8月29日エントリでご紹介した、産経のアンケートコーナー
「私も言いたい」ですが、夫婦別姓についての結果が発表されました。
「夫婦別姓 「賛成」5割「導入活用」4割強」
http://sankei.jp.msn.com/life/lifestyle/090903/sty0909032035006-n1.htm
このアンケート、結構あちこちで紹介されていたみたいです。
わたしのウェブログも、ささやかながらお役に立てたのでして、
アンケートに協力してくださったかたがた、
ならびにコメント欄で、コメントをくださったみなさまがた、
まことにありがとうございました。
この場を借りて、お礼をもうしあげるしだいです。
結果はつぎのように、賛成が反対を若干上回っていて、
いささか産経らしからぬ(?)ことになっています。
(!)は意味するところが、よくわからない質問だったのですが、
(2)とほとんど同率ですから、(2)だけ見ればじゅうぶんでしょう。
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(1)夫婦別姓に賛成か
YES→52%、NO→48%
(2)国として夫婦別姓を認めるべきか
YES→53%、NO→47%
(3)夫婦別姓が導入されたら活用するか
YES→44%、NO→56%
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8月26日エントリでご紹介した、読売のボートマッチは、
「賛成」「中立」「反対」「わからない」と、選択肢が4つあります。
このうち「賛成」と「反対」だけ取り出すと、35%と31%になります。
産経アンケートの回答者は、男女がほぼ同数ですが、
ボートマッチは、男女比がアンバランスになっています。
そこで、ボートマッチで、男女が同じ人数だけお答えしたと仮定すると、
「賛成」が39%に対し、「反対」が26%になると推定されます。
産経アンケートは、これより賛成と反対が競っていますから、
やはり産経らしく(?)、反対派が健闘している様子が伺えます。
それでも、反対派たちが大挙して投票して、
アンケート結果を狂わせることはなかったと思われます。
反対派の「組織票」が入りそうなサイトやブログでは、
このアンケートは、紹介されなかったのかもしれないです。
(3)の設問、「自分も活用するか?」は、「No」が56%に対して、
「Yes」が44%もあって、とても高率になっています。
(2)で「No」とお答えした人が、(3)で「Yes」と答えることは
まずないでしょうから、これをゼロと見なすと、
44%の「Yes」は、(2)の「Yes」の53%のうちからになります。
つまり選択制を認める人のうち、83%が自分も選択するというわけです。
2007年の世論調査によると、(2)に相当する設問(Q11、回答票17)で、
「選択制を認める」と答えたかたのうち、(3)に相当する
「別姓を希望するか?」という設問(SQ、回答票18)で、
「希望する」と答えたかたは、20.9%でした。
産経アンケートとくらべると、ずっと希望者がすくないことになります。
世論調査は、回答者をランダムに選ぶために、
夫婦別姓にかならずしも関心のないかたが、たくさん答えます。
それで、自分も希望する人が、あまり多くないのでしょう。
ネットのアンケートは、関心のあるかたが答えるでしょうから、
自分も別姓を希望するかたが多く参加する、ということなのでしょう。
このあとは、寄せられた意見の中から、いくつかを取り出して並べています。
「賛成」7件、「反対」6件で、どれも代表的なものだと思います。
「編集」があったかどうかわからないですが、
わたしが見たところ、わりあい公平に選ばれているようです。
特筆するべきは、「別姓法案成立を可能にするのは
民主党しかないと思い、今回同党に投票した」と、
書いているかたが、いらしたことです。
これは産経にとって、とてもゆゆしいのではないかと思いますよ。
(それとも、「こんな人がいるぞ」と、槍玉にあげたのか?)
このかたは、選択別姓が実現しないために、
離婚したことがあるらしいことも書いていらっしゃって、
ありがちな反対論である、「別姓で離婚が増える」とか、
「同姓強制で夫婦の一体感」に、簡単に反論もしています。
2009年09月05日
この記事へのトラックバック
夫婦別姓。そうか、こういう問題もあったか!
Excerpt: ↑と、新たな気づきを与えてくれたのは、なんとわれらが産経新聞さん(驚!) 面倒なので魚拓はとりませんが、↓これ。 【金曜討論】夫婦別姓 八木秀次氏、青野慶久氏 えぇと、デムパ八木センセー..
Weblog: かめ?
Tracked: 2009-09-05 17:11
私も投票したんですが
1)2)3)の順にYES、YES、NOでした。
どうして3だけNOかというと、結婚して20年経つので、今更旧姓に戻すのも、という、全く個人的な理由です。3の回答でNOの人は、結構そういう人、多くないかなあ?
なんていうのだろ?家族の絆とか漠然とした反対意見出す人いるけれど、あのさ、家族に限らず人の絆って、そういう開始期じゃないんじゃないの、と思いますね。
ただ、夫婦別姓になると子供の姓とかどうなるのかな?
アンケートにご協力、ありがとうございました。
わたしも、産経にしては(?)まともだなと、思いましたよ。
(こういうのを期待(?)していた人もいそうだけど。(笑))
http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/090827/plc0908271948002-n1.htm
ふだんは、この「私も言いたい」のコーナー、
投票するのは男性がずっと多いんだけどね...
今回は、女性のほうが興味を持ちやすい話題だったので、
女性の参加者が増えて、賛成が増えたのかもしれないです。
>3の回答でNOの人は、結構そういう人、多くないかなあ?
一般的にはそうだろうと思いますよ。
(2007年の世論調査だと、自分も別姓を希望する人は、20.9%ですしね。)
アンケートだと、関心を持つ人が参加するので、
自分も別姓を希望する、という人が多くなりがちなのでは?と思います。
自分も希望するのは、現在苗字のことで困っている人で、
まだ結婚が現実でないとか、もう結婚はむかしのことで、
いまさら旧姓にこだわりがない、というかたは、
希望しない人が多いのだろうと思います。
ところで、エントリ本文中で、(3)の設問の「Yes」と「No」の割合を、
わたしが、逆に書いているところがありましたね。
直しておきました。
(もし、わたしのせいで勘違いがありましたら、ごめんなさいね。>イカフライさま)
米国在住なんですが、中国の女性は、娘は、一生父親のものという意識があるため、結婚しても名前を変えないそうですね。だからうちの子供の中国系アメリカ人の女性は、結婚しても姓を変えないようです。子供は、父親の姓を名乗っているようですね。普通でも、離婚しテいる夫婦が多い中、名簿で夫婦別姓の家族を見るとあー離婚したんだって思っちゃいますね。子供は、どんな気持ちだろう?母親は、自分の姓と子供の姓が違うことをどう感じるのだろう?とかおもいます。うちの子供は、日米のパスポートを持っていますが、(もちろん私は、日本のパスポートのみでパスポートには、日本の姓が書いてある)なんか緊急なことがおこったときのためにすぐ親子と分かるように、姓は、統一しています。
うちの米国人の主人は、私たちが日本名を使うとさびしそうな顔をします。なので、パスポートには日本名だけど、米国は、夫婦同姓にしています。
まあ、夫婦別姓を採用してもいいと思いますが、私は、使わないでしょうね。やっぱり家族は、子供のためにも同姓が一番だと思います。やっぱり一体感が違いますよね。
はじめてコメントをくださるときは、
ごあいさつと簡単な自己紹介をお願いいたしますね。
あなたは、土屋たかゆき氏に、関心をお持ちなのかな?
ご指摘のことは、つぎのページを見ると、いいかもしれないです。
http://taraxacum.hp.infoseek.co.jp/teardrops/against/child.html
ならば
>名簿で夫婦別姓の家族を見るとあー離婚したんだって思っちゃいますね。
というのは、論理的におかしな話。
結婚=同姓、離婚=別姓との思いこみを元に
別姓婚の夫婦を勝手に離婚してると思うなんて
失礼なことだと思います。
こちらにもコメントありがとうです。
アメリカ合衆国にお住まいというのは、たしかみたいです。
苗字を変えない人の例として、中国系のかたを持ち出すところに、
ある種の意図を感じないでもないです。
(土屋たかゆき氏に関心があるみたいだしね。)
外国で暮らしていると、とくに日本人の場合、
かえってナショナリズムに傾きやすいというけれど、
そういうかただったりするのかもしれないです。