衆議院総選挙の「比例復活当選」のしくみが、よくわからない、
小選挙区で落選しても、得票率が高いと
「比例復活」することがあるけれど、なんでそうなるんだ?
そういう候補者は、比例の順位がみんな同じだけど、どういうことなの?
と、疑問をお持ちのかたはいらっしゃるのかな?
いまさら人に聞けないのでだまっていた、というかた、
きょうは、ぜひぜひこのエントリを読んで、お帰りくださいね。
そんなの知っているよというかたも、あまり知られていなさそうなことも、
ちょっと書いたので、読むと得をする(かもしれない)ので、
ためしに読んでやってください。
(読者がたいしていないのに、こういう書きかたに意味があるのか、
という疑問は...わきに押しやっています。(苦笑))
日本の衆議院総選挙は、小選挙区と比例区があります。
もともとはべつの議席なので、どちらかだけ立候補でもよいのですが、
おなじ候補者が、両方に重複して立候補することもできます。
「重複立候補」すると、小選挙区で落選しても、
「惜敗率」(当選者の得票に対する得票数の割合)が高いほうから順に、
比例区で取った議席を使って当選できるようになっています。
これが「比例復活当選」と言われるものです。
小選挙区は勝者皆取りですから、次点の候補が競っていると、
死票が多くなって、反映されない民意も多くなります。
惜敗率の高い候補者から、比例の議席で「復活当選」させれば、
死票を減らせて、そのぶんの民意を拾えることになります。
比例区は、候補者の順位付けという、おおよそ楽しくない作業があります。
(組織が未熟であれば、順位をめぐって争いも起きるでしょう。)
そこで全員が、小選挙区と重複立候補すれば、
比例区はおなじ順位で届け出るので、順位付けをしないですみます。
こうして、重複立候補と比例復活当選を使うことで、
比例区と小選挙区の欠点を補い合えることになります。
はじめに、重複立候補&比例復活当選を、
効果的に使ったのは旧民主党で、1996年の総選挙でした。
結党したばかりで、選挙基盤が弱い候補者が多かったので、
なんとか救済させるための、苦肉の策でもあったようです。
取れた議席は52で、改選前と同数で伸びなかったのですが、
自民と新進の2大政党のはざまに埋もれず、第3極の地位を保ちました。
とくに、93年の選挙で初当選した議員を、かなりの人数、
復活当選で救い上げられたのが、大きかったのでした。
失敗したのは新進党で、比例区を組織力のある
公明党出身の候補者にゆずって、重複立候補をさせなかったのでした。
そのため、小選挙区で立候補した、前職議員の多くが惜敗して、
ばたばた消えるというダメージを受けた上、
議席も減って過半数にはるか届かず、政権が取れなかったのでした。
重複立候補&復活当選は、うまくいったというので、
新民主党になってからも、さかんに使うことになります。
復活当選の議席は、支持基盤の弱い新人候補のために使い、
前職は自前の支持基盤を堅めて、自力で選挙区当選する
努力をしてもらうことで、選挙に強い候補者を育てるとともに、
党のリソースを新人候補に集中させて、効率をあげようということです。
この方法の悩みは、自前で支持基盤を堅める努力をおこたり、
いつも復活当選に頼る候補者が出てくることでしょう。
郵政選挙の大敗で、「選挙は風まかせで、票堅めをおこたるからだ」と、
反省したのか、復活当選が連続3回になったら、もう公認を出さないという、
いささか過酷なルールを決めました。(参照)
(このあたりは、『民主党10年史』の197-200ページにくわしい。)
ご存知のように、民主党は比例区の定数を80だけ減らして
100にすることを、こんどの選挙公約で決めています。
この思惑はいろいろありそうですが、わたしが想像するに、
比例区を復活当選専用にしたいのもあるのでは?と思います。
民主党は、内規で原則として、比例単独の立候補はさせず、
比例の議席は、復活当選にしか使わないことにしています。
比例区だと、名簿の上位の候補者が楽に当選できるので、
選挙区で苦労した候補者にとって不公平になるからです。
ところが、小選挙区300に対して、比例区の定数が180あると、
取れた議席を全部復活当選に使っても、まだあまりがちなようで、
やむをえず、比例の名簿の下位を埋めておくみたいです。
定数が100ならそんなにあまらない、ということなのでしょう。
2009年08月19日
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