2009年10月10日

toujyouka016.jpg 別の調査

産経の社説によると、「中高生の6割以上が「両親の別姓」を
嫌がっているという別の調査もある」そうです。
この「別の調査」というのは、いったいなんだ?と、
お思いのかたもいらっしゃるでしょう。

それを調べたかたが、すでにいらっしゃりました。
つぎのエントリでくわしく述べられています。
「そうそう、出典は明らかに・・・ん?」
http://d.hatena.ne.jp/debyu-bo/20091001/1254406471

 
「別の調査」とは、「心の教育・女性フォーラム」という団体が、
2001年に行なったもので、9月30日の産経新聞で紹介されています。
「嫌だと思う」と「変な感じがする」を合わせて66.4%なので、
「6割以上が嫌がっている」というのでしょう。

「夫婦別姓法案 子供の視点欠如、世論は賛否拮抗」
民間団体「心の教育・女性フォーラム」が
13年に都内の中高生を対象に行った調査でも、
自分の両親が別姓になったら「嫌だと思う」(41・6%)と
「変な感じがする」(24・8%)が合わせて6割超。
「何も感じない」(26・2%)と「うれしい」(2・2%)を
大きく上回っている。

「心の教育・女性フォーラム」というところは、
民間団体となってはいますが、「神道政治連盟」という
宗教的政治団体が、かなり後押ししているようです。
つぎのページも、神道政治連盟の公式サイトの中のコンテンツです。
http://www.sinseiren.org/ouen/forum.html

神道政治連盟は、森嘉朗首相(当時)の「神の国」発言で
注目されたと言えば、ぴんとくるかたも多いでしょうか?
この連盟には「国会議員懇談会」という議連が付属されていて、
所属している自民党の議員もたくさんいます。
自民党の支持基盤のひとつにもなっている連盟です。


すでに指摘されていますが、産経が紹介の調査があやしげなのは、
同姓家族の中高生を対象にしていると思われることです。
彼らに質問すれば、現在同姓になっているところへ、
きゅうにいまから、両親が別姓になる状況を考えるでしょう。
それに抵抗をしめすのは、ある意味とうぜんだと思います。

こうした調査は、結婚したときから夫婦別姓で、
産まれたときはすでに両親が別姓、という家庭の子どもを
対象にしないと、意味のある結果は出ないでしょう。

子どもへの影響は、民法改正の市民団体も、
とうぜん気にするところで、2001年に「民法改正ネットワーク」が、
別姓夫婦の子どもを対象に、アンケート調査を行なっています
これを見たかぎり、自分の家族が別姓であることを、
とくに気にも留めていないと見てよいでしょう。

ウェブでも、たまに子どもの意見や反応が見られるのですが、
なにごともなく受け入れたり、意味がわかるようになってからは、
「親の気概が感じられる」と肯定的に受け止めたりしています。
ものごころついたときから、家族で苗字が違っているので、
「それであたりまえ」と思って、抵抗を感じないのでしょう。


別姓夫婦の子どもはかわいそうとか、子どもによくないといった言説は、
まったく根拠がない言いがかりであることは、
おわかりいただけたのではないかと思います。

ところがいかんせん、「子どものことは大切にするべき」という
社会通念がありますし、なにか子どもに問題があったとき、
親(とくに母親)の個人的な責任に帰する風潮もあります。
反対論者たちが、子どものことを持ち出すのは、
こうした固定観念を利用しやすいからでしょう。

別姓夫婦の子どもが不幸になる、確実な原因があるとしたら、
「夫婦別姓だと子どもがかわいそう」という偏見を持っていたり、
選択別姓に反対するおとなたちに、出会うことだと思います。
こうした人たちは、「おまえの家庭は一体感がない」と、
わけもなく侮辱するのですから、危険で害をなしうるでしょう。

すべての子どものしあわせを願うなら、とても有害な差別意識をまき散らす、
民法改正の反対派という人たちに、しかるべき対処をすることが、
社会が取り組むべき課題だろうと、わたしは思います。


参考資料:

「「子どもがかわいそう」って、ほんとなの?」


わたしのサイトの関連コンテンツ:

「子どもがかわいそう?」


posted by たんぽぽ at 23:41 | Comment(10) | TrackBack(3) | 民法改正一般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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この記事へのコメント
夫婦別姓を主張してきたのは、左翼のいる民主党と連立を組んだ社民党の福島瑞穂(日本人の血は流れていない)である。
福島瑞穂は夫婦別姓を昔から実践しており、夫は左翼活動家の海渡雄一である。
法律で自分の行為を正当化すると同時に、日本において夫婦別姓を推進し、社会と家族の不安定化と混乱をねらう意図がある。
沖縄は戦後27年間に亘り米国に占領されていた。福島瑞穂は夫と共に沖縄は日本の領土ではないとして、日本への返還阻止活動を行ってきた実例がある。
千葉景子や福島瑞穂らは、生得的に反日活動に生きがいを求め、見い出してきた女性である。
政権与党となったのをチャンスに反日活動の一環として日本国の民法を改悪しようと意気込んでいる。
Posted by 道草 at 2009年10月11日 13:48
道草さま

あなたは、先日「在日民主党」というハンドルで、
コメントしたかたのようですが、複数のハンドルを使うのは、
まぎらわしいのでご遠慮ください。


はじめに、わたしのブログにコメントなさるときは、
あいさつと、簡単な自己紹介をなさってください。

また、あなたのコメントとほとんど同文である、
「在日民主党」のコメントの内容には、いくつか疑問も出ています。
これらについて回答をいただきたいです。
http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20090930/1254274901
http://taraxacum.seesaa.net/article/129745707.html

上記がお守りいただけないのであれば、
わたしのブログへのコメント投稿は、お断わりすることがあります。
Posted by たんぽぽ at 2009年10月11日 14:04
こんにちは、たんぽぽさん。「村野瀬玲奈の秘書課広報室」というブログをやっている村野瀬と申します。笑

私、『その調査、おかしくない?』という不定期連載の記事を時々書いていますが、この産経の世論調査もその典型的なものですね。新聞記者になる前に、世論調査とは何か、きちんと勉強してほしいものです。

>別姓夫婦の子どもが不幸になる、確実な原因があるとしたら、
>「夫婦別姓だと子どもがかわいそう」という偏見を持っていたり、
>選択別姓に反対するおとなたちに、出会うことだと思います。
>こうした人たちは、「おまえの家庭は一体感がない」と、
>わけもなく侮辱するのですから、危険で害をなしうるでしょう。

まったくその通りです。結論はこの数行で尽きています。
Posted by 村野瀬玲奈 at 2009年10月12日 12:32
村野瀬玲奈さま、いらっしゃいませ。
コメントとトラックバック、ありがとうございます。
(それと、ごていねいにごあいさつ、どうもありがとうです。(笑))

>この産経の世論調査もその典型的なものですね。

自分たちに都合のいい、偏った結論を出すために、
わざとおかしな調査をするんじゃないか、という気さえしてきますよ。

ようは、なにが問題なのかわかってないので、
予断が入るから、適切な調査ができないんだろうと思います。
(アンケートや世論調査は、設問を見れば、
それを作った人の思い込みがわかる、でしょうか。)

>まったくその通りです。結論はこの数行で尽きています。

賛同、ありがとうございます。
「自己成就予言もはなはだしい」という感じですよね...

「被差別者は、差別する側が作る」というのが、
いま話題になっているけど、別姓夫婦の子どもに関しては、
その傾向がとりわけ強いように思います。
Posted by たんぽぽ at 2009年10月12日 18:29
こんばんは。
 ↑神道政治連盟、読ませていただきました。
日本の宗教は 「家」意識に根ざしているので、
戸籍の分解を恐れているのでしょう。
 高市氏の提案のように 通称にとどめたいのだと思います。
 地方によっては 自民党県本部が護国神社の中に建っているとか、
(佐藤文明氏、「戸籍って何だ」によると)
祖先の御参り、お墓の維持に重大な影響を与え、、(日本を守る国民会議)

 国民の日常に浸透している宗教ですが、
この団体の反対は最も強力でしょうね。
 タブーとなって避けてきた部分でもありますが、
もう真正面から それは本当に真実なのか 考える時期だと思います。

アンケートのとり方も 当てにはなりませんね。
 新薬とかでも 製薬会社と厚生省がグルになって
自分達が得する結果を出したりしているとも聞きますが
それと同じですね。
 情報を鵜呑みにしない、裏をかく、、国民の賢さも必要ですね。
Posted by ゆうゆう at 2009年10月12日 20:54
>「被差別者は、差別する側が作る」
つながりで、TBさせていただきました。
内容違いで、すみません。。。
Posted by gegenga at 2009年10月12日 21:58
ゆうゆうさま、こんにちは。
コメントをくださって、ありがとうございます。

>神道政治連盟

ご覧くださって、ありがとうございます。

「神道政治連盟」は、とうぜんのように民法改正に反対していて、
ことあるごとに反対の活動をしています。
家族やジェンダーに関することでは、もっとも影響力が、
あるのではないかと、わたしも思います。

神道政治連盟、というか、宗教団体は、
マスメディアで「タブー」になっているようです。
それでいつも、はっきりと報じられないみたいです。
http://taraxacum.hp.infoseek.co.jp/teardrops/movement/not_reported.html

でもって、こういう政治的偏向を持った人たちは、
自分たちの家族観と、お墓やら戸籍やらなにやらが、
わかちがたく結びついているみたいですね。
これらすべてを、かたくなに維持することが、
彼らの家族観の維持にもなっているのだろうと思います。
Posted by たんぽぽ at 2009年10月13日 00:53
gegengaさま、こんにちは。
コメントとトラックバック、ありがとうございます。

>内容違いで、すみません。。。

ああ、いえいえ。まったくOKですよ。

わたしも、「いま話題になっている」とだけ言っていて、
不親切だったので、どこで話題になっているのか、
やっぱり言っておこうかと、思っているところでしたよ。
Posted by たんぽぽ at 2009年10月13日 00:55
こんばんは。
いつも丁寧なコメント有難うございます^^
リンク先訪問して拝見してきました。
 なるほど、、神道政治連盟、ここが別姓反対の超強固な自民系もからむ団体ですね。根幹がわかってきて すっきりしてきました。
 戸籍廃止、別姓で 家制度が揺らげば、
ここの存在意義が危ないということですね。
 実にタブーな部分なので 触れられない部分できたのでしょうね。
産経も この支持団体とのからみで 都合の良い記事を書くのでしょう。

 ところで、日本会議という団体に 小泉純一郎はじめ高市氏などの名が
並んでます。
 そして 夫婦別姓は 家族の絆を壊すと反対してますが
ここも 強固な反対の団体なのですかね?
 日本会議HP↓
http://www.nipponkaigi.org/
http://www.nipponkaigi.org/0700-ganbare/0710-5years.html
http://www.nipponkaigi.org/1900-kazoku/1940-01QandA.html
 国家の品格の著者、櫻井よしこ氏も出ています。
男系でなくては困る天皇制。
 夫婦同姓は 男性の姓を名乗ることが 暗黙の了解となっているのは
おかしいですよね。夫婦同姓で 女性の姓を名乗ることを通例とすることは
決して了解しないから 反対理由にもならないと思うのです。
http://www.nipponkaigi.org/1100-koushitsu/1120-01jyokeipanfu.html
http://www.nipponkaigi.org/1100-koushitsu/jyokei-jyosei02.pdf

 長くなりました。
たんぽぽさんのおかげで だんだんわかってきました。有難うございます。

Posted by ゆうゆう at 2009年10月13日 21:49
ゆうゆうさま、こんにちは。

ああ、いえいえ。
こちらこそ、いっぱいコメントをくださってうれしいです。

それから、リンクしたページも、ていねいに読んでくださって、
どうもありがとうございます。

自民党は総選挙の前に、こんな民主党叩きのアジびらを
作っていたんだけど、内容を見れば、支持基盤を堅めようとして、
こんなことを書いているのは、すぐにわかるだろうと思います。
http://taraxacum.seesaa.net/article/126627283.html
http://www.jimin.jp/sen_syu45/hikaku/index.html


>日本会議

日本最大級の右翼団体です。
選択別姓に反対するのも、とうぜんというところです。

(これは、政治関係のブログを書いているかたが、
わたしなんかよりも、ずっとくわしいと思います。)
http://d.hatena.ne.jp/kojitaken/searchdiary?word=%c6%fc%cb%dc%b2%f1%b5%c4


>たんぽぽさんのおかげで だんだんわかってきました。有難うございます。

じつは、わたしも、右や左の政治思想は苦手でして、
いつもだれかに、教えていただいているんだけどね...
(こないだも、「沖縄奪還」と「沖縄解放」のちがいが
わからなかったし...(苦笑))

でも、わたしでも、お役に立つことがありましたら、
情報提供しますので、なんなりとお尋ねくださいね。
(わからないことは、すなおに「わからない」と言っちゃうけど。)
Posted by たんぽぽ at 2009年10月14日 00:05
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Tracked: 2009-10-12 12:24

いまどき、「自作自演」しなきゃ、差別の手段がない。と、おっしゃる×第二迷信さんにお聞きしたいこと
Excerpt: 差別する対象を決めるのは、差別される側ではなく差別する側である―――『差別と日本人』(2)に、×第二迷信さんが 23. Posted by ×第二迷信 2009年10月12日 00:22 ..
Weblog: かめ?
Tracked: 2009-10-12 21:52

「夫婦同姓論者」の中の「卑怯な面々」
Excerpt: (この記事は当Weblogで以前に書いた「せんたくてきせい」の流れにある記事なので,そちらも参考にして頂ければと思います)
Weblog: Eric Prog
Tracked: 2010-03-22 00:37