「事業仕分け」に関する、さつきさんのエントリです。
「事業仕分け」の前に、既に「仕分け」されている(追記あり) 」
テレビに映ったところばかりが目立ちますが、
「仕分け」に関わった人は、よく勉強していると言われています。
むしろ、発表(プレゼンテーション)がうまくなかった
官僚たちこそ、不勉強と言えるのではないかと思います。
「事業仕分けのメモ」
「「行政の事業仕分け」について」
「尊大なノーベル賞受賞者」
「野依さん見識を欠いているのはどちらですか?」
「世界一のスパコン」
「科学政策に関する公開質問状というのが出ているそうです」(コメント欄)
「わからなくても、わかること」(コメント欄)
じつは、さつきさんのエントリは、
「仕分け人は、若手研究者の生活を考えてない」という
印象を与えたくて書いているのでは?という感じがします。
若手を大事にしたいなら、プロジェクトを立ち上げて、
そこにポジションをぶら下げる、というパターンこそ、
いいかげんやめたほうがいいと思いますよ。
プロジェクト附随のポジションの、なにがイカンのかというと、
研究室の親分に、予算と人事権が集中することです。
それゆえ「仕分け」のような逆境にあうと、
若手からポジションや給料を削られる、
なんて事態も、起きやすくなるのだと思います。
また、研究室というのは、密室的で、
徒弟制度的な上下関係のある世界ですから、
ただでさえ親分が「専制君主」になりやすいところです。
そこへもってきて親分が予算と人事権を掌握したら、
この傾向に拍車がかかることになります。
セクハラやアカハラも起きやすくなるでしょう。
古典的なDVのセリフに「だれに食わせてもらっているんだ?」がありますが、
同じように、研究室のボスが、お金を管理していることで、
「国民の税金で食わせてもらっているくせに」と、
恫喝がやりやすくなるわけです。
2000年代に入って、アカハラがひどくなった理由のひとつは、
プロジェクト附随のポジションが増えたこともあります。
どうしたらいいかと言うと、自分の給料と研究費がついている
(自分で持ってくる)ポジションを、増やすことだと思います。
そうすれば、「仕分け」で、プロジェクトの予算が減らされても、
お金の出所が違うのですから、自分の給料と研究費持ちの研究者は、
影響がおよぶことがありません。
また、研究室の密室・徒弟制度的体質が、避けられないなら、
アカハラ防止のためにも、研究室の親分に、
予算と人事権を掌握させない配慮は必要でしょう。
任期の途中でも、研究室を移動しやすくするともっといいでしょう。
アカハラ教授からは、おのずと人が去ることになりますし、
人材を確保したいために、受け入れ側も
アカハラを起こさないよう、気を配るようになるでしょう。
また任期なかばで、よそへ移る博士研究員がたくさんいれば、
「あの先生やばいのかも」と、外からもわかりやすくなります。
職にあふれる研究者が多いのはなぜかというと、
2000年前後にはやった、「ポスドク(博士研究員)100万人計画」で、
任期付きの非常勤研究員が大幅に増えたのはいいが、
そのあとのポジションを作ってなかったので、
行き場がない人がたくさん出て来たからです。
(プロジェクト附随のポジションが、まがりなりにも
受け皿になっていたのではあるが。)
給料と研究費つきの博士研究員だけでなく、
同様の「員外講師」とか「員外准教授」なんてのも作れば、
40歳を過ぎても常勤(パーマネント)になれない博士研究者の
雇用対策にもなるのではないかと思います。
いずれにしても、研究者の生活を本気でなんとかしたいなら、
いまの流れには釘を刺さなきゃだめだと思います。
それは、プロジェクトを立ち上げて、予算を取ってくることで、
みずからの権力伸張をはかろうとしている
お役人たちには、期待できないと思いますよ。
2010年01月30日
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『論文盗作』問題(テレ朝・報ステ)
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Weblog: 関係性
Tracked: 2010-02-05 15:31



「自分の給料と研究費がついている(自分で持ってくる)ポジション」
に至るのが大変なんですが。
まず実績を上げないと「ポジション」は得られませんよ。
これは日本に限らず世界で共通。
このエントリは、政策として、プロジェクトに
ぶら下がりのポジションより、予算と給料つきの
ポジションを増やすべきだ、というお話です。
研究者各人が、プロジェクトぶら下がりより、
予算と給料つきのポジションをめざせ、
というお話ではないので、ご安心ください(?)ね。