民法改正反対派の主張の中で、いちばん注目されているのが、
10月1日の産経新聞の社説だろうと思います。
これについて、わたしの思うところを、お話することにします。
「夫婦別姓 家族の絆を壊しかねない」(1/2ページ)
「夫婦別姓 家族の絆を壊しかねない」(2/2ページ)
>家族の一体感が損なわれる
反対論の定番中の定番が、「別姓の家族は一体感が損われる」です。
槍玉にあげられますが、まったく根拠はないですよ。
外国の夫婦別姓の家族や、日本で通称使用や事実婚を
なさっている家族を見ても、夫婦別姓が原因で、
家族の一体感が損われたことをしめすデータはどこにもないです。
反対派たちも、さかんに主張するのに、実際に一体感が
損われていることをしめす調査は、ぜんぜんしないようです。
すくなくとも、わたしは見たことがないです。
そんな事実はどこにもないので、調査してもなにも出て来ないから、
はじめからしないのかもしれないです。
もうすこし具体的に「別姓で離婚が増える」と言うことがあります。
反対論者が出す、おそらくその唯一と思われる根拠が、
ドイツで離婚率が、1993年からきゅうに増えたことです。
ところが、別姓法案が施行されたのは、1994年からですから、
じつは合っていないことがわかります。
望まない改姓を強いられると、ストレスがたまります。
名前を奪った本人ということで、夫に八つ当たりすることもあります。
苗字のことで夫婦の不仲がつづけば、子どもにも悪影響でしょう。
妻の改姓の苦労を、夫がどうしても理解しないと、
結局(ペーパーでない本物の)離婚をすることもあります。
離婚を増やし家族の一体感を壊すのは、むしろ強制された同姓です。
>これまで実現しなかったことが異常
前にもお話しましたが、法制審議会の答申があった法案が、
ずっと実現しない例は、民法改正のほかには、ほんの数例しかないです。
世界的にも、同姓が強制されるのは日本くらいです。
CEDAWからも、民法改正をいそぐよう、しつこく催促されています。
これだけでもじゅうぶんですが、法務部会で自民党の反対派が、
民法改正法案をつぶす様子は、「異常」としか言いようがないです。
国内外のさまざまな事実を考えた上でのお話で、
「一言で片づけ」ているのでは、ぜんぜんないことはもちろんです。
>内閣府の調査
これは、2001年と2006年の調査を指しています。
ところが選択制に反対というのは、差別を支持していることです。
したがって、反対が多いときは、差別を積極的に禁止するために、
民法改正が必要と考えることができます。
女子差別撤廃条約も、同姓強制を差別と規定しています。
条約と法体系的に整合を取るためにも、早急に民法改正をするべきで、
世論調査を言いわけにするなと、CEDAWはくりかえし勧告しています。
世論の反対がじゃまをして、民法改正ができないというのなら、
賛成が増えるよう努力するのが、政府の役目です。
もはや世論調査で、どれだけ反対が多くても、
そんなものは理由にできないと考える必要があるでしょう。
>民主党の政策集に掲げられていたが、マニフェスト(政権公約)から外された。
民法改正は、もともと政策集にだけあったものです。
今回は特別にマニフェストにも載せる意見も出たのですが、
マニフェストの主旨を考えて、「昇格」させなかっただけと思われます。
民主党が、民法改正に消極的になったのではないし、
これまで自民党政権下で、たなざらしされ続けた経緯を考えれば、
むしろ優先順位は、高くてしかるべきでしょう。


