アメリカ合衆国で、オバマ政権が誕生して、「チェンジ」の効果が
現われたことのひとつに、妊娠中絶規制の緩和があります。
「オバマ米大統領:人工妊娠中絶支援団体への援助規制、解除へ」
「中絶援助の規制解除 保守派と対立確実 署名は非公開」
具体的には、海外で妊娠中絶を支援するNGOへの、資金援助の再開です。
先日のG8会議のときにご紹介した、リプロダクツ・ヘルスを
支援するジョイセフもそうした団体のひとつです。
資金がふたたび入るようになって、おめでとうございます。
http://gaialog.jp/tarte/micchi/perm/347
http://gaialog.jp/tarte/hacchi/perm/268
とくに開発途上国の被災地では、レイプなどで
望まない妊娠を強いられた少女がたくさんいます。
そのとき、適切な手術を受けられず、闇の中絶手術を受けて、
それが原因で、命を落とすこともあるのでした。
中絶にあたまから反対しても、闇の手術を受ける
女性が増えるだけで、かえって危険が大きくなります。
それよりは、中絶を選択できるようにして、
産む産まないを、女性がみずから判断できる、
情報と施設を充実させるほうが、むしろ安全というわけです。
オバマ大統領も、とくにアフリカの女性が、
置かれている状況は、よくわかっているのかもしれないです。
「女性の権利を守る重要な取り組みを
再開することは正しい」と、強調してもいます。
「オバマ大統領、中絶政策も転換 連邦助成許可、国連拠出も」
反対派の典型的な主張は、「中絶を奨めるのか!?」ですが、
中絶したくて妊娠する女性などいないでしょう。
いつも安全に出産できればいいのですが、かならずしも、
そうとはかぎらないので、「中絶も選択できる」ようにするわけです。
「胎児の命を尊重しないのか?」という反対派は、
女性の命をまったく無視していることになります。
中絶容認は、ご存知のように、むこうのバックラッシュが、
猛烈に反対することで、ブッシュ政権の8年間は、
中絶を支援する団体へは、資金援助が差し止められていました。
それだけでなく、妊娠中絶に関係したサービスやケア、
あるいは、中絶に関する情報交換さえも、禁止されていました。
これは「メキシコ・シティ政策」と言われているのですが、
徹底した「臭いものにフタ」で、「グローバル・ギャグ・ルール
(国際口封じルール)」とも言われているそうです。
情報まで封じるのは、性教育の副読本を回収してまわった、
日本の山谷えり子氏を連想させるものがあります。
日本のバックラッシュも、「本家」の影響を受けていますし、
おたがい同じ宗教の家族思想を信奉してもいるから、
発想が似ているのも当然と言えますが。
妊娠中絶の解禁は、脱ブッシュ政策のひとつでもあります。
その中では、支持率はもっとも低くなっています。
そのせいなのかわからないですが、オバマ大統領も、
資金援助再開を約束した、大統領令への署名は非公開です。
アメリカの世論をふたつに割る争点とも言われているので、
今後どうなるかが、気になるところだと思います。
「オバマ政策「グアンタナモ」「妊娠中絶」は不支持上回る」


