お話してきましたが、今回は自民党の子ども政策について
見てみたいと思います。
といっても、いつものように、kirikoさんのエントリを
要約して紹介するだけですが。
(くわしい分析は、以下のエントリを熟読してくださいね。)
「自民党の子ども政策--選択と集中」
「子ども手当と扶養控除の比較--扶養控除は高所得者優遇」
自民党の政策はつぎのようになっています。
(マニフェストの10ページ39節にある。)
・子ども手当には反対
・児童手当の拡充
・扶養控除・配偶者控除を継続
・3歳〜就学前の保育園・幼稚園の保育料無料化
(マニフェスト2010版に明記)
これらを全部合わせた額をグラフにすると、こちらになります。
控除なので、所得による依存がありますが、
配偶者控除があるので、専業主婦世帯か
そうでないかでも、支援の額がだいぶ異なってきます。
また子どもの年齢による依存もあります。
「自民党の子ども・家庭政策」
扶養控除と児童手当だけにすると、つぎのようになります。
控除は所得が多いほど大きくなるので、
児童手当に所得制限があっても、
子どもが3歳以上になると、高所得者のほうが、
たくさんの支援を受けることになります。
「扶養控除+児童手当 年収階層別金額」
こうやって見てくると、自民党の家族支援政策は、
「高所得者」および、「専業主婦世帯」という、
特定のライフスタイル優遇が、はっきりわかるでしょう。
そして、その「選択と集中」の対象に、
「自民党らしさが表れている」と、わたしもつくづく思います。
民主党は子ども手当てだけなので、グラフを描くと
つぎのように、単純なグラフがひとつだけになります。
公平性を重視する民主党の特徴が、
グラフのシンプルさに如実に現われていると思います。
自民党のケースとまったく対照的だと思います。
「民主党の子ども・家庭政策」
近年は逆に、
金持ち=社会的勝者はそれにみあう優遇をされて当然、
自らの才覚によって勝ち取った勝者のポジションなのだから
貧乏人=社会的敗者はそれなりの待遇しか受けられなくても仕方ない
のようなムードさえ、何となく漂い始めていると思いませんか。
今のところ、責任ある立場の人は、はっきりそう言いはしませんでしょう。
でも庶民的レベルでは「貧乏人」の間にさえそんな諦念がだんだん拡がりつつあるような?
じつは、わたし、「金持ち優遇批判」は、
ヒダリのほうからしか聞かないので、
どのくらい説得力があるのか、わからなかったりします。
子ども手当ては子どもの権利のためだし、
配偶者控除の廃止は、専業主婦という、
特定のライフスタイル優遇の是正が、もともとの目的であって、
増税とか減税とは二次的なものだからね。
ヒダリ側の人たちが、子ども手当や配偶者控除を、
増税や減税の問題と読み替えて、「金持ち優遇を改めろ」とか
「貧困を解決しろ」とか、言ってきたんだと思います。
わたしの憶測になるけれど、「金持ち優遇批判」よりは、
「ライフスタイルの公平性」のほうが、
一般有権者の支持が得られるのではないかと思います。
テレビに出てくる経団連のおエライさん、
なんてのはなおさらだけど、年収1000万円以上の人だって、
身の回りには、ちょっと見当たらないでしょ?
そういう実感のわかない少数の人たちを叩くよりは、
専業主婦世帯とか、身近に結構いる人たちとのあいだの不公平を
なんとかしてほしいと考える人のほうが
多いのでは?という気が、わたしはします。
子ども手当の思想の理解が良いと思います。
最後に法人税廃止の主張になっていくのがアレですけど(苦笑)
http://diamond.jp/articles/-/8669
おおおお、
情報提供またまたありがとうございます。
あなたは、わたしのブログにおける、とても貴重なかたです。(笑)
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(1) 子供の人数と年齢以外に条件を付けずに人を平等に扱う(単純で平等)、
(2) 負担と合わせて考えると低所得者に相対的に厚い富の再配分(貧者に優しい)、
(3) 官僚が権限や裁量を発揮したり、
官製の事業に予算を使いOBを喰わせたりする余地がない(脱官僚)、
(4) 使途は自由で政府は国民生活に介入しない(生活への不介入)、
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(3)の脱官僚は、はじめて聞きました。
(民主党の政策は、みんなここに還元されるって感じだ。)
子ども手当てはお金をわたすだけなので、
官僚が入る余地のある、保育所の充実などより、
脱官僚的ということになるのですね。
よく言われる財源の確保のしかたも、触れられていますね。
(わたしは経済がわからないので、
書いてあることをそのまま信用するだけだけど)、
じつはいたって簡単で、ギリシャとちがって、
長期金利が安定していて低く、インフレもないので、
ふつうに国債を発行すればいい、というだけなのね。
政権交代からずっと、偽装献金だとか小沢だとかばかり言ってた。
もはや、野党転落不可避となった自民党は、とりあえず野党に下りておき、
分かりやすく叩ける部分で民主党政府を叩き、懸案だった普天間基地問題の決着は民主党に丸投げして責任回避、
民主党への不人気・失望が拡がったところで、やはり自民党、
といって復活する戦略だったようにも思われます。そしてかつて以上に盤石になる。
小泉元首相が、自民党はしばらく野党でいた方がいい、といったりしていたのもこのあたりの本音が漏れたのかも。
先の衆院選の時期も場当たり的な感じがしましたが、しっかりシナリオ通りだったのかもしれません。
長文失礼しました。
こちらにもコメントをくださってありがとうです。
下野してからの自民党の無策ぶりはすごかったですね。
民主党が「失策」を続けても、効果的な対案を
出していないですし、今度の選挙も目玉政策がないですからね。
子ども手当てとか、家族やジェンダーの政策は、
もとから「かけ声」だけだったけど、
本来自分たちの政策だった、普天間問題でさえ、
民主党をディスるだけで、無策ぶりをさらしましたし。
(ディスりかたがうまくて(?)、自民の無策が目立たなかったけど。)
こんな「万年野党体質」の政党が、
民法改正や外国人参政権に反対する右翼的政治団体に頼って、
選挙で「善戦」するのですからね。
このあたりに、日本国民の民度を感じて、
わたしは、いやな気分になってしまいます。
>小泉元首相が、自民党はしばらく野党でいた方がいい
じつは、これは、わたしも思ってます。
(小泉がどういうつもりで言ったかは、知らないけれど。)
あと7-8年は、政権を取ることなんて考えないで、
党内改革につとめたほうがいいと思いますよ。
自民党が嫌いな人でも「自民党はよくなるかも」と
思われるくらいにならないと、仮に政権を取っても、
国民のためにも、自民党のためにもよくないと思います。
>長文失礼しました
ああ、いえいえ。
遠慮なくいっぱい書いていってくださいね。