7月11日の参院選の結果、民主党の敗因について、
あちこちのブログで分析がなされています。
そろそろ一段落ついたところでしょうか。
たんぽぽ、お前はなにか言うことはないのかと、
これをご覧のかたは、思っているかもしれないです。
というわけで、わたしも、自分なりに思ったことを、
書きとめておくことにします。
(「分析」なんて立派なものではなく、単なる「雑感」だけど。)
政権が鳩山から菅に変わったとき、
「旧来の民主党にもどりそうだ」と言われたのを、
覚えているかたもいると思います。
旧来の民主党(2006年3月以前)というのは、
どんな様子だったのかというと、
政策を語るのが好きな議員が多かったのでした。
これは、政策は官僚まかせだった自民党に対する、
反省と批判から来ているのもあります。
とにかく、「政策おたく」と言われるくらいで、
それまで閑古鳥が鳴いていた、衆院と参院の法制局が、
使いこまれるようになったのも、
民主党の政策好き議員が登場してからです。
これらの議員は、地味な選挙活動は得意ではなく、
(郵政選挙の大量落選で、いちおうは克服に向かいますが)、
それでも風まかせの選挙に走りやすい傾向があります。
2003年の民由合併以降、民主党に入ってきた、
小沢一郎氏とその周辺の人たちは、
選挙区の有権者のところを、1件1件まわって
支持基盤を堅めるという、地味な選挙活動に強いのは、
これをご覧のみなさんも、よくご存知と思います。
そのかわり、「小沢のとりまき」なんて、
よく揶揄や批判をされるように、議員の力量としては、
いろいろと難がある人たちが多いわけです。
「小鳩体制」では、もともとトップダウン的な
組織体質にいた、小沢一郎氏が党執行部についたので、
「政策おたく」な議員の自由は政策立案行動が、
抑え込まれたことが、不満を買ったのでした。
その具体的なものとして、政策調査会の廃止と、
議員立法の原則禁止があるわけです。
法案を政府提出にこだわったので、
民法改正と外国人参政権が、閣議決定できず頓挫したし、
300日規定の改正法案も、議員立法できなかったのは、
これまでにも何度かお話したと思います。
このあたり、つぎのエントリにも、すこし書かれています。
http://mewrun7.exblog.jp/12948069
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今回、菅政権が、「脱・小沢路線」に傾いた
最大の理由は、小沢氏の方が「菅外し」や
「脱・旧民主党路線」のような施策を行なったため、
旧民主党の議員たちの不満やストレスが高じていた
ということがあると思うのだけど・・・。
<旧・民主党=結党から沢自由党合併前 or
小沢氏が代表になる前の民主党>
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菅政権になって、執行部が入れ代わったのを見て
「旧来の民主党」にもどって、議員立法で
民法改正法案提出の可能性も大きくなったと、
わたしは、よろこんだのでした。
それと同時に、選挙に強い小沢氏と、
その周辺の人たちが、要職から離れたので、
参院選はだいじょうぶかなという、
一抹の不安もあったのでした。
選挙の結果は、予想以上の大敗だったわけです。
政策の立案は「旧来の民主党」的な人たちが主導し、
選挙は小沢氏とその周辺が主導するよう、
うまく組み合わさればよいのでしょう。
政権交代から参院選までのあいだは、
両方の悪いところが出てしまったようです。
付記:
これを見たかぎり、選対から小沢氏に近い人たちを、
それほど遠ざけたのではないようだ。
http://mewrun7.exblog.jp/12953438/
どのあたりに問題含みだったのか、
わたしなりに思うところもなくはないです。
しかし、民主党の内情について、くわしいことは
わからないので、これ以上は述べないことにします。
2010年07月20日
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Weblog: 日本がアブナイ!
Tracked: 2010-07-23 13:47
政治の世界はますます混沌としてきて,よく理解できないし,予測もしづらい状況になっていますね.
最近注目しているのは野中広務氏の発言です.鳩山さんと小沢さんがやめたのは米国の意向だとか.しょせんその程度の「政府」なのかと,がっかりです.
確実に勝ちをもぎ取ったとかいろいろあるでしょうが、
政権交代しても、何か特別に変わりもしないし、景気などもよくなってはいない
という民主党政権に対する「飽き」「失望」もあるのでしょう。
そもそも政権交代して一年足らずで顕著な変化などは期待できないわけですが、
こうなってくると、先の解散総選挙の時期というのは、
どうやらこの参院選をにらんで設定されたのではないかという気もしますよ。
こんどはTBが送れましたよ。
>政治の世界はますます混沌としてきて
民主党が対峙しているのは、
さまざまな方面の既得権益層ですからね。
政策を実行すれば、あちこちから激しい抵抗にあって、
政権運営が混沌とするのは、ある程度は
やむをえないのかもしれないです。
>最近注目しているのは野中広務氏の発言です
これは寡聞にして、はじめて聞きました。
くわしいことをご存知でしょうか?
もしそうでしたら、お話していただけたらと思います。
>先の解散総選挙の時期というのは、
>どうやらこの参院選をにらんで設定されたのではないか
これは深読みのしすぎじゃないかなと思いますよ。
昨年の総選挙の時期は、麻生ができるかぎり自分の政権を、
長くしたかったからだろうと思います。
総選挙のころはなおさらだけど、今年に入っても、
さきの参院選は、民主党が有利と思ってましたからね。
民主党が大敗しそうとわかったのは、
選挙期間に入ってからなので、かなり前から
これを見越して画策するのは、無理だろうと思います。