またまた、「成城トランスカレッジ!」で、わたしが感心したエントリのお話。
「ジェンフリバッシングのために『約3500の実例』とか
言っちゃうのは恥ずかしいからやめましょう。」
自民党PTが行なった、「過激な性教育・ジェンダーフリー教育
に関する実態調査」というアンケートを、ご存知でしょうか?
「過激なジェンダーフリー教育の事例が、
3500件ある、などと息巻いていた調査だ」と言えば、
「ああ、あれか」と思うかたも、いらっしゃるでしょうか?
これは、自民党のウェブサイトにも出ているし、
産経新聞でも、「3500件に達していた」と、紹介されていました。
また、こないだお話した、男女共同参画の5か年計画にさきだって、
安倍晋三氏に送られた意見書にも、言及されていました。
(ほかの党やグループは、みな猪口氏に送っているのに、
なぜか安部宛てだった、というやつね...)
chikiさんは、なんと、自民党PTのアンケートの
原資料を探し出して(!)、「3500件」が、実例数ではなく、
回答数にすぎない(!)ことを、つきとめています。
http://seijotcp.hp.infoseek.co.jp/jimin.pdf
それにしても、こんなアンケートの原資料を、
どうやって手に入れたのかと、つくづく感心してしまいます。
(すごい貴重な資料だと思います。
ご本人も「特濃ソース」と、書いているくらいだけど。)
アンケートの内容ですが、たとえば、
「A.-1.コンドームなど避妊具の使い方実習」の設問では、
「全国各地の小学生の父母から悲鳴が上がっています。」と
選択肢の前に書き添えたり、さらには、八木と西尾の著書
『新・国民の油断』を同封して、読ませようとするなど、
あきらかにバイアスがかかって、はじめに結論ありきのものと言えるでしょう。
ところが、集まった意見は、ジェンダーバイアス・フリーや、
性教育を問題視しないものや、肯定的なものがほとんどだったのです。
自民党のやりかたに、批判的なものまであるくらいです。
結局、「過激な教育」の事例と呼べそうなのは、ごく少数しかなく、
(こちらの調査によると、多く見積もってせいぜい250件)
これだけの偏向アンケートにもかかわらず、
この程度というおそまつなものです。
それでも、自民党PTは、あたかも「実例が3500件」のように
見せかけて、触れ回っているそうです。
これを問題視したようで、最近になって、
chikiさんは、アンケートのくわしい検証を始めています。
(かなり時間をかけた、ていねいな検討のようです。
わたしも大問題と思うので、今後の展開に期待したいところです。)
http://d.hatena.ne.jp/seijotcp/20060305/p1
ついでだけど、このアンケートの中心人物のひとり、
山谷えり子事務局長は、選択別姓に賛成のふりをして、
2000年の総選挙で、民主党から当選したのですが、
2002年にとつぜん別姓反対を唱え、公約違反を公然とやってくれたのでした。
「山谷えり子議員の反対声明」
(もしかして、このかた、これまでにもこういう、
瞞着じみたことばっかり、やってきたのでしょうかねえ...?)