だいぶ前、9月7日と9月12日にご紹介したことのある、
『かみぽこぽこ』というブログを見ていたら、こんなことが書いてありました。
見ての通り、官僚支配からの脱却のための、具体的な施策のお話です。
「官僚支配をなくすには(前編):「官邸主導」と「政治任用制」」
「官僚支配をなくすには(後編):「議題設定」から「御用学者」を一掃すること。 」
官僚支配から抜け出して、議会が主導の政治を行なうために、
小泉以来定着した「官邸主導」に加えて、民主党が政権を取ってから、
導入しようとする「政治任用制」があるのでした。
「政治任用制」で、民主党はより具体的になにをするか、
くわしいことについて、「前編」で推測がなされています。
どうやら、与党から政治家が100人単位で、官僚組織に人材を送りこんで、
ボトムアップの政策過程も掌握しようというもののようです。
http://plaza.rakuten.co.jp/kingofartscentre/diary/200904010000/
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(1)100人規模の政治家を官僚組織に投入する。
具体的には、官房副長官、首相補佐官、
副大臣、政務官等の増員、大臣補佐官の設置などを行う。
(2)党と首相官邸が一体となる形での官邸機能強化。
1)官邸の中核は、党代表(首相)中心に閣僚を兼務した党三役会議が担う。
2)内閣の政策も党政策調査会が主導する。
3)スタッフには元議員や民間人、党政調職員を起用する。
4)各省庁でも、大臣、副大臣、政務官が「政務三役会議」を開く。
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ところが、「後編」を見ると、官邸主導と政治任用制だけでも、
官僚組織に対抗するには、ふじゅうぶんとしています。
100人規模で省庁に入り込んでも、専門家集団たる官僚の前には、
「お客さん」になるおそれがあるからです。
http://plaza.rakuten.co.jp/kingofartscentre/diary/200904010001/
どうすればいいのかと言うと、これらに加えて、
「議題設定」で主導権を持つ必要があるとしています。
(よくやられている「官僚バッシング」も、肝心のことである、
議題設定のところは、なぜか手を着けられないそうだ。)
さらに具体的につっこんで、官僚の設定した「議題」に、
お墨付きを与える「御用学者」を、一掃する必要があるとしています。
これら「御用学者」たちは、長いあいだ、第一線の研究の場を
離れているので、知識が時代遅れになっているそうです。
(「野放しの市場経済がよい」なんて、経済学の最前線では
言われないことがまかり通るのも、「御用学者」のせいなのだそうだ。)
「政治任用制」だけでも大胆だと思ったし、
実際官僚たちは、戦々恐々としているそうだけど、
それだけではまだ足りないとは、なかなかすごいとちょっと驚きました。
官僚の力というのは、それだけ強大だということのようです。
4月11日にご紹介の、『さざなみ通信』の原仙作氏の記事では、
「政権交代が起きて自民党が下野しても、国家権力の中枢は下野しておらず、
民主党は官僚機構という敵の本陣へパラシュート降下するに等しい」と
書いていますが、これは決して大げさではないということですね。
小沢氏の秘書が逮捕されるなんて「国策捜査」くらい、
難無くクリアできなければ、民主党が政権を取ってから
「霞ヶ関」を改革するなど、ぜんぜんおぼつかないかもしれないです。
2009年04月14日
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国民の幸せを奪うもの(小史)
Excerpt: 新自由主義が席捲した狂気の時代は過ぎ去りつつあるのか?いやいや安心するのは未だ早い.まだまだ油断はできない.あの狂気の時代が何であったか,ホントに総括ができていないからだ.中谷巌などいくらかの,少し..
Weblog: アルバイシンの丘
Tracked: 2009-04-24 07:30
> 難無くクリアできなければ、民主党が政権を取ってから
> 「霞ヶ関」を改革するなど、ぜんぜんおぼつかない
私もそう思います.
ついに小沢一郎氏は、代表をやめてしまいましたね。
辞任の理由は西松じゃないし、
検察批判も、これで終わったんじゃないですけれどね...
ちょっと旗色が悪くなると、「じゃあ代表を変えよう」という体質には、
こころもとないものを感じます...