2009年01月03日

toujyouka016.jpg 法に退けられる子どもたち

12月22日エントリで触れましたが、松浦大悟議員のブログ
ご紹介のあった、『法に退けられる子どもたち』
(岩波ブックレット、坂本洋子著)を読みましたよ。
著者の坂本氏は、前にも書きましたが、「mネット」の共同代表のかたですよ。

内容は大きく3つで、第1章は「離婚後300日規定」、
第2章は、先日まで大騒ぎしていた、外国人婚外子の無国籍問題
第3章は、民法改正のひとつである、婚外子の相続差別規定です。

現在直面している事態が、事例をあげてしめされ、
さらに法律や制度がそうなった歴史的経緯や、外国の事情、
現在の政治の動向などが、短いページ数で要領よく述べられています。
税込み504円で、冊子のような薄い本なので、すぐ読めるでしょう。
この分野について、知りたいかたはもちろん、
よくご存知のかたも、知識の整理に役立つと思います。

 
本が発行されたのは、11月6日となっています。
このときは、国籍法改正の大騒ぎは、まだ始まっていなかったのでした。
このあと、約1か月におよぶ、一連の騒動(もうおさまったかな?)を見て、
著者や出版者のかたは、いったいどうに思われたでしょうか?

著者の坂本氏が、「離婚後300日規定」に、関わるようになったのは、
2005年4月にメールをもらってからとあります。
マスコミ(とくに毎日新聞)で、頻繁に取り上げられ出したのは、
2007年のはじめごろですから、世間に広く知られるより、
ずっと早かったことになります。


最後の「おわりに」の章には、自民党の
バックラッシュ政権のことに、すこし触れてあります。
具体的には、安倍晋三氏、長勢甚遠氏、山谷えり子氏と、
主要なメンバーの名前と、彼らがなにをしたかも出てきます。

安倍晋三が座長だった、ジェンダーのプロジェクトチームや、
(「3500件の事例アンケート」までは出て来ないですが)、
安倍晋三の著書、『美しい国へ』の名前も出て来ます。
「ジェンダーフリー」について、でまかせを並べて世論を煽り、
高等学校の家庭科教科書の内容や、05年の第二次共同参画基本計画に、
悪影響を与えたことにも、触れられています。

自民党のバックラッシュ政権は、女性の自己決定権に、
真っ向から反対する家族政策を進めて、その結果、
07年11月の、ダボス会議の評価が、ひどかったことが触れられ、
ちょうどおなじころ、フランスでは、女性の自己決定権を
尊重した政策がなされ、その結果出生率が上がったことが、
きわめて対照的であると、紹介されています。

ときの政権に対する批判が、しっかりとなされていて、
その内容も、よく目配せができていると、わたしは思いました。
(この最後の7ページだけでも、読む価値があると思います。)

posted by たんぽぽ at 22:01 | Comment(0) | TrackBack(0) | メディア・書籍 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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