2010年07月04日

toujyouka016.jpg 自民党の子ども政策

いままでずっと、民主党の子ども手当てのことを
お話してきましたが、今回は自民党の子ども政策について
見てみたいと思います。

といっても、いつものように、kirikoさんのエントリを
要約して紹介するだけですが。
(くわしい分析は、以下のエントリを熟読してくださいね。)

「自民党の子ども政策--選択と集中」
「子ども手当と扶養控除の比較--扶養控除は高所得者優遇」

 
自民党の政策はつぎのようになっています。
マニフェストの10ページ39節にある。)
・子ども手当には反対
・児童手当の拡充
・扶養控除・配偶者控除を継続
・3歳〜就学前の保育園・幼稚園の保育料無料化
マニフェスト2010版に明記)

これらを全部合わせた額をグラフにすると、こちらになります
控除なので、所得による依存がありますが、
配偶者控除があるので、専業主婦世帯か
そうでないかでも、支援の額がだいぶ異なってきます。
また子どもの年齢による依存もあります。

「自民党の子ども・家庭政策」

扶養控除と児童手当だけにすると、つぎのようになります
控除は所得が多いほど大きくなるので、
児童手当に所得制限があっても、
子どもが3歳以上になると、高所得者のほうが、
たくさんの支援を受けることになります。

「扶養控除+児童手当 年収階層別金額」

こうやって見てくると、自民党の家族支援政策は、
「高所得者」および、「専業主婦世帯」という、
特定のライフスタイル優遇が、はっきりわかるでしょう。
そして、その「選択と集中」の対象に、
「自民党らしさが表れている」と、わたしもつくづく思います。


民主党は子ども手当てだけなので、グラフを描くと
つぎのように、単純なグラフがひとつだけになります。
公平性を重視する民主党の特徴が、
グラフのシンプルさに如実に現われていると思います。
自民党のケースとまったく対照的だと思います。

「民主党の子ども・家庭政策」

posted by たんぽぽ at 23:08 | Comment(6) | TrackBack(0) | 家族・ジェンダー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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この記事へのコメント
「金持ち優遇」批判って、だんだん訴える力を失ってきているような気がするんです。

近年は逆に、

金持ち=社会的勝者はそれにみあう優遇をされて当然、
自らの才覚によって勝ち取った勝者のポジションなのだから

貧乏人=社会的敗者はそれなりの待遇しか受けられなくても仕方ない

のようなムードさえ、何となく漂い始めていると思いませんか。


今のところ、責任ある立場の人は、はっきりそう言いはしませんでしょう。
でも庶民的レベルでは「貧乏人」の間にさえそんな諦念がだんだん拡がりつつあるような?

Posted by pulin at 2010年07月05日 10:11
いつもコメント、ありがとうございます。

じつは、わたし、「金持ち優遇批判」は、
ヒダリのほうからしか聞かないので、
どのくらい説得力があるのか、わからなかったりします。

子ども手当ては子どもの権利のためだし、
配偶者控除の廃止は、専業主婦という、
特定のライフスタイル優遇の是正が、もともとの目的であって、
増税とか減税とは二次的なものだからね。

ヒダリ側の人たちが、子ども手当や配偶者控除を、
増税や減税の問題と読み替えて、「金持ち優遇を改めろ」とか
「貧困を解決しろ」とか、言ってきたんだと思います。


わたしの憶測になるけれど、「金持ち優遇批判」よりは、
「ライフスタイルの公平性」のほうが、
一般有権者の支持が得られるのではないかと思います。

テレビに出てくる経団連のおエライさん、
なんてのはなおさらだけど、年収1000万円以上の人だって、
身の回りには、ちょっと見当たらないでしょ?

そういう実感のわかない少数の人たちを叩くよりは、
専業主婦世帯とか、身近に結構いる人たちとのあいだの不公平を
なんとかしてほしいと考える人のほうが
多いのでは?という気が、わたしはします。
Posted by たんぽぽ at 2010年07月05日 20:14
子ども手当についてのこの記事は
子ども手当の思想の理解が良いと思います。
最後に法人税廃止の主張になっていくのがアレですけど(苦笑)
http://diamond.jp/articles/-/8669
Posted by さくら at 2010年07月07日 19:00
>http://diamond.jp/articles/-/8669

おおおお、
情報提供またまたありがとうございます。
あなたは、わたしのブログにおける、とても貴重なかたです。(笑)

========
(1) 子供の人数と年齢以外に条件を付けずに人を平等に扱う(単純で平等)、
(2) 負担と合わせて考えると低所得者に相対的に厚い富の再配分(貧者に優しい)、
(3) 官僚が権限や裁量を発揮したり、
官製の事業に予算を使いOBを喰わせたりする余地がない(脱官僚)、
(4) 使途は自由で政府は国民生活に介入しない(生活への不介入)、
========

(3)の脱官僚は、はじめて聞きました。
(民主党の政策は、みんなここに還元されるって感じだ。)
子ども手当てはお金をわたすだけなので、
官僚が入る余地のある、保育所の充実などより、
脱官僚的ということになるのですね。

よく言われる財源の確保のしかたも、触れられていますね。
(わたしは経済がわからないので、
書いてあることをそのまま信用するだけだけど)、
じつはいたって簡単で、ギリシャとちがって、
長期金利が安定していて低く、インフレもないので、
ふつうに国債を発行すればいい、というだけなのね。
Posted by たんぽぽ at 2010年07月07日 21:33
夫婦別姓にせよ、こういう問題にせよ、自民党はあんまり議論を深めていこうという態度ではなかったですよね。

政権交代からずっと、偽装献金だとか小沢だとかばかり言ってた。

もはや、野党転落不可避となった自民党は、とりあえず野党に下りておき、
分かりやすく叩ける部分で民主党政府を叩き、懸案だった普天間基地問題の決着は民主党に丸投げして責任回避、
民主党への不人気・失望が拡がったところで、やはり自民党、
といって復活する戦略だったようにも思われます。そしてかつて以上に盤石になる。

小泉元首相が、自民党はしばらく野党でいた方がいい、といったりしていたのもこのあたりの本音が漏れたのかも。

先の衆院選の時期も場当たり的な感じがしましたが、しっかりシナリオ通りだったのかもしれません。


長文失礼しました。
Posted by pulin at 2010年07月10日 13:51
pulinさま、
こちらにもコメントをくださってありがとうです。


下野してからの自民党の無策ぶりはすごかったですね。
民主党が「失策」を続けても、効果的な対案を
出していないですし、今度の選挙も目玉政策がないですからね。

子ども手当てとか、家族やジェンダーの政策は、
もとから「かけ声」だけだったけど、
本来自分たちの政策だった、普天間問題でさえ、
民主党をディスるだけで、無策ぶりをさらしましたし。
(ディスりかたがうまくて(?)、自民の無策が目立たなかったけど。)

こんな「万年野党体質」の政党が、
民法改正や外国人参政権に反対する右翼的政治団体に頼って、
選挙で「善戦」するのですからね。
このあたりに、日本国民の民度を感じて、
わたしは、いやな気分になってしまいます。


>小泉元首相が、自民党はしばらく野党でいた方がいい

じつは、これは、わたしも思ってます。
(小泉がどういうつもりで言ったかは、知らないけれど。)
あと7-8年は、政権を取ることなんて考えないで、
党内改革につとめたほうがいいと思いますよ。

自民党が嫌いな人でも「自民党はよくなるかも」と
思われるくらいにならないと、仮に政権を取っても、
国民のためにも、自民党のためにもよくないと思います。


>長文失礼しました

ああ、いえいえ。
遠慮なくいっぱい書いていってくださいね。
Posted by たんぽぽ at 2010年07月10日 22:57
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