「男女共同参画基本計画(第2次)」の
「広報、啓蒙活動」のくだりは、なんともイミシンです。
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○わかりやすい広報・啓蒙活動の推進
・男女共同参画の理念や「社会的性別」(ジェンダー)の視点(*)の
定義について、誤解の解消に努め、また、恣意的運用・解釈が
行なわれないよう、わかりやすい広報・啓発活動を進める。
*「社会的性別」(ジェンダー)の視点
2. 「ジェンダー・フリー」という用語を使用して、性差を否定したり、
男らしさ、女らしさや男女の区別をなくして
人間の中性化を目指すこと、また、家族やひな祭り等の
伝統文化を否定することは、国民が求める男女共同参画社会とは異なる。
例えば、児童生徒の発達段階を踏まえない
行き過ぎた性教育、男女同室着替え、男女同室宿泊、
男女混合騎馬戦等の事例は極めて非常識である。
また、公共の施設におけるトイレの男女別色表示を同色にすることは、
男女共同参画の趣旨から導きだれるものではない。
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性差否定や、行き過ぎた性教育、男女同室着替えなどは、
男女共同参画の趣旨ではないと、きっぱり否定してはいます。
しかし、このような「事例」が、実際に存在するのかどうかは、
言及を避けて、否定も肯定もしていないようです。
共同参画の趣旨と異なるというなら、
おなじように、ジェンダー・バイアス・フリーの趣旨からも、
導き出されないはずですが、かかる誤解のことは、述べられていません。
ただ「『ジェンダー・フリー』という用語を使用し」た
「恣意的運用・解釈が行なわれ」ていると言うに、とどまっています。
また、こうした「恣意的解釈」をするのが、推進派と反対派の、
どちらなのかによって、意味合いは変わってくるでしょう。
ところが、それについても、なにも言わないのです。
(なんとも微妙で、巧妙な書きかたとも、言えるでしょう...)