外国人参政権の導入が話題になっていますが、
これに応じて、排外主義的な人たちも、騒がしくなっています。
民主党が議員立法を目指すと言ったら、
「絶対提出できない」と切れちゃった(?)人もいます。
「与党には帰化した人が多い」などと吐いて
訴えられそうになった人もいます。
また、県政(市政、町政)に影響が出るというので、
外国人参政権に反対する意見書を出した自治体もあります。
(参照1)(参照2)(参照3)
選挙への影響といえば、外国人は日本に
どのくらいいるのかと、わたしは思ったのでした。
探してみたら、外国人登録者数のデータがあったので、
これを読んでみたいと思います。
「図録 都道府県別外国人数」
>都道府県レベル
外国人登録をしている外国人の数は、
日本全体では約215万人で、人口比の1.7%となっています。
都道府県別に見ると、絶対数でいちばん多いのは
やはり東京都で、38.2万人になっています。
ついで愛知県22.2万人、大阪府21.2万人です。
割合で見ると、東京と愛知がいちばん多く3.0%、
ついで、三重2.8%、岐阜と静岡が2.7%と、
東海・中京地方がこれに続いています。
沖縄県は、割合で見ると0.6%と少なめですが、
これは、外国人登録をしていないので、
在日米軍とその家族が含まれないからです。
彼らを入れると4.0%となり、東京都より多くなります。
(在日米軍の関係者だけで、人口比の3.4%というのは、
やはりたくさんいる、ということですね。)
東海・中京地方で、多くの割合を占めるのが、ブラジル人です。
彼らは1990年の入管法改正で、定住資格を得た日系人が多く、
機械工業地帯にたくさん集まっています。
「第1章 ブラジル人の増加とライフスタイルの変容」
そういえば、名古屋のほうへ行くと、
外国語表記の中に、ポルトガル語を見ることがありますよ。
実際、工場の近くのアパートでも、よく見かけます。
静岡や愛知、三重では、すでにブラジル人が、
いちばん多い外国人になっています。
「日本でいちばん多い外国人は、韓国・朝鮮人と中国人」
という常識は、古くなりかけているようです。
http://www2.ttcn.ne.jp/honkawa/7350.html
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1)特別永住者が多数を占める韓国・朝鮮人は、
東京・大阪の他、京都、兵庫、あるいは
広島、山口、福岡といった古い工業地域、鉱業地域に多い
2)中国人やフィリピン人などのアジア人は、全国的に広く分布している
3)日系ブラジル人など1990年の入管法改正で
定住者資格が付与された日系人は、上述の機械工業地域に集中している
4)基地の多い沖縄では米国人の比率が高い(図録7780参照)。
(もっとも在日米軍の軍人又はそれらの家族は
外国人登録の対象とはなっていない。
これらの米国人4万5千人を入れれば沖縄の外国人は5万4千人となり、
外国人比率は4.0%と全国1となる。)
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いずれにしても、外国人の数は全国平均で1.7%、
いちばん多い都道府県でも、高だか3.0%にすぎないです。
(県議会で反対の意見書を出した、和歌山なんて0.6%ですよ。)
都道府県レベルでは、選挙への影響は、
たいしたことがないと見てよいでしょう。
「国を乗っ取られる」とか、「国士さま」たちは、
なにを大騒ぎするのかと思います。
それでも、排外主義的なことを言っている政治家
(特定しないけど(笑)某都知事とか)は、
選挙で仕返しされるのを恐れているのでしょうか?
(某都知事にかぎっては、今期かぎりで引退予定ですから、
選挙は関係ないと思いますが。)
もしも、高だか3%程度の外国人の眼を気にして、
政治家のレイシズム的言動がやりにくくなる、
というのでしたら、それだけでも、
外国人参政権の導入を、わたしは歓迎したいです。
外国人参政権が参院選の争点になるとまで、言っていますからね。
なにか焦燥感めいたものを、わたしは感じます。
在日外国人と普段から接していて、
自分たち日本人と変わらないって、肌で知っている人の印象も、
悪くするでしょうから、そうしたかたまで入れると、
3%より影響が大きくなるのかもしれないけど。