2010年07月14日

mar0006.gif婚外子差別が違憲に?

もしかすると明るくなるかもしれないニュース。
(すごい奥歯にもののはさまった言いかた...)

民法改正の課題のひとつである、婚外子の相続差別
(非嫡出子は嫡出子の半分が法定相続額)ですが、
これまでずっと「合憲」とされていたのでした。
ところがそれが見直され、「違憲」になる
可能性がある、というものです。

「非嫡出子相続格差で大法廷回付=民法規定「合憲」見直しも−最高裁」
「期待できるニュース」

 
時事の記事は短いので、全文写しておきます。
子どもがふたりいて、ひとりが非嫡出子、
もうひとりが嫡出子で、遺産相続のとき、
はっきり差を付けられたというケースです。

結婚していない男女の間に生まれた「非嫡出子」の
遺産相続分を嫡出子の半分とした民法の規定は、
憲法に違反するかが争点となった裁判で、
最高裁第3小法廷(那須弘平裁判長)は7日付で、
審理を大法廷(裁判長・竹崎博允長官)に回付した。
規定を合憲とした最高裁判例が見直される可能性も出てきた。

大法廷は1995年、規定について「合理的な根拠があり、
理由のない差別には当たらない」として合憲と初判断したが、
15裁判官中5人は違憲としていた。
その後、小法廷での5件の判決などでも合憲判断が維持されたが、
いずれも違憲との反対意見が付いた。

今回の裁判で争われたのは、2002年に亡くなった
和歌山市の女性らの遺産相続。
女性の嫡出子である娘が全体の3分の2を、
非嫡出子の息子が3分の1を相続したのに対し、
息子側は平等な分配を求めたが一、二審で退けられ、特別抗告していた。


「違憲判決をするとき」「憲法上の判断についての
判例を変更するとき」は、かならず大法廷で裁判されます。
婚外子の相続差別の件が、大法廷に回付された、
ということは、これまでの合憲判決が見直され、
違憲に変更される可能性がある、ということです。

違憲の立場の裁判官が多くなったのでしょうか?
こちらのコメント(2010年07月11日 17:08)を見るかぎり
憶測が入り混じって、いささか微妙となっています。

6月に子どもの権利条約の審査がありましたが、
日本の婚外子差別も、当然取りざたされたのでした。
その影響もあったのかもしれないです。

まだ、楽観はできなさそうですが、
違憲判決が出れば、民法改正へむけて、
まがりなりにも、はずみになることと思います。


謝辞:
このエントリは、さくらさまのこちらのエントリ
および、こちらでいただいたコメントを参考にしました。
情報提供およびくわしい解説、ありがとうございます。

posted by たんぽぽ at 23:38 | Comment(6) | TrackBack(0) | 民法改正一般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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この記事へのコメント
どういたしまして。
よさそうな情報を見つけたら、とりあえず報告
が、習慣になっています(笑)

確か朝日新聞のネット記事に
この事案の相続関係が図になっていました。
母から子へだけでなく、兄弟間の相続もあったみたいです。
全兄弟と半兄弟でも相続分が違うんですよ。
(これは仕方ないかなと思いますが)
Posted by さくら at 2010年07月15日 09:25
さくらさま

>よさそうな情報を見つけたら、とりあえず報告
>が、習慣になっています(笑)

それはとてもよい習慣です。(笑)
今後とも、よろしくお願いいたしますね。


>確か朝日新聞のネット記事

見つけた。これですね。
http://megalodon.jp/2010-0710-2309-01/www.asahi.com/national/update/0709/TKY201007090437.html

嫡出の息子さんがいて、そのかたが亡くなったとき、
嫡出の女性と非嫡出の男性とで、
遺産相続額に差があったのですね。

でもって、その朝日の記事のブックマークを見たらですね、
千葉法相は目立たないところで活躍している、
という主旨のコメントが、いくつかついていました。
(ほほ〜って、わたしは思ったよ。)
http://b.hatena.ne.jp/entry/www.asahi.com/national/update/0709/TKY201007090437.html
Posted by たんぽぽ at 2010年07月15日 23:39
最高裁での違憲の判決を期待しています。

これはうわさとして聞いた話で、真偽のほどはわからないんだけど。

95年の婚外子の相続差別の合憲判決のとき、最高裁は、しばらくしたら国会で900条4号但し書きが改正されるだろうと思っていて、とりあえず合憲で判決を出したが、国会はいつまでも法改正をしなかった。その間日本政府と最高裁判所は国連の各人権条約の審議機関から激しい批判を受け続けている。最高裁は国会での法改正のめどが立たないなら、合憲判決の再検討も必要になるかもしれないと考え始めている。

というものだった。

何度も書くが、あくまでうわさだけどね。


日本は婚外子の人権についてきわめて特異な考え方をする国だし、婚外子差別反対運動の運動団体が掲げていた理論も世界各国の標準的な意見から見たら特異なものだった。また、何年も前の、民法改正ネットの行動も、婚外子差別は合理的差別という考えがそのベースにあったと思う。

だが、最高裁が「自分たちは婚外子を差別する事は正しいと思います」といっちゃあ、世界から信用されなくなるよね。


日本じゃどういうわけか報道されなかったが、最高裁判所の人たちは、国連の各人権委員会の日本政府と最高裁判所に対する勧告を知っているはずだしね。
Posted by 遠い人 at 2010年07月21日 01:37
遠い人さま、こんにちは。

お目見えにならないので、どうしたのかな?と
ちょっと思っておりましたよ。

>最高裁での違憲の判決を期待しています

わたしも、期待しています。

というか、この手の話題は、期待させるだけで、
いつも「空振り」に終わっていますからね。
このあたりで、いいかげん朗報を聞かせてほしいものです。


子どもの権利条約の審査で、
日本側の回答は、「法律婚主義を採っているから、
法律婚内と婚外の子を区別するのは妥当で、
婚外子差別でない」というものでした。
これは、最高裁判所が合憲判決をくだした理由と、
おなじものだったと思います。

子どもの権利委員から、この理由が認められず、
「婚外子の相続差別をなくせ」という見解が
またしてもくだったので、さすがにもうこれで合憲とは
言えないと、思ったのかもしれないですね。


前回審査はいつだったかというと、2001年ですね。
(ずいぶん前だったんだ。)

国際的には、すでに時代遅れの感も
あったのかもしれないけど、国内的には条約の不履行が、
それほど批判されてなかったと思うので、
それでわりあいのんびりしていたのでしょうか。
Posted by たんぽぽ at 2010年07月21日 22:33
95年の合憲判決のときは、明らかに違憲判決を出したくなかったというのが理由だよね。

だがこの姿勢というのは、最高裁という立場や責任を自ら放棄したものでしかない。

くわえて近代法の原則として、「法による処罰は故意または過失により法を犯したものに対し与えられる」というのがある。民法900条4号但し書きは明らかにこの精神に反しているし、この法律の存在が他の差別の根拠になっている。

合憲の判決を出しても、内心忸怩たるものがあったと思うよ。

その証拠にこれ以降出された最高裁の判決も全員一致の合憲判決とならなかったでしょ。通常、判決はそれまで出された判決と同じような判決を出す事で、判事が異なっても、同じような訴訟に対し同じような判決が出され、それによって原告や被告の平等を図っている。合憲の判例があるにもかかわらず、違憲の意見を添える裁判官が後を絶たなかったというのはとても異常なことだったんだよ。

なお、下級審が合憲判決を出すのは、さっさと上級審送りにするためだからこれはちょっと意味が違う。

今回の大法廷は、いやがうえにも期待してしまうし、またがっかりする内容の判決だったらと思うと期待するのが怖いし。

うーん。
困った!
Posted by 遠い人 at 2010年07月23日 01:40
遠い人さま、
またまたコメントありがとうです

最高裁判決は、合憲が違憲をかろうじて
過半数に達していて、合憲としたひとりが注釈をつける、
という、きわどい膠着状態だったのでしたね。

これが、婚外子の相続差別を違憲とすることに
一定の理解があることの根拠とされますね。


ブックマークを見たら、「司法試験の論述答案でも
違憲判断がデフォ」というコメントがありますね。
http://b.hatena.ne.jp/entry/www.asahi.com/national/update/0709/TKY201007090437.html

すでに違憲とするのが「常識的判断」で、
いまだに合憲判決が出る最高裁が
とくに遅れている、ということなんでしょうね。


>今回の大法廷は、いやがうえにも期待してしまうし、
>またがっかりする内容の判決だったらと思うと期待するのが怖いし

ここは続報を待つことになると思います。
なにか情報を見つけたら、教えてくださいね。
Posted by たんぽぽ at 2010年07月24日 13:30
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