2009年08月07日

toujyouka016.jpg 選択議定書について

すこし前ですが、2009年7月16日の毎日新聞の『私の視点』に、
mネットの坂本洋子氏の文章が載りました。
女子差別撤廃条約に関連した、「選択議定書」についての記事です。
「早期に批准すべき女性差別撤廃条約「選択議定書」」
「「世界の目」日本は意識を」


これはmネットのページから、PDFファイルがダウンロードできます
興味のあるかたは、ぜひご覧になられたいと思います。

 
前にお話したように、選択議定書は、女子差別撤廃条約の効果を
補強するためのもので、記事を引用するとつぎの主旨です。
選択議定書は、付属の条約にあたりDV(ドメスティックバイオレンス)や
性暴力などの人権侵害を受けた場合に個人や団体が直接通報できる
個人通報制度と、委員会による調査制度が盛り込まれている。
選択議定書に批准することで、こうした被害女性に救済の道を開くことができる。

この個人通報制度は、国内の手段を全部使いはたして、
なおじゅうぶん救済されないときに、はじめて利用できるようになっています。
日本でしたら、最高裁の判決でも、救済がなされない場合です。

性犯罪は偏見が強く、警察や司法機関でも、被害者に二次加害を行ない、
加害者をかばう判決を出すことが、すくなからずあります
公的機関にも偏見があって、被害者の人権が守られないことが多いので、
国際的な機関を設ける、ということだろうと思います。
性犯罪に対する偏見は、世界的にも根強いことなのでしょう。

この議定書が批准されれば、性暴力の被害にあわれたかたにとって、
いくらかの希望が見い出されることになることと思います。
早急な批准が望まれるのではないかと思います。


毎日新聞の『私の視点』によると、選択議定書の批准国は、
女子差別撤廃条約の締結国186のうち97となっています。
いわゆる「先進国」とされるOECDの加盟国30の中では、
議定書に批准しないのは、アメリカと日本だけとなっています。

日本の立ち後れはあきらかで、国際社会から批判されてもいます。
民主党など野党各党や公明党は賛成して、批准を要求していますが、
与党自民党の一部の反対派に阻まれて、いまだに批准できないのでした。
その反対の理由として、前にご紹介の朝日新聞の記事
出ているもの以外に、こんなのがあるのだそうです。

「司法の独立を侵す恐れがある」
「夫婦別姓導入を訴える場となる」

な、なんと、夫婦別姓の導入を恐れているのですよ!
反対論者がおたけびをあげてつぶすだけの、選択別姓の法務部会と、
状況が似ているのは、こういうことだったのかもしれないです。
(彼ら反対派の、夫婦別姓に対する狂気なまでの敵対心が、
あらためてしめされていると思います。)

選択議定書が定める通法制度は、夫婦別姓を訴える場ではないですから、
これは被害妄想を膨らませた言いがかりにすぎないものです。
「司法の独立」は、他の批准国でなんら侵されていないですから、
これも根拠のない言いがかりであることがわかります。


付記:
7月30日エントリで、選択議定書の主旨を、わたしはまちがえていたので、
エントリのその部分を書き直しました。

posted by たんぽぽ at 22:11 | Comment(0) | TrackBack(1) | 民法改正一般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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