民法改正案の中には、婚外子の相続差別の廃止も含まれています。
「女性の「再婚禁止」短縮を検討=相続差別撤廃も−民法改正で法相」
「非嫡出子:相続規定、最高裁が合憲決定」
「やはり早期の民法改正が必要」
「非嫡出子差別の是正をどうしてためらうんですか?」
(トラックバックでご連絡をくださった、さくらさま、
いつも本当にありがとうございます。)
「婚外子」というのは、婚姻(法律婚)外に産まれた子どものことです。
法律婚内に産まれた子どもが、「正当」(嫡出)であり、
それ以外の関係の男女から産まれた子は、
「非嫡出子」「私生児」として、差別することになります。
よそで子どもを作るのが悪いなら、その親を批判することでしょう。
子ども自身は、出生を選べないですから、責任はないはずです。
産まれで子どもを差別する、「嫡出概念」があることは、
子どもの権利条約に反していますし、欧米諸国ではすでになくされています。
欧米の民主主義国では、婚外子であっても、
制度上も社会通念上も、差別を受けることがなくなっています。
それゆえ、2003年の時点で、子どもの数全体のうち、
平均がおよそ30-40%が、婚外子になっています。
「非嫡出子(婚外子)のハナシ 4 各国の状況」
「嫡出でない子の割合と合計特殊出生率 国際比較」
日本の婚外子の割合は約2%と、異常なまでにすくないです。
「子どもは法律婚内で産まなければならない」という観念が強く、
それだけ婚外子に対する風当たりが強いことをしめしています。
日本では、婚外子は、さまざまな不利益を受けるのですが、
はっきりした法的差別として、相続差別があります。
「婚内子の半分しか、婚外子は遺産を受け取れない」というものです。
9月30日に最高裁判所の小法廷の判決が出たのですが、
婚外子の相続差別は「合憲」となってしまいました。
4裁判官のうち3人が合憲でしたが、3人のうちひとりは、
補足意見がつくという、微妙なものでした。
03年から04年に3回、小法廷の判決が出ていますが、
いずれも3対2で合憲、ただし合憲としたひとりは補足意見をつける、
となっていて、膠着状態が続いています。
これまでの判決については、以下をご覧ください。
「婚外子差別の最高裁判決」(わたしのブログ)
「民法改正「答申」放置状態」(2003年6月)
「民法900条4項」(2003年6月)
「「非嫡出子の相続差別、救済を」 最高裁2判事「違憲」」(2004年10月)
わたしのサイトの関連コンテンツ:
「婚外子(非嫡出子)の数」
http://taraxacum.hp.infoseek.co.jp/teardrops/fundament/bastard2.html
「婚外子が少ないから健全?」
http://taraxacum.hp.infoseek.co.jp/teardrops/against/illegitimate.html