5月21日から、裁判員制度なるものがはじまります。
裁判員が置かれる事件の中に、「強盗強姦」「強姦致死、致傷」
「強制わいせつ致死・致傷」もあるのですが、これら性犯罪の被害者にとって、
裁判員制度は危険であることが急遽問題視されています。
akira's room:
「裁判員制度に新たな問題点が浮上」
「裁判員選任手続き 問題は複雑」
読売新聞九州版 09年5月6日:
「性犯罪被害者名も裁判員候補に開示、情報流出懸念の声」
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ところが裁判員の選任手続きでは、候補者に事件との関係の有無を確認する。
そのため被害者の氏名や事件の概要を知らせることは避けられないという。
また、裁判員に課せられる守秘義務も候補者には及ばず、
情報を他人に教えても罰せられることはない。
最高裁も「情報流出による二次被害の恐れが考えられる」と懸念するが、
対策の指針は示さない予定で、最終的には各地裁で対応を
判断することになりそうだという。
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裁判員は、数10から約100人くらいの候補者の中から
選ばれますが、事件の内容を知らせる必要があるため、
被害にあったかたの住所や氏名も知らされることになります。
性犯罪の被害者にとって、これくらいたくさんの人に知られれば、
じゅうぶん「不特定多数に個人情報を知られた」でしょう。
ご存知のように、性犯罪の被害にあったかたは、
さらなるバッシングや非難攻撃を受けることを恐れて、
自分の被害が他人に知られることを、極力隠そうとします。
裁判員に自分の個人情報が知られることが、心理的重圧となり、
ますます訴訟に踏み切れなくなるかたも増えると思います。
刑事訴訟法では、被害者が希望すれば、法廷では住所や氏名を
いっさい伏せる、「守秘義務」が課されるようになっています。
しかし、裁判員の候補者には、選考の段階で知らされるので、
法廷でいくら伏せられても意味がないことになります。
しかも、裁判員に選ばれなかった候補者は、「守秘義務」がなく、
だれかにしゃべっても、なんら罰せられないです。
どこで情報がもれるともわからず、これがさらなる
二次加害を起こす可能性もあります。
さらに、性犯罪はほかの事件とちがって、偏見がきわめて強く、
「被害者落ち度論」のような、被害者への批判が多く見られます。
一般から広く選ばれた裁判員が、こうした偏見によらず、
公平に判断できるかどうか、強い懸念もあるでしょう。
「セクハラされたたんぽぽに原因がある」と言われ続け、
いまもきっとそう思われているであろうわたしは、
裁判員による二次加害が増えることを、危惧もするのでした。
(参照1)(参照2)(参照3)(参照4)(参照5)(参照6)
謝辞:
トラックバックでご連絡くださった、akiraさま、ありがとうございます。
http://blogs.dion.ne.jp/akiras_room/archives/8371378.html
http://blogs.dion.ne.jp/akiras_room/archives/8376927.html
そのほかの関連資料:
保坂展人のどこどこ日記
「裁判員制度を問い直す議員連盟緊急総会の報告」
最高裁判所-裁判員制度
「裁判員選任手続のイメージ案」
朝日新聞 09年1月9日
「裁判員、暴力団員も選ばれる? 排除規定なし」
(その1)(その2)
社民党official page
「裁判員制度を問う」
記事を取り上げて頂き、ありがとうございます。
具体的に整理してくださって、記事の趣旨がいっそう分かりやすくなったと思いました。
今回なぜかケイタイからは、自blogの管理ページに辿り着けず、目障りなスパムも曝したままです。
明日「ネカフェ」を利用してみようと思います。初めての体験でドキドキです。
つたないわたしの文章、おほめにあずかり恐縮です。
性犯罪被害の対策に、すこしでもお役に立てたらさいわいです。
ケイタイからわざわざ、ありがとうございます。
(きのうは午後からいなくなったのかな、という気配は感じていましたよ。)
熊本ということは、またお義母さまのご容体が悪くなったんでしょうか?
お大事になさってくださいね。
>今回なぜかケイタイからは、自blogの管理ページに辿り着けず、
なぜだかわからないけど、ご愁傷さまです...
>明日「ネカフェ」を利用してみようと思います。初めての体験でドキドキです。
おおお、ネカフェデビューですね。
ちょっと高くついちゃうのが、難点なんだけど、ね...
やっぱりこれは問題ですよね。
赤紙方式ってどうなんだろうか、と疑問に思います。
私は万一きたら、制裁受けても断りたいですね。
最初は350人に一人の確率で赤紙来るそうですが、絞られると、最終的には1000分の一に割合となるそうです。
また、ここで読んで被害者のプライバシーの問題もかなりシリアスなことがわかりました。
守秘義務が無い・・・言葉を失います。
・・ってことを英会話レッスンでアメリカ人にうまく話せず、ヒジョーにストレスを感じました。
ここをよく熟読しておけばよかったです(笑)。もっと勉強します。
>赤紙方式ってどうなんだろうか、と疑問に思います。
断われないのは、すごく理不尽だと、わたしも思います。
(あちこち見ていると、「自分は人を裁きたくない」と言って、
裁判員になりたがらないかたも、結構いるようですし...)
拒否したら、100,000円以下の違反金ですよ。
(ちょっとお金に余裕のあるかたなら、払えないこともないが...)
http://www.saibanin.courts.go.jp/qa/c4_17.html
>最初は350人に一人の確率で赤紙来るそうですが、
>絞られると、最終的には1000分の一に割合となるそうです。
フランス流に言う、「オーガ(人食い鬼)方式」かも。
>ここで読んで被害者のプライバシーの問題もかなりシリアス
裁判員候補に性犯罪被害者の個人情報が知れることは、
先日ようやく新聞記事になって、取りざたされはじめたみたいです。
裁判員による二次加害の恐れは、半年前から言われていたんだけど、
うやむやのまま、検討することなくすごしてきたようです。
どうやら性犯罪に関することは、前からなおざりだったようで、
それで被害者の個人情報のことも、ずっと気付かなかったのかもしれないです。
>ここをよく熟読しておけばよかったです(笑)。
わたしのウェブログで、話題になるなんて思わなかったって?(笑)
(英会話のレッスンは、がんばってくださいね。)