2009年03月30日

toujyouka016.jpg 七生性教育裁判(2)

3月23日エントリでご紹介の、七生養護学校裁判ですが、
前にもお話したように、裁判の様子はつぎの記事がくわしいです。
「「七生養護学校『ここから』裁判」傍聴報告」
「産経記者「記憶なし」連発 養護学校の性教育裁判」

また、『荻上式BLOG』の3月17日エントリも、最初の経緯や
産経新聞の記事の引用があり、事件の様子を簡単にまとめてあります。
「七生養護学校の件について」

 
上述のリンクさきの孫引きで恐縮ですが、
02年7月6日のの産経新聞の記事は、すさまじいですよ。
「ピルというのは常用しなければ役に立たず、常用とは性行為の日常化のこと。
これはフリーセックスの勧めだろう」などと書いています。

ピルを常用していると言っても、性行為のためとはかぎりません。
また百歩ゆずって、おさかんにセックスするからと言って、
フリーセックスだというのでもないです。
まさに、「手前勝手な読み込み=産経変換」で、事実の一部を
都合のよいようにわい曲したものとなっています。

言いがかりをつけているとしか、言いようがないのですが、
バックラッシュに同調する人たちは、事実関係をろくにたしかめず、
東京都議会の定例会や議連、マスメディアなどで、無責任な批評をして、
七生養護学校の「うわさ」を広めていったのでした。


すこし前ですが、7月2日が、例の3都議や産経新聞のご一行17人が、
七生養護学校に、「視察」と称して乗り込んで来た日です。
ここでも、「具体的でないと分からないというなら、
セックスもやらせるのか。体験を積ませて学ばせるやり方は
共産主義の考え方だ」という言いがかりをつけられたのでした。

「アダルトショップのよう」と言われた、性教育の教材は、
はじめは服を着ていて、撮影のときに脱がせて並べたものです。
これも言いがかりをつけるための「演出」だったようです。
さらに都議たちは、「国税とおなじ」とよくわからない権限で、
教材や資料を、教員の私物ごと押収にかかったのでした。


土屋たかゆき都議は、大声で恫喝して、女性の教員を泣かしたようです。
これについて訊かれると、「彼女は反論できなくて
くやしいから泣いたのだ」などと言いわけしていました。
裁判のときに原告からの質問に窮して、土屋都議は
大声でどなったのですが、それと同じ調子だったのかもしれないです。

田代博嗣都議も、「視察」のときに、威嚇したと言われていますが、
「威嚇と感じるかは、その人の感覚しだい」と、
ご都合主義的に「相対主義」を持ち出しての正当化です。
ほかにも、都合が悪くなると、6年前だから記憶にないとか、
質問のしかたが悪いとか、原告側に難くせをつけたりもしていました。

また、「立法府が行政府をチェックに来たのだから、
必要な資料の押収は当然だ」と、規則を一方的に振り回しながら、
「学習指導要領は知っているが、それは間違っている」などと、
自分勝手に規則をねじ曲げたりもしていました。


かくして裁判で敗れたバックラッシュたちですが、
これしきのことで反省するはずはなく、その後もバッシングを続けています。
産経新聞も、これと思想的に近い読売新聞も、あいもかわらず、
「過激な性教育だ」と社説で書き散らしているのでした。
「【産経抄】3月16日」
「性教育判決 過激な授業は放置できない(3月16日付・読売社説)」

土屋たかゆき氏も、「女が泣いたからオレが恫喝しただなんて、
女の涙のご都合主義だ」などと(参照)、ご自分の活動日誌に書いて、
その無反省ぶりをさらしていました。

3都議や産経新聞のやってきたことを、断片的に並べてみたのですが、
なんだか、どこかで見たことがある図式のような気がしますね。
(ついこないだ、わたしも、七生養護学校と似たような目に
(いまも続いている?)あったような気がします。(悲))

posted by たんぽぽ at 23:26 | Comment(4) | TrackBack(1) | 家族・ジェンダー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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この記事へのコメント
「おさかんに」に、なんだかやたらとウケてしまいました(笑)

>なんだか、どこかで見たことがある図式のような気がしますね。
「日本文化」なのかもしれません(泣)
Posted by gegenga at 2009年03月31日 16:17
 現政権に批判的で、小沢一郎を養護する意見を書いていて、一方で、土屋たかゆき都議を批判しちゃうと、またぞろ「内ゲバ」とか言い出す人が出てきそうですね。
Posted by 南郷力丸 at 2009年03月31日 18:56
>「ピルというのは常用しなければ役に立たず、常用とは性行為の日常化のこと。
これはフリーセックスの勧めだろう」

もう、どっから突っ込んでよいのか解らない記事ですが(^^ゞ
 ただひとついえる事は、この記事を書いた人は頭の中がセックスで一杯になっているのですね。
 ピルを飲む→避妊の為→避妊する必要がある→セックスしている→俺がセックス出来ないのに憎らしい、妬ましい→セックスしている奴らは、きっと相手構わずやりまくっているに決まっている、そうに違いない。→セックスしない俺は偉いやつだ。
 みたいなカンジでしょうか。

Posted by イカフライ at 2009年04月01日 00:23
gegengaさま

>「おさかんに」に、なんだかやたらとウケてしまいました(笑)

ははは...
(べつに、たまってるわけじゃないからね。(笑))

>「日本文化」なのかもしれません(泣)

このパターン、最近とみに見かけますね。(悲)



南郷力丸さま

>「内ゲバ」とか言い出す人

いや、それはないんじゃないかなと、思いますよ。
真ん中らへんの民主党支持者は、おたがいの批判になっても、
「内ゲバ」とは言わない(たぶん)ように思います。

「内ゲバ」と言うことがありえるのは、ヒダリのかたで、
戦略上しかたなしに、民主党を支持している人たちの一部でしょう。
そういうかたは、例外なく土屋たかゆきを嫌うと思うので、
叩いてもなんとも言わないと思います。



イカフライさま

>俺がセックス出来ないのに憎らしい、妬ましい

おおおお、そういう「非もて」的発想がありえるのは、
不覚にして、わたしは気がつかなかったですよ。

産経新聞の記事を真に受ける、バックラッシュな人の中には、
そういう「非もて」も、すくなからずいるのかもしれないです。
Posted by たんぽぽ at 2009年04月01日 23:42

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