すこし前に話題になった(いまもなっている?)、
「子ども手当て」についてのメモ。
「テレビ朝日に少しだけ出ます」
「衆議院青少年問題特別委員会視察報告(その4:ノルウェー2)」
「子ども手当に所得制限って、左翼小児病?」
「受給のスティグマ」
「「子ども手当」(according to 水島)」(紹介ありがとう。)
「こども手当ての所得制限」(するどいです。)
「スティグマについて思い切り書く」
「子ども手当てと所得制限」(わかっていただけました。)
この「子ども手当て」は、親の経済支援ではなく、
すべての子どもに保障する「権利」として作ったものでした。
それで所得制限がないことになります。
これは、民主党の家族政策である、子どもを第一に考える、
「チルドレン・ファースト」という発想であり、
子どもは社会全体で支える考えにもとづくと思われます。
「テレビ朝日に少しだけ出ます」
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今では、金額だけが一人歩きしている感のある子ども手当ですが、
当時は、「経済的に苦しい家庭への支援」ではなく、
どんな子どもにも保障される権利という理念に基づいて作りました。
(所得制限を設けない代わりに、課税対象となるので、
結果としては高額所得家庭からは一定割合が税金という形で
国庫に戻りますが、どんな子どもでももらえるということで、
偏見を生まないという効果もあります)
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2001年から原案はあって、ようやく花が開いたことになります。
それ以後も、何度も言及されることがあって、
民主党ではずいぶんむかしから考えていたことになります。
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今ではすっかり有名になった「子ども手当」ですが、
2001年の秋、私が民主党の男女共同参画政策責任者だったときに、
ときの政調会長・岡田克也さんのもとで作った政策集が原点です。
そんな経緯を聞きたいと今日取材にみえました。
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ノルウェーにある同様の制度のことが、つぎに書かれています。
日本の子ども手当ても、ノルウェーを参考にしたと思いますが、
金額も日本の場合とほぼ同額になっています。
「衆議院青少年問題特別委員会視察報告(その4:ノルウェー2)」
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ノルウェーでは、毎年35億クローネ(約500億円)の予算を
子ども政策に投入しており、これは防衛費に匹敵する。
ノルウェーでの子育て支援策はいくつかの柱によっている。
一つは子ども手当。
これは、子ども一人あたり月々約1000クローネ。
民主党で試算しているものとほぼ同水準だ。
子ども手当ては、すべての子どもに自動的に支払われる。
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もうひとつ、「子ども手当て」には所得制限がないので、
「どんな子どもでももらえるということで、偏見を生まない」とあります。
このあたりは、つぎのエントリをご覧になるといいでしょう。
「子ども手当に所得制限って、左翼小児病?」
http://d.hatena.ne.jp/oda-makoto/20091003#1254552814
経済的に苦しい親の経済支援というかたちだと、
受けている側が、「自分でなんとかしなければならないのに、
他人の世話になっている」という気持ちになって、
「受給のスティグマ(烙印)」を押されることにもなりかねないです。
また、「生活保護を受けている」というだけで、
色眼鏡で見る人たちもいるだろうと思います。
2009年10月19日
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こども手当ての所得制限
Excerpt: 連立与党となった社民党と国民新党は,最も大事なことを忘れないで政権運営に当たって欲しい,という意味でこの記事を書く。最も大事なこととは,できる限り連立を維持していくことである。そのためには,政策すべ..
Weblog: アルバイシンの丘
Tracked: 2009-10-19 20:21
えらそうなことを言わせてもらえば,わが国の左翼政党(社民党のみでなく共産党も)は階層意識とか階級意識に囚われすぎて,脱自公を果たしたあとの国の理念を構築することがおろそかになっていたように感じます。
これを野党ボケというのでしょうね,きっと。
その点,民主党(の心ある一団)は政権獲得後の理念を追求していたのでした。
その理念がとても質が高いことに驚くとともに敬意を表したいと思います。
わたしのレスが遅くなりまして、もうしわけないです。
>わが国の左翼政党(社民党のみでなく共産党も)
前にもどこかで言ったかもしれないけれど、
重商主義政策のもとで、大企業が作り出した利益を、
自分たちが、庶民のために再分配するという
55年体制時代の図式から、発想が抜け出していないようですね。
この図式にこだわっているなら(ある意味寄生ですから)、
みずから政権を取る方向にはむかわないだろうと思います。
(ネットの支持者を見ても、やはりこの図式でものを見ていて、
万年野党体質に陥っている人が、いっぱいいらっしゃりますね。(苦笑))
冷戦の崩壊とグローバル化で、それが維持できなくなって、
あらたな社会状況に適応させる必要に気がついていない
(社会状況が変わったこと自体、認識できてない?)感じです。
>民主党(の心ある一団)は
民主党には(というか、政治改革を目指した人たちの中には)、
上述の変化を理解した人たちが、集まったんだと思います。
細川・羽田政権と、新進党の失敗で痛感したことのひとつは、
政権を取るには「政権担当能力」が必要、ということだ思います。
それで民主党は、官僚に頼らず議員が主体となって、
政策を作ることは、はじめから相当にこだわっていました。
とくに結党初期のころは、「政策おたく」と言いたくなるくらい、
政策を語るのが好きな議員が、集まっていたと言います。
それで、政策の中身も、質が高いものになったのでしょう。
「子ども手当て」も、原案は2001年の秋からとあるけど、
そうした時代から作られて来た政策のひとつだったわけです。
これはまさしくその通りだと思います。アンチとしてのみ存在感を発揮できるということですから,旧社会党は宿主との共存に安住してしまったのですね。
この流れからみると,村山社会党が自民党と救済連立を組んだのが,何と!自然なことに思えてしまうではありませんか。(的を射た見方かどうかわからないけど)
まあ,アンチとしてのみの存在に安住というのは共産党にも感じてしまいますが,これは言わないことにしましょう。(アレっ?)
>村山社会党が自民党と救済連立を組んだのが,
>何と!自然なことに思えてしまうではありませんか。
そのように考える人も、結構いますよ。
55年体制の旧守派が手を組んで、政治改革派に対抗したと考えれば、
自民党と社会党の連立は、イデオロギー的にも、
それほど無理なことでもなかった、という具合だけど...
>これは言わないことにしましょう。(アレっ?)
「あれっ?」って、なんで言わないんですか?(笑)
(まあ、いいけど。)
ええ?そうなんですか。パピヨンは今ようやく到達したのですが,鈍いこと・・・
>「あれっ?」って、なんで言わないんですか?(笑)
えーと,謎解きをしますが,「言わないことにしましょう」と言いながらすでに言ってしまっている,ということにあとから気づいたという意味です(まわりくどい!)。
そうです。言いたいことは「アンチとしてのみの存在に安住というのは共産党にも感じてしまう」ということでした。
ああ、なんだ。
もっと言いたいことはあるけど、これ以上くわしく言わない、
という意味かと思ってしまいました。
とくに議席が1けたになってから、「確かな野党」を標榜しはじめて、
共産党の開き直りはあらわになったと思います。