めていますし、欧米の民主主義国の多くは、
「社会的出身」による区別である、嫡出概念をなくしていることは、
これをご覧のみなさんは、よくご存知でしょう。


それから、apj氏は、不法滞在者が既成事実を作るために、
子どもを産んで国籍を取ろうとする、という「懸念」を繰り返しています。
http://www.cml-office.org/archive/1228710191201.html

|こっそり子供を産んで運良く見つからなければ、
|不法滞在してもやった者勝ちだというのを助長するに終わる。
|特定の子供に対する救済を考えるのは良いとしても、
|同時に、「長期にわたって不法滞在して子供を産んで育てる」ようなことが
|今後発生しないように、不法就労やら不法滞在をしている人を徹底的に調べて
|早々にご自分の国に帰っていただくということをやらないとまずい。

これは前にも出て来た『いしけりあそび』のエントリによると、
認知された子の母親には、在留資格を取るための審査があって、
自動的に資格が得られる、というのではないです。
母親が日本で生活する理由や、本国での養育の実績の証明がいりますし、
ほかにも認知の真実性や、認知した男性の渡航歴、
父母が知り合った経緯や交際の様子を、父母べつべつに聞かれます。
http://blogs.yahoo.co.jp/isikeriasobi/55815187.html

このように、在留資格を取る審査は、入念になされるようですから、
母親が不法滞在していれば、この審査でばれるだろうと思います。
apj氏のいわゆる「先を見ない考え無しの馬鹿」をしてくれると、
不法滞在が(あれば)、かえって摘発できるかもしれないです。

posted by たんぽぽ at 22:45 | Comment(4) | TrackBack(0) | 民法改正一般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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この記事へのコメント
こんにちは。

apjさんの
|じゃあ、子供を作ることを決めた親の判断について
|責任を問うことを同時にやらないとやっぱりおかしい。(以下略)

という論法だと、「貧乏なくせに子ども作って、子どもの修学援助金や奨学金を申請するのはバカ親」「そんな奴のフォローするのか」
みたいな話になりかねませんね。
子どもの教育に充分金を出せる見通しがないくせに子ども作ったわけですからね。

別エントリに書かれていましたけど、私はapjさんの発言を「水伝」騒動以前から見ていましたので、今回のapjさんの論はショックではありません。社会や歴史に関しては、大学の先生だと思わないほうがいいかと(そういう方は他にもいらっしゃいますが)。
Posted by kiriko at 2008年12月28日 02:53
kirikoさま、コメントありがとうございます。

>apjさんの
>|じゃあ、子供を作ることを決めた親の判断について
>|責任を問うことを同時にやらないとやっぱりおかしい。(以下略)
>という論法だと、

最近はやりの「自己責任」教だと、言われていたけれど、
研究者のかたは、「自己責任」のお好きなかたが、多いと思います。
「自分はこれだけ努力して、苦労を乗り越えたのだー」という
意識を持ちやすいからでしょうけれど。


>私はapjさんの発言を「水伝」騒動以前から見ていましたので、

あらあら、前にも似たようなことが、あったんですね。
(それとも、いままでの発言から、そういう考えかたをすると、
わかっていた、という意味なのかな...?)
わたしも、じつはむかし、apjさんのサイトの掲示板を見ていて、
書き込んだこともあるんだけど、わからなかった...

それと、今回のことは、大学の先生としてではなくて、
にせ科学批判をしているかたとしての資質を、疑われたんじゃないかな?
「専門外であっても、適切な情報を探し出せる」という、
情報リテラシーにかかわるので、批判されても無理もないんだけれど。
Posted by たんぽぽ at 2008年12月28日 16:33
kirikoさんの喩えは素晴らしいですね.本質を見事に描写!
今はとりあえずそれだけお伝えしたくて出て参りました.
それでは新年にまたお会いしましょう.
Posted by アルバイシンの丘 at 2008年12月31日 17:54
アルバイシンの丘さま、コメントどうもです。

>kirikoさんの喩えは素晴らしいですね.本質を見事に描写!

そうそう、すごいわかりやすいと思います。

学費のことでしたら、「親の責任」は、
「子どもにまともに教育を受けさせること」であって、
子どもの教育を制限して、ペナルティを課す、なんて、
たぶんだれも、思わないでしょうからね...

訴訟を起こしたフィリピンのかたも、
「これでやっと親の役目が果たせる」と言っていたけれど、
国籍の場合は、子どもを認知して扶養をすることが、
「親の責任」なんだと思います。
Posted by たんぽぽ at 2008年12月31日 19:16

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