5月15日エントリでご紹介の、無断で婚姻届けを出して、
妻の連れ子の高校生と結婚した男性のお話のつづき。
とうぜんながら、結婚させられた連れ子の高校生は、
婚姻のキャンセルをする手続きに入っています。
前のエントリでご紹介の、はじめの記事を見ると、
「婚姻の無効確認を求めて」とあります。
婚姻の「無効」というのは、結婚をはじめから
なかったことにするための手続きです。
「無効」の理由は、この場合は、民法742条の第1項で、
「人違いその他の事由によって当事者間に
婚姻をする意思がないとき」になります。
「民法・婚姻の無効及び取り消し」
「虚偽の届出と戸籍再製申出」
(もうひとつのキャンセルに、「取り消し」があります。
取り消された時点から、将来にむかって、
結婚していないことになりますが、
取り消し時点までは、結婚していたことになります。)
気になる戸籍はどうなるかですが、
結婚したことで、夫婦の新しい戸籍が作られていますが、
無効になることで、この戸籍は「除籍」になります。
妻(改姓した配偶者)は、結婚する前からの
もといた戸籍にもどることになります。
はてなブックマークで、これらの手続きをした跡も
戸籍に残るのではないか?というコメントがあります。
このお答えは「Yes」で、このままだと残ります。
結婚して夫婦の戸籍を作ったとき、
戸籍から抜けた記録などは、そのまま残るからです。
この「跡」も全部なくす方法もありますが、
これはさらに「戸籍の再製申し出」が、必要になります。
これによって「不実の記載等・訂正がされた戸籍」を
再製できるので、婚姻を無効にした痕跡も
全部なくすことができるようになります。
「虚偽届出等により改ざんされた戸籍等の再製制度が創設される!」
婚姻を無効にするには、家庭裁判所で調停をします。
家裁のお世話になったことは、わたしもないので、
くわしいことは、わからないですが、
申し立てをして1か月くらいで、期日が入るみたいです。
(裁判所の込み具合にもよりますが。)
そして裁判官との面接(「審尋」)があるのですが、
ようは関係者が同意するかなどを尋ねるわけです。
認めるときは、その場で「審判」を
言いわたしてくれるのではないかと思います。
(ちがったら、ごめんなさい。)
そして、「確定証明書」などが裁判所から
発行されるので、これをふくめた必要書類を全部持って、
お役所へ行き、無効化の手続きを取ります。
さらに、戸籍の再製をしたいときは、
その手続きもお役所で取ることになります。
はじめの記事に、「早くても数か月はかかる」とあります。
家裁で裁判をして判決をもらうまでの時間に、
お役所での手続き(「無効化」と「再製」)の時間を
合わせると、これくらいになるのだと思います。
はてなブックマークに、なんで数カ月もかかるのか、
というコメントがありますが、このお答えは、
「家庭裁判所の調停が必要だから」でしょうか。
納得で結婚しても、相手の失業や心身の病気などで
家庭生活がうまくいかなくなると、あっさり相手を捨ててしまう
ケースが増えているらしいです。ドライというか。
子供が産まれなかったら妻を離縁していたような前近代の感覚に
戻ってきたのかもしれません。
(離婚の抵抗がなくなっている)のは、
家族や結婚に対するこだわりが、減ってきたからでしょう。
戦前の「子なきは離縁」は、家や結婚の枠組みは、
厳然としているのが前提ですから、回帰現象ではないですよ。
最近のアンケートを見ても、女性のほうが
離婚してもよいと考える人が、多くなっています。
「子なきは離縁」は、女性の意志に反した
強制的なものですから、異質なのはあきらかでしょう。
http://taraxacum.seesaa.net/article/141042872.html