2009年03月14日

toujyouka016.jpg 空自セクハラ訴訟

1か月近く前のニュースですが、航空自衛隊の「セクハラ訴訟」です。
わたしも最近、こんな事件があることを知りました。
「自衛隊が事実上の解雇通知 札幌地裁で係争中の女性自衛官に」
「空自セクハラ訴訟:空自側、女性空士長の継続任用拒否」

ことのはじめは、2006年9月9日の夜中、女性自衛官が、
泥酔していた上司の男性自衛官から、部屋に呼び出されて
性暴力にあったという、おそろしい事件です。

女性は、自衛隊を相手に、国家賠償請求訴訟を起こすのですが、
07年12月27日に、証拠不十分で不起訴処分になっています。
この裁判は、「セクハラ訴訟」と言われていますが、
実際の被害は、「強制わいせつ」と「強姦未遂」でした。
「北海道の女性自衛官人権裁判」

 
女性が被害を訴えると、周囲の人たちは、
組織の保身のために、二次加害をやり出すことになります。
被害を訴えた女性を、「トラブルメーカー」として、
「加害者」呼ばわりするなど、かなり典型的だったようです。

そして、被害にあった女性の任期が、09年3月に切れるとともに、
空自は採用を更新しないという、事実上のクビにしています。
「性暴力・パワハラ訴え裁判の自衛官に任用継続拒否」
「被害者の任用拒否に抗議のメール、FAXを(3/19まで)」

つぎの記事に、二次加害の様子がありますが、ものすごいです。
「女性自衛官人権訴訟で明らかになった自衛隊の実態」
「女性自衛官人権訴訟」
「強かん未遂被害者に退職強要」
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上司たちは、原告に対して
「お前は被害者だと思っているかもしれないが、お前は加害者だ」
「お前は問題を起こしたから外出させない」
「Aは男だ。お前は女だ、どっちを残すかといったら男だ」などと恫喝し、
退職を強要するまでにエスカレートしていった。
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「お前は女だからクビをきる」なんて、露骨に言っています。
自衛隊なんて、「男社会」だろうとは思っていましたが、
きょうびは、どこへいっても、ここまではっきりと
差別的なことは(思っていても)言わないと思っていたので、
このえげつなさにはびっくりしました。


ところで、つぎのエントリにこんなことが書いてあります。
http://shinka3.exblog.jp/10948031/
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明らかに悪いことをした「犯人」がいて、それを訴えた人間が
組織の「和」を乱すものとして排除されるというのは、
伝統的な日本的組織には典型的に見られるパターンですが、
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http://azuryblue.blog72.fc2.com/blog-entry-622.html
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隊内誌「鵬友」04年3月号の
「航空自衛隊を元気にする10の提言〜パート2」にて
「身内の恥は隠すべきものという意識を持たないと
自衛隊の弱体化が加速する」と訓示なさっていたそうである。
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「組織」ではなく、同胞意識のある「集団」ですが、
(反戦・平和とか言っていて、自衛隊とは相性が悪そうな人たちです)、
ついこないだ、わたしも、これらの図式を見てしまいましたよ。
もともとは、ネットのトラブルがこじれたのですが、
このときも、セクハラや二次加害まで発展していたのでした。
いやいまも、しつこくぶり返している最中ですよ。

こういう状況を、わりとあたりまえに見かけてしまうと、
自衛隊の「セクハラ訴訟」と同じようなことは、
どこにでも起きうるのであり、社会の病理としての根は深いなと、
わたしは、思ってしまうのでした。

posted by たんぽぽ at 23:16 | Comment(0) | TrackBack(0) | 家族・ジェンダー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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