2010年07月26日

toujyouka016.jpg 納得しない反対派

よいエントリを見つけましたよ。
反対派と議論になったときの、ひとつのパターンについて
述べているのですが、とてもよい洞察だと、わたしは思います。

「議論の方法」

 
このエントリでは、賛成と反対の主張を、
おおむねつぎのようだと類別します。
http://yukinko629.blog7.fc2.com/blog-entry-198.html
========
賛成派の主張というのをざっくり言うと、
1-1夫婦が強制的に同姓にすることによる不便を、
多くの場合女性が被っている
1-2夫婦別姓は強制ではなく選択の問題であり、
同姓がよければそうすればよい

反対派の主張は、
2-1現状でも通称使用などで対応できるし、
メリットがないので制度の改正の必要はない。
2-2家族の絆が崩壊する
========

そして、賛成派と、2-1の主張を展開する反対派とで
議論になったときのパターンは、つぎのようだと見ています。
========
私が興味を持っているのは、1-1、1-2と2-1のすれ違いっぷり。

2-1のような主張をしているわりには、
どれだけ「不便がこんなにある!」といっても、納得する様子がない。
どれだけのケースを積み重ねればその人が納得するのか
というラインが、どこにあるのか私には見えないのです。
========

よく観察していらっしゃると思います。
(まったくそうだと思いますよ。)
ようするに「ライン」なんて、どこにもないのでしょうね。
いくら事実や根拠をしめしても、反対派というのは、
絶対に納得しないのだと思います。


このように、「反対派は説得不可能」と判断することは、
一見なんでもないように思うかもしれないです。
ところがじつは、なかなかむずかしいことだったりします。

たいていのかた(とくに選択別姓を推進派のかた)は、
「反対派といえども話せばわかる」とするのが、
「寛容」で「異質な人を尊重している」と考えて、
彼らが説得不能な存在とは、思いたがらないからです。

わたしなんて、「反対派は頑迷きわまりない」と
主張し続けたおかげで、選択別姓の市民団体の人たちから
「不寛容だ」とずいぶんと叩かれたものです。


エントリの作者は、反対派が納得しない理由を、
「結局自分の問題ではないから関心がないだけ」
「自分の利害に関係ないから、変えるのめんどくさいから、
今のままでいいじゃん、という態度」と見ています。

わたしは、このあたりは、もっといじわるです。
反対派たちは、「はじめに結論ありき」で、
どんな根拠や事実をしめされても、
積極的に納得しようとしないのだと考えているからです。

反対派たちは「通称使用でじゅうぶん」と言いますが、
通称使用の実態がどうなっているのか、
彼らが調査したというお話はないです。
また、通称使用の法案を提出できるかたちで
しめされた様子もないみたいです。

反対派たちは、苗字の不都合に直面している人たちと、
本気で向き合うつもりがなく、「これでじゅうぶん」と、
独りよがりに納得したいだけなのかもしれないです。
あるいは、いつまでも納得しないことで、
議論を無限に引き延ばして、時間稼ぎをしたいのでしょう。


関連コンテンツ:

「反対派と議論すると...」
「まぼろしの通称法案」
「反対派は譲歩を受け入れるか?」

posted by たんぽぽ at 22:19 | Comment(4) | TrackBack(0) | 民法改正一般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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この記事へのコメント
>ラインがない
DVやモラルハラスメントの加害者みたい。
Posted by さくら at 2010年07月28日 15:48
コメントありがとうです。

>DVやモラルハラスメントの加害者みたい

そういえばそうかも。

どんな不都合があっても、別姓を選んだ人の自己責任とか、
別姓を選んだのが悪いといった、
「落ち度論」を言い出すことがありますし、
図式はおなじかもしれないです。
Posted by たんぽぽ at 2010年07月28日 23:17
色いろとあるのかもしれませんが、少なくとも「議論をすること」が目的の大半であることは間違いないでしょう。勿論、前提として「自分が圧倒的に有利である(多数派だし、法を守る正義の人だし)」と信じて疑っていないんだと思います。

かの人の↓な発言にも、それを強く感じました。

>推進派が幸福追求権をだすのであれば、反対派は公共の福祉を出しています。判例がないのであれば、この時点ではただの水掛け論になるので、意味はないと思います。

要はかの人が、あそこでのコメントのやり取りをカードゲームのように捉えていることが良く分かります。しかも「賛成派が〜出すのであれば」に対して、「反対派は〜出しています。」と、あえて時制が一致していない発言をすることで、すでにこちらがその関連のカードを切っていると言わんばかり。「今更、そのカードを出しても遅い。」と言いたいのでしょうね。

しかもこの問題に関する「幸福追求権」と「公共の福祉」とでは、どちらが勝つか自分でも自信が無いので、「ただの水掛け論になるので、意味はない」から今後はこれを出しても勝負は付きませんよ(だから出すな)と言っています。

おかしいよね?

少なくとも私は、個人の氏名をその人の同意無く変えさせることは、れっきとした人権侵害で、憲法違反だと思っています。で、かの人が「何故、法律を変えなければいけないのですか?」としつこく聞くから、私なりのその考えを繰り返し言っているのに、「それはこうこうで間違っている。」とは言うならまだしも、「そのカードを使っても勝敗は決しないので使うな。」とおっしゃる訳だ。(権威論証発言につきましては、既にさくらさんに粉砕して頂いたので、触れません。)

は?あんたが聞きたいつったんだろうが??
って、頭にきたから私は今回、熊を出した次第です。

>「反対派といえども話せばわかる」とするのが、
「寛容」で「異質な人を尊重している」と考えて、
彼らが説得不能な存在とは、思いたがらないからです。

うぅ〜ん、キリストさんやガンジーさんならいざ知らず、ちょっと正攻法過ぎる気がしますね。
確かに「伏魔殿」みたいなところにも、単に「良く分からないけど反対かなぁ。」ぐらいの人がいたりするし、そういう人にはきちんと話せば理解して頂けそうなんですが、なんせその周りに「聞く耳持たない論破したがり君」がうじゃうじゃいたりするのでね。
Posted by ニャオ樹・ワタナベ at 2010年11月14日 22:55
いっぱいコメントありがとうです。

>カードゲームのように

やはり議論歴の長い人で、おおむかしの選択別姓の
掲示板の議論を知っている人だろうと、わたしは思いましたよ。
このページにちょっとだけ様子を書いたんだけど、
(リンクしている掲示板のログは残ってない)
当時の反対派も議論をゲームにしている感じでした。
http://lacrima09.web.fc2.com/teardrops/against/paranoia.html

「公共の福祉」も、当時の議論に出てきましたよ。
(結局反論されて終わっていたんじゃなかったかな?)
同姓を強制しないと、どういう「公共の福祉」に反するのか、
ぜんぜんわからないんだけどね。
(「家族解体」とか「国家解体」だと言うのなら、
それらは反論ずみの反対派の妄想ですし。)

>「ただの水掛け論になるので、意味はない」

まともに議論すると「負ける」とわかっているのでしょう。
「公共の福祉」に「意味はない」なら、
そんなのははじめから反対の根拠では、
なかったんじゃないのかと、わたしは思います。


>ちょっと正攻法過ぎる気がしますね

このようになります。(悲)
http://lacrima09.web.fc2.com/teardrops/against/vindication.html

「良く分からないけど反対かなぁ」の人の理解を得るには、
「聞く耳持たない論破したがり君」を徹底的にやっつけて、
その「とんでも」ぶりが、だれの目にも
よくわかるようにすることだと思います。
Posted by たんぽぽ at 2010年11月15日 22:43
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