2009年10月27日

mar0006.gif婚外子差別と少子化

10月24日にご紹介の、ビデオニュース・ドットコムの記事、
民主党の家族政策の検証ですが、後半は民法改正です。
「子どもを生みたくなる国に変わるための処方箋」(ビデオニュース)
「子どもを生みたくなる国に変わるための処方箋」(Yahoo)

子どもが自分で選べない、生まれつきの差別がある婚外子差別や、
結婚に改姓というハードルがある、現行の民法では、
子どもを産まない選択を、余儀無くさせるのでは?という考察です。
「婚外子差別撤廃や選択的夫婦別姓も少子化対策」

 
直接的には、婚外子差別のほうが、より大きく影響するでしょう。
出生で子どもを差別していては、差別に当てはまる人たちが、
子どもを作るのをためらいたくなるのは、無理もないからです。
子どもを産みやすい社会を作りたいなら、子どもの差別はなくすことです。

記事では、婚外子を産むと、その子どもが不幸になると考えて、
中絶をしている人も、一部にはいるのではないかと考えています。
(婚外子差別を避けるための中絶の可能性は、
まことにおはずかしながら、わたしは、はじめて聞きました。)
中絶は毎年30万件程度あり、統計に出て来ないのも入れると
60万件程度になるだろうと、見積もっています。

近年は出生数が100万人とちょっとですから、30-60万というのは、
かなりたくさんの命が、中絶によって断たれていることになり、
いささか信じ難いかもしれないです。
しかしたとえば、2003年の厚生労働省の統計を見ると、
まちがいなく、毎年30万件くらいあります。

「4 母体保護関係」

1989年:466,876
1993年:386,807
1998年:333,220
2001年:341,588
2002年:329,326
2003年:319,831


つぎに、結婚したくはないけれど、子どもがほしい女性が、
約30万人いて、平均1.9人の子どもを産みたいとあります。
彼女たちも、産まれた子が婚外子になることを避けたくて、
子どもを産めずにいることが、考えられます。
よってこちらも婚外子差別の廃止が、いくばくかの解決になりそうです。

ところで、記事で述べられている、「約30万人」という数値が、
どこから来たのか、わたしにはわからないのです。
いささか古いですが、「オーネット」という、
結婚情報サービス会社の調査部門と思われる、
「ことぶき科学情報」による、2000年の調査があります。
20代と30代の未婚の女性を対象に、調べたところ、
「結婚したくはないけれど子供は欲しい」かたは、30.3%いました。

「20代・30代独身OLの恋愛・結婚・子供願望調査」

ところが、人口統計資料と、年齢別未婚率のデータを見ると、
2005年における、25-29歳の女性人口は408万で、未婚率は59.0%、
30-34歳の女性人口は482万で、未婚率が32.0%ですから、
この世代の未婚女性の人口は、約395万人になります。
この30.3%は約120万人ですから、30万人という数値と合わないです。

「性,年齢(5歳階級)別総人口および日本人人口: 2005,2007年」
「年齢別未婚率の推移」


渥美由喜氏が述べている「約30万人」が、どこの統計で、
どのような調査をしたのかわからないので、確認できなかったです。
(どなたか、ご存知のかたがいらっしゃりましたら、
教えていただけたらと思います。)

「結婚したくはないけれど子供は欲しい」人についての調査は、
(条件が特殊だからか?)なかなか見かけないようです。
わたしが見つけられたのは、「ことぶき科学情報」だけで、
これを引用して、「30.3%」と言っている記事が多いです。

posted by たんぽぽ at 23:57 | Comment(5) | TrackBack(0) | 民法改正一般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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この記事へのコメント
>婚外子差別を避けるための中絶
婚外子差別をはっきり自覚しているわけでなくても
「まだ結婚していない(しない)から」
という理由での中絶は、想像に難くないです。
すごく若いわけではなく(例えば20代の社会人とか)
その後も同じ男性と交際しているのに中絶した
なんて話は、ネット上の相談サイトでは時々見かけます。
Posted by さくら at 2009年10月28日 07:45
婚外子差別はともかく、少子化はいい事だと思いますよ。
少子化悪玉論を前提として語るのは、左右を問わず違和感を覚えます。
Posted by nanami at 2009年10月28日 21:28
さくらさま、コメントありがとうございます。

中絶の現状についてのお話、ありがとうございます。

上でリンクした統計を見ると、2003年の場合、
いちばん多い世代は20-24歳で、7.7万件、
つぎが25-29歳で6.6万件となっています。
これらは、20歳以下の4.0万件より、ずっと多いです。
http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/eisei/03/kekka4.html

よって、経済的に養えないのではないであろう世代で
結構中絶が多いという感覚は、まちがいではなさそうですよ。


婚外子差別を意識して、というより、
「子どもは法律婚姻内で、産まなければならない」
という固定観念のために、中絶にいたることのほうが、
多いのかもしれないですね。
(婚外子差別も、そのような法律婚主義の
あらわれかたのひとつなので、無関係でもないけど。)
Posted by たんぽぽ at 2009年10月28日 23:39
nanamiさま、コメントありがとうございます。
以前にもコメントをくださったことがありましたね。

記事の人たちはどうなのか知らないけれど、
わたしは、少子化自体は、「悪」とは言ってないですよ。
(「善」とも言っていないけど。)

子どもが欲しくても、子どもを持たない選択を
余儀無くされるというのは、けしからんことだと思いますが。
Posted by たんぽぽ at 2009年10月28日 23:40
10月28日23時8分の拍手コメントのかた

まことにありがとうございます。
参考にしたいと思います。
Posted by たんぽぽ at 2009年10月28日 23:43
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