2008年12月30日

toujyouka016.jpg 反レッテル主義者?

12月25日12月26日12月27日とご紹介してきた、
apj氏の国籍法改正のエントリですが、いろいろ反論されたあと、
最後に書いたのが、このエントリです。
「レッテルを貼る奴を見ると無条件に攻撃したくなる」
http://www.cml-office.org/archive/1229216247213.html

レッテルを貼るのはきらいだとか、
「なんとか主義者」と言う人は自分の敵だとか、すごんでいます。
(国籍法のことは、もはや反論しなくなってしまいました。)
具体的には、最初に引用されていた『週刊金曜日』の記事に、
「歴史修正主義者」ということばがあったことを、指すのだと思います。

 
歴史の捏造をする人は現にいるし、社会に影響をおよぼしてもいます。
そうした人たちをあらわすことばが使われるのは、当然でしょう。
「居もしない排外主義、歴史修正主義者」などと言っていますが、
ことばをなくして、実在まで見えなくなっては、本末転倒でしょう。
「ことば狩り」にもなりかねないです。

このような、「反レッテル原理主義者」とでも呼べそうなかたは、
ウェブでは、ときどきお目にかかることがあります。
こちらでも、おなじようなことを言うかたがいます。)
ウェブにありがちな偏りを、わたしは感じるのですが、
こうしたかたたちは、以前レッテル貼り攻撃されたとかで、
いやなことでもあったのでしょうか?


あるいは、かかる「反レッテル主義者」は、こうではないかという、
ひとつのお答えが、つぎのエントリでしめされています。
「無徴という権力」
http://d.hatena.ne.jp/tikani_nemuru_M/20081219/1229670656
「だれでも ない あなたへ」
http://d.hatena.ne.jp/hituzinosanpo/20081215/1229343507

属性がなければ、不特定多数に埋もれますから、
安全なところから、言いたいことが言えるという、
一種の「特権」があることになります。
レッテルを貼られると、属性がつくので、
これによって「属性からの自由という権力」が損われるのを
嫌うのではないか、ということのようです。

ネットの世界では、リアルの属性からはわりあい自由です。
しかし、なにか発言すれば、その内容によって、
リアルとはべつの、ネット独自の属性がつくことになります。
ところが、ネットの匿名性に、あらゆる属性からの自由を
期待するかたは、発言によってネットの属性がつくことも、
受け入れたくないのかもしれないです。


ついでに、さきにリンクしたエントリの、あとのほうに、
「相対主義」も、「無徴」と相性がよさそうだとあります。
そういえば、「カチカンの相対性」とか「カチカンの多様性」とかいう
お題目がお好きなかたも、ネットの世界には多いと思います。

なんで、こういう人たちが、ネットにたくさんいるのかな?
そういうのが、いまどきはやりなのかな?とか、
わたしは、いろいろと思っていたのでした。
匿名性のもたらす「無徴」が、過剰に期待されるのでしょう。
ネットという媒体の特異性だと思ってよさそうです。

posted by たんぽぽ at 06:30 | Comment(4) | TrackBack(0) | ウェブサイト | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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この記事へのコメント
仮に「レッテルを貼る奴を見ると無条件に攻撃したくなる」のが、
国籍法改正がらみの一連のエントリーを上げた動機だったとすると、
全然辻褄が合わなくなりますよね。

だってあの方ご自身が、誰に対して何のレッテル貼りをしたわけでもない人たちに対して
個別の事情について考慮することもせずに、
>「先を見ない考え無しの馬鹿」というレッテルを存分に貼らせてもらいたいです。
なんておっしゃってるんですからね。
Posted by 御姉寧 at 2009年01月02日 23:49
御姉寧さま、こちらにもコメント、どうもありがとうです。

もしかすると、『週刊金曜日』が、気に入らなかったのかもしれないです。
(どうも、apj氏は、「ヒダリのほう」がお嫌いな感じなので。)
そういう、「左翼メディア」の言っていることだから、
信用できないだろう、くらいに思ったんじゃないかな...?

あとは、婚外子を作った外国人女性や、相手の日本人男性も、
そういう「左翼メディア」と同一視されるのでしょう。
あるいは、彼ら問題の当事者たちを叩くことが、
「左翼メディア」への反撃と、見なされるのかもしれないです。

でも、おっしゃる通り、問題の当事者たちは、
なんのレッテルも貼っていないのだし、おかしなお話になりますね。
Posted by たんぽぽ at 2009年01月03日 13:24
上のコメントではサラッと書いてしまいましたが、あの方の言動には心底怒りを感じます。
(正直、名前を書くのも憚られます…)
自分が気に入らない相手を攻撃したいがために、攻撃対象とは無関係の社会的弱者を
傷つけるようなことを平然と公言して憚らない。
その人間として致命的とも言えるデリカシーの欠如と傲岸不遜さは実に許しがたい。
そういえばどこぞのどなたかも、かつて似たようなことをしていたような。
Posted by 御姉寧 at 2009年01月03日 22:25
「親の話題になると、ぐだぐだになる」という指摘もあったし、
問題の当事者たちを直接攻撃したいのも、あったと思いますよ。

たぶん、外国人や婚外子に対する先入観と、
「左翼メディア」に対する色眼鏡が、重なったんじゃないかと思います。


>どこぞのどなたかも、かつて似たようなことをしていたような。

ネットで「無徴という権力」を、手にしたつもりになって、
言いたい放題だったかたですね。(悲)
Posted by たんぽぽ at 2009年01月04日 00:29

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