今後も議論される可能性があるので、お話したいと思います。
高校無償化のことです。
「高校「無償化」の意味するもの」
「「高校無償化」、結局どうなったの」
「「高校無償化」の具体的中身は」
「私立高校も一部世帯は無償化 広がる各地の動き」
「公立高校無償化・高等学校等就学支援金」
「厳しい経済情勢のなか高校無償化法案の意義を強調」
「高校無償化」とは、公立高校に対しては、
これまでの授業料、11.88万円を無償とするものです。
私立高校に対しては、授業料のうち11.88万円から
23.76万円(低所得者ほど高額)を補助します。
これにより、私立高校に通われる生徒さんも、
すくなくとも公立と同額の補助を受けられ、
とくに低所得者に関しては、公立との格差を
すこし縮めることになります。
また、いままでは、自治体が独自の財源で、
それぞれ制度を設けて、私立高校の生徒さんや、
低所得者のために、補助をしていたのでした。
今後は、国が授業料を負担することで、
自治体のこうした負担が軽減されることになります。
無償化されるのは、授業料だけですし、
それ以外にもお金はかかりますから、
まだまだ各家庭の負担は大きいものがあります。
低所得者を対象に「給付型奨学金」の導入が
検討されていますが、予算がつかず実現はしていません。
しかし、各自治体が、高校無償化にともなって、
軽減された負担を当てるなどして、
私立高校の無償化や、低所得者むけの支援、
授業料以外の補助などを導入しています。
自治体ごとに差がありますが、全体的に支援を拡充する
方向にあるのは、このましいと言えるでしょう。
「私立高校も一部世帯は無償化 広がる各地の動き」
「高校無償化」は、「子ども手当て」とおなじく
単に各家庭の経済的負担を軽減するだけでなく、
教育の理念にまで、かかわってくるものだと言えます。
学校教育を無償にするのは、日本が批准している
国連人権A規約の13条で定められています。
初等教育は小学校、中等教育は中学と高校で、
高等教育は大学ですが、高校無償化の導入で、
ようやく2項の(b)までクリアできたことになります。
http://www.mofa.go.jp/Mofaj/Gaiko/kiyaku/2b_004.html
第十三条
2 この規約の締約国は、1の権利の完全な実現を
達成するため、次のことを認める。
(a) 初等教育は、義務的なものとし、
すべての者に対して無償のものとすること。
(b) 種々の形態の中等教育(技術的及び職業的中等教育を含む。)は、
すべての適当な方法により、特に、無償教育の漸進的な導入により、
一般的に利用可能であり、かつ、すべての者に対して
機会が与えられるものとすること。
(c) 高等教育は、すべての適当な方法により、
特に、無償教育の漸進的な導入により、能力に応じ、
すべての者に対して均等に機会が与えられるものとすること。
高校の無償化は、例によって世界の多くの国で
すでに実現していることです。
(OECD加盟30か国のうち26か国で導入。)
日本はようやく世界標準に、追い付いたことになります。
「OECD加盟国の大学・高校の授業料無料化と給付制奨学金の有無」