昨年08年11月27日の中日新聞にあったのですが、
裁判員制度に、性被害にあわれたかたへの配慮がないことが、
このときすでに取りざたされていたのでした。
『みどりの一期一会』、08年11月28日エントリで、紹介されています。
「「性差別の理解少なく」「女性に冷たい」〜問題だらけで見切り発車の「裁判員制度」」
http://blog.goo.ne.jp/midorinet002/e/73e612f52d4e69890f0973d2fb7bed3c
(新聞記事の切り抜きもリンクされています。)
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裁判員制度をめぐる議論で素通りされた課題がある。
レイプなど性にまつわる犯罪だ。
泣き寝入りしがちな被害者たち。
法廷で市民の前に姿をさらす心理的圧力や、
尋問による精神的苦痛の恐れは一段と高くなる。
「市民感覚」という常識も偏見をぬぐえるとは限らない。
「裁判員制度が、告訴を阻害しかねない」という懸念の声も上がっている。
========(リード)
記事の主旨は、「被害者にも原因がある」のように、
性犯罪に対して被害者を責める世間一般の偏見が、
「市民感覚」とされることで、裁判員による二次加害が起きうること、
被害に遭われたかたが、ますます告訴できなくなる恐れがあるというものです。
いまから半年前なのですが、このとき性犯罪に関することは、
懸念されていたのに、議論されずに黙殺されていたようです。
きのうのエントリでご紹介しましたが、「アジア女性センター」の
署名つき申し入れに対して、最高裁判所の回答は、
「最高裁は指針を決めず、各裁判所の判断にゆだねる」という、
いままでどおりのものでした。
「5月19日の最高裁申し入れのご報告」
また、akiraさまと、ブログにコメントされていた、
ご協力いただけませんか(てんとうむし)さまも、
それぞれ個人で、最高裁判所に問い合わせていました。
これらもやはりおなじ主旨の回答であり、しかも時間ばっかりかかって、
はっきりした答えがなかなか得られないという、要領をえない対応でした。
「被害者のプライバシーは本当に守られるのか(1)」
「被害者のプライバシーは本当に守られるのか(2)(追記あり)」
これを見ると、じつは性犯罪の扱いに重大な欠陥があることが、
わかっていながら、裁判員制度の成立だけ急ぎたくて、
あえてうやむやのままにしたのではないかと思われます。
それで、最高裁判所に、この問題について問い合わせても、
要領のえない回答しか、返ってこないのでは?と考えられます。
(おそらく、だれがどのように訊いても、おなじお答えが返ってくるのでしょう。)