2006年02月15日

mar0006.gif無規範なシニシズム(3)

それじゃあ、「無規範なシニシズム」は、
反対論者たちを過小評価しているから、
事情を知らない部外者の、的外れな言いぶんかというと、
そんなことはまったくないと思います。

市民団体の体質について、核心を突いていて、これを見て、
わたしは、「やはりそう思うか...」と、思ったくらいです。

民法改正の推進派は、いまから5年くらい前から、
自民党議員を重点的に、はたらきかけるようになりました。
自民党には、前のエントリでお話したような、
頑迷きわまりない反対派議員がいるので、よく思われようとして、
彼らにこびたことばかり、理由にするようになりました。

「無規範なシニシズム」の作者が、「わたしは、この団体を、
保守的と感じたので、彼女たちの戦略は成功している」と、
感じたゆえんは、このあたりにあるのでしょう。

 
婚外子差別撤廃を切り離したのも、自民党議員の中に
根強い反対があるので、これをやめて、選択別姓だけにすれば、
賛成が得られるのではないかと、考えたからでしょう。
そのため、婚外子差別撤廃にはっきり賛成すると、
自民党から反発を買って、選択別姓まで反対されるのでは? 
という意識が、市民団体にはあるようです。

あからさまにそれを言うと、排他的と思われるので言えないですが、
内心では、別姓実現のために、婚外子を切り捨てたいのでしょう。
それで、婚外子を差別していないと、口では言いながら、
現実には、差別を助長しかねない行動に出るという、
ジレンマにおちいるのだと思います。

こうした活動の背景には、「自民党が与党である以上、
自民党が賛成しなければ、別姓実現はありえないから、しかたない。」
という、ドグマのような信念にもとづいています。

保守からリベラルまで、幅広い人たちと協力すると、
市民団体のかたが、MLで言ったそうですが、
本当に協力できるのは、かかる彼女たちの信奉する方針を、
受け入れる人たちにかぎられることは、想像に難くないでしょう。
自民党の反対派に悪く思われそうだとか、
自分たちの方針に抵触すると思ったら、「戦略」を理由にして、
無関心や非協力を、正当化するのだと思います。


じつは、かかる市民団体の「戦略」自体、
成功しているとは、わたしには思えないのです。
いまの方針になってから、5年くらいになりますが、
選択別姓実現の見込みは、まったくありません。
彼女たちが、自民党に気に入られようとして、こびたところで、
反対派議員たちの頑迷きわまりなさは、どうにもならないようです。

それどころか、民主党政権に無関心になるなど、
現状維持に加担するもととなったり、
あるいは、婚外子差別撤廃の切り捨てのように、
運動内の反対意見を押さえ付けたりして、民法改正運動の中に
分裂を招くといった、悪影響もおよぼしているくらいです。


MLの議論の最中、「批判のための引用をするな」と、
団体のかたが言ってきたとあります。
これは、前のエントリでお話したような、
反対論者からの自衛でないのは、あきらかです。
(市民団体にとって、反対論者よりも、自分たちの運動に
批判的な賛成派のほうが、都合が悪いくらいなのだ!)

どんな内容の記事だったのか、
わたしは、くだんのMLに参加していないので、わからないですが、
自分たちの偽善や独善に触れることを、言われたのかもしれないです。
「無規範なシニシズム」を、「中傷」と決めつけたそうですが、
呪文のように唱えている、出来合いのお答えでは、
うまく返せなかったのでしょうか?

このあたりには、「自分たちは、選択別姓実現のために
活動しているのだから、どんな失敗をしても、
批判することは、実現のマイナスにしかならないので、
黙認せねばならない。」という、選民意識もありそうです。


関連する資料:
「婚外子差別撤廃の切り捨て」
「夫婦別姓の法律学-雑感 2001年11月14日」
「非嫡出子(婚外子)のハナシ5 民法改正と夫婦別姓」


posted by たんぽぽ at 22:39 | Comment(0) | TrackBack(0) | 政治活動・市民運動 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

はてなブックマーク - 無規範なシニシズム(3) web拍手
この記事へのコメント

この記事へのトラックバック