遅ればせながら、昨年12月の千葉県議会で採択された、
民法改正に反対する意見書です。
一部では、「怪文書」とまで言われる、「いきっぷり」です。
「選択的夫婦別姓を巡る低劣な意見書」
「選択的夫婦別姓のための民法改正に反対する意見書」(原文)
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民主党中心の政府は、「夫婦別姓、子供も別姓」となる
選択的夫婦別姓制度導入により、家庭崩壊が叫ばれて久しい
日本社会の家族に、とどめの一撃を加えようとしている。
「夫婦も別姓、子供も別姓」社会は、
まさしく「国親思想」、「子供は国家のもの」とする
社会主義・全体主義国家である。
「子供は国家のもの」とする社会主義・全体主義国家の発現の典型例が、
ポルポト政権下のカンボジアで行われた大量虐殺である。
国家が子供に親殺しを命じた結果が、あの大量虐殺であった。
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とくに「いってる」ところは、「ポルポト」ですね。
家族崩壊という妄想が高じて、「大量虐殺」なんて、
狂気の沙汰のヒステリーに走っています。
地方議会が意見書として採択しているから、とても怖いです。
かつて、安倍晋三や山谷えり子たちは、
いきすぎたジェンダーフリーは、家族崩壊を招き、
ポルポトを連想させる、などと言っていました。
これを民法改正で焼き直したものでしょう。
国政ではだいぶ後退しましたが、地方によっては、
バックラッシュ思想も、まだまだ健在のようです。
上記引用のまんなかあたりの、「「国親思想」、
「子供は国家のもの」とする社会主義・全体主義国家」
というくだりは、「子ども手当ては国民社会主義」という、
古森の発想と共通するものと思われます。
ところで、こちらのエントリを見ると、
この得体の知れない意見書に対して、
民主党がだまっていた、というのでご立腹なのです。
「選択的夫婦別姓を巡る低劣な意見書」
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蛇足ではあるが、この下劣きわまる意見書が攻撃している
当の民主党からは何の声も出なかったのはなんたることか。
一生懸命質疑をし、反対討論をしたのは、
共産党と市民ネット・社民・無所属だ。
千葉県民主党の感性の鈍さと、責任感の無さを痛感した最終日であった。
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千葉県民主党としては、「他党の議員さんが
批判しているから、もういいだろう。
どうせ自民党は過半数を占めているから可決するし、
(自民55議席、民主20議席)
法的拘束力のない意思表示にムキになって
反対してもしょうがない」という判断が
働いたのではないかと、わたしは想像します。
この件にかぎらず、民主党は、自分たちが批判の鉾先になっても、
概しておとなしいと、わたしは思います。
もともと党内にさまざまな異論を抱える体質なので、
いちいち反応していたら、時間と労力が
いくらあっても足りない、と考えるので、
その習慣が出るのでしょうか?
民法改正にかぎって言えば、国政ですが、
山谷えり子が造反して、反対派が蒸し返した議論に、
まともに応じて、かなりの時間と労力を消耗したので、
もう勘弁してほしい、ということかもしれないです。
わたしも、反対派との議論歴がありますし、
この「民主党的感覚(?)」を、持ち合わせているところがあります。
亀井静香も、お騒がしいけれど、みなさんメールで
じゃんじゃん抗議して、プレッシャーかけているから、
あとは言わせておけばいいのでは?と、思ってしまうのです。
そうは言っても、法案提出に遅れも出ています。
それに、まわりのみなさんの、お怒りぶりを見ていると、
わたしも、なにか言わなくては、イカンのではないか、
「おしとやか(笑)」にしていると、そのうちわたしまで
怒りの鉾先が向くのではないかと、ちょっと思っています。