「子ども手当て」は、日本国籍でない外国人であっても、
日本で生活して、日本に税金を納めていれば、
日本人とおなじように受給できるようになっています。
また、外国で暮らしている日本人でも、
滞在国の「子ども手当て」を受給しているかたもいます。
5月8日エントリで、すこし触れたことですが、
外国人であっても、自国民とおなじように、
手当てを受給できる権利が開かれている理由について、
ここでは簡単にお話したいと思います。
子ども手当ては、税金から支払われるのですから、
外国人であっても、その国で生活していて、
税金を納めていれば、自国民とおなじように
受給できるのが当然の権利と言えるでしょう。
外国滞在の日本人、たとえば、スウェーデンの
企業やお役所で働いていて、スウェーデンに税金を
納めている日本人は、スウェーデンの手当てを、
受ける権利がありますし、実際に受け取っています。
事務手続きも、本国(日本)の子ども手当てを
受けるとなると、滞在国から日本へ必要書類を、
国際郵便で送ることになって、かなり不便になります。
それよりは、滞在国の自治体の窓口で
書類の受けわたしをしたほうが、ずっと簡単です。
子ども手当てに反対する人は、事務手続きの簡素化を
たいへん重視しますが、その観点でも、
福祉を受ける市民を、本国と滞在国とのあいだで、
おたがいに交換したほうが、効率がいいと言えます。
もっと根本的なものとして、外国人の基本的人権を
尊重するという、法的な根拠があります。
それは、日本が批准している国際条約で、
「難民の地位に関する条約」(難民条約)と、
「経済的、社会的及び文化的権利に関する国際規約」
(国連人権A規約)です。
難民条約の「4章 福祉」には、難民(外国人)であっても、
自国民と同一の社会保障や公的扶助を
受ける権利があることが定められています。
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第23条 公的扶助
締約国は、合法的にその領域内に滞在する難民に対し、
公的扶助及び公的援助に関し、自国民に与える待遇と同一の待遇を与える。
第24条 労働法制及び社会保障
1 締約国は、合法的にその領域内に滞在する難民に対し、
次の事項に関し、自国民に与える待遇と同一の待遇を与える。
(b)社会保障(業務災害、職業病、母性、疾病、廃疾、老齢、死亡、
失業、家族的責任その他国内法令により
社会保障制度の対象とされている給付事由に関する法規)。
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また国連人権A規約では、第3部9条と10条で、
社会保障や児童福祉が、すべての者に対して
等しく保障されることが定められています。
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第九条
この規約の締約国は、社会保険その他の社会保障についての
すべての者の権利を認める。
第十条
この規約の締約国は、次のことを認める。
1 できる限り広範な保護及び援助が、
社会の自然かつ基礎的な単位である家族に対し、
特に、家族の形成のために並びに扶養児童の養育及び
教育について責任を有する間に、与えられるべきである。
婚姻は、両当事者の自由な合意に基づいて
成立するものでなければならない。
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さらに第2部2条2項で、条約の定める権利は、
人種、民族を問わないとして、「すべての者」には
外国人もふくまれ、外国人も等しく権利が
保障されることがしめされます。
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第二条
2 この規約の締約国は、この規約に規定する権利が
人種、皮膚の色、性、言語、宗教、政治的意見その他の意見、
国民的若しくは社会的出身、財産、出生又は他の地位による
いかなる差別もなしに行使されることを保障することを約束する。
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子ども手当ての前身の「児童手当て」のときから、
外国に子どもがいる日本人が受給できました。
「難民条約」と「国連人権A規約」を踏まえて、
子どもが外国(本国)にいる日本在住の外国人も、
同じ規則を適用して、受け取れるようになっていました。
「子ども手当て」の外国人の受給資格は、
これをそのまま引き継いだものです。
「子ども手当について 一問一答」
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児童手当では、過去30年間にわたり、
日本人の海外に居住する子どもと同様、在日外国人の子どもが
海外に居住する場合にも支給されておりました。
児童手当制度においては、1981年の
「難民の地位に関する条約」の加入に当たり、
「経済的、社会的及び文化的権利に関する国際規約」の趣旨も踏まえ、
他の国内関係法と同様、国籍要件を撤廃しました。
それ以来、国籍にかかわらず、親等が日本国内に
居住している場合には、その子について監護が行われ、
かつ、生計を同じくしているという支給要件に該当するときは、
その子が国外に居住していても、支給対象となっています。
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まったく個人的なことですが、給食普及率が全国ワーストの地に住むものとして、現ナマだけではなく、そういったシステムの保障も考えてほしいと思います。
また、ウチの一人娘(小学3年生)が通う小学校は、学童保育が3年生までで、4年生からはなんの制度もありません。マジでどうしろと。
日本は事実上、共働き禁止なんだなぁと思います。
まったく、ヘイトスピーチをタレ流してる場合じゃないんですけどねぇ…。
>まったく個人的なことですが、
現ナマだけで、OECD加盟国で中程度、というのが、
日本の現状ですからねえ...
現ナマ以外のことなんて、なおさら立ち後れていて、
まだまだこれからというレベルじゃないかと思います。
朗報かどうかわからないけれど、
給食費を子ども手当てから天引きする自治体がありますね。
こういうかたちで、給食普及率を上げられれば、
いいかもしれないです。
「子ども手当から給食費天引き、大分県市長会提案へ」
http://kyushu.yomiuri.co.jp/local/oita/20100410-OYS1T00281.htm
>ヘイトスピーチをタレ流してる場合じゃないんですけどねぇ…。
しかも、だれが書いたのかわからない、
得体の知れない、ネットの投稿のコピーですからね...
日本人だけでやればいい、なんて言ってもいたけどね。
鎖国をしているのではなく、外交というものがある以上、
外国人の出入りはあるのですから、
「日本人だけ」なんて、土台無理なお話だと思います。
そもそも外国人の受給って、たいした問題ではないと、
わたしは思っていたのですよ。
人口比で2%に満たないですし、世間一般で気にしている人は、
ほとんどいないのではないかな?
(ネットの世論は偏っていると言ってしまえば、それまでだけど。)