2010年09月04日

toujyouka016.jpg 死ぬまでに夫婦別姓を

これもすこし前ですが、夫婦別姓の記事です。
ほかでは、あまり聞かないことも書かれているので、
ご紹介したいと思います。

「憤懣本舗「死ぬまでに夫婦別姓を」」


記事で紹介されているかたは、
ついに金婚式をむかえたという75歳の女性です。
タイトルにあるとおり、死ぬ前に、
自分の苗字を取り戻したいと切望しています。

夫婦別姓というと、20-30代くらいのかたが
望んでいる、というイメージがあると思いますが、
高齢のかたでも、こうして望んでいるかたも
いらっしゃる、というお話です。

苗字へのこだわりは、ひとりっ子ゆえ、
自分が姓を引き継ぎたい、というものです。
それとアイデンティティですね。
http://ez.mbs.jp/tv/voice/special/20100802_29788.html
========
早くに父を失い、幼くして2人の姉も病死、
一人娘となった協子さんは母親から「塚本」の姓は
ずっと受け継いでほしいといわれ続けてきました。

「母親が死んだら私は絶対『塚本協子』だって
いう思いがよけいに強くなったんです。
自分自身で心の底から望んでいるとわかったんです」
========


記事のはじめのほうには、
表札がふたつ並んでいる写真が出ています。
実害なんて、ぜんぜんないのに、
反対派がごちゃごちゃ難癖をつけるところですね。

苗字を守るための具体的なアクションとして、
最初の子どもが産まれてまもなく、離婚届けを出しています。
いわゆる「ペーパー離婚」というものです。

でもこの時代に、夫君はよく理解したと思います。
かなり柔軟な思考ができるかたなのでしょう。
いまでも、書類だけの離婚なのに、猛烈に抵抗を
しめす男性は、結構見受けられるからです。


反対派として、宮司の意見が紹介されています。
神社が反対していることは、よく知られていますが、
実際に神社関係者に意見を訊くのは、
めずらしいかもしれないです。
内容は、女は男に守られるべきという差別的考えと、
ありきたりの「子どもがかわいそう」論です。

ところが、母から苗字を継いでほしいと言われ、
「墓へお参りすると家族のことが思い出されて
涙がで」るとおっしゃるのですから、
「家に伝わることを代々伝えていく気持ち」は
あることになります。

宮司氏の考えは、空論にすぎないことが、
しめされていると言えるでしょう。
(そう言いたくて、こういう文章の構成に
したのかもしれないです。)


この塚本協子さん、選択別姓の実現を
待ち続けた長さは、半世紀にもなるわけですが、
今国会も実現せずじまいで、
さらに待たされることになったのでした。
(記事に出てくる決起集会は、3月3日のもののようです。)

民法改正を待ちつづけ、実現しないうちに、
亡くなったかたもいると聞いています。
塚本さんの生きているあいだに、
民法改正は実現するでしょうか?

posted by たんぽぽ at 17:59 | Comment(10) | TrackBack(0) | 民法改正一般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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この記事へのコメント
むしろ、夫婦別姓なんて古臭い(失礼)話、
気にされてるのは、過去フェミニストの洗礼を受けた、
現代既にもういい年齢の方々なのでは?

30代の私の周りでも聞きませんし、
20代で結婚してる皆さんなんて、
姓ではなく姓名の名の方に非常に拘りあるようですが(笑)
Posted by 名無し at 2010年09月04日 20:27
名無しさま

ハンドルは、不特定多数を連想させるものではなく、
ユニークなものをお願いいたします。
それから、簡単に自己紹介もしてほしいです。

>過去フェミニストの洗礼を受けた

「過去フェミニスト」というのは、
いつごろの、どのような内容のものでしょうか?
くわしいことを具体的にお願いされたいと思います。
Posted by たんぽぽ at 2010年09月04日 23:05
そういえば、野田聖子氏が体外受精で出産するという件について、やはり、そんな状況(体外受精・高齢出産・野田氏は事実婚)で産まれてくる子供がかわいそう、野田氏は自分の主義主張のツケを子供に回そうとしている、などの批判が多く見られますが、将来自民党総裁候補とも目されている野田氏でも(野田氏だから?)そんな言われようをするんだなあ、と思いました。
Posted by pulin at 2010年09月05日 04:18
周りに別姓希望の人がいない、という方がいることは容易に理解できます。だいたい、似たような考えの方同士で仲良くなることが多いと思いますので。
でも、逆に、別姓希望の人がまわりにたくさんいる人もいるのです。

私は医師ですが、「別姓が認められていれば」と愚痴りながら泣く泣く姓を変える女性医師は結構いますよ。
逆に、看護師さんで「結婚に際して姓を変えたくない」と言う人には会ったことがありません。
Posted by しまあじ at 2010年09月05日 17:56
 たんぽぽさん、しまあじさん、こんにちは。
 私も医師で事実婚中ですが、私の周りには看護師さんでも「姓を変えたくない」と言っている人がいますよ。姓を変えたくないけれども、事実婚を親しい人たちに認めてもらえないので、泣く泣く変えるのだと言っていました。また、「本当は変えたくなかった」という看護師さんもいます。
 医師では私以外にも事実婚の前例がありますが、看護師さんで事実婚している人にはまだ出会ったことはありません。
Posted by さわ at 2010年09月05日 21:40
わーい、きょうはコメントがいっぱいだー。
すぐには全部にレスができないです、あしからず。
(ということで、いまはこのエントリだけ。)


pulinさま

>将来自民党総裁候補とも目されている野田氏でも(野田氏だから?)

この手のアジは、ある程度以上影響力のある政治家なら、
だれでも言われるのではないかな?

野田氏の主義主張が気に入らない人、
あるいは、事実婚や体外受精が気に入らない人は、
むしろ総裁候補と目されている人物だから、
「政治問題」になることを警戒して叩くのだと思います。

本気で、子どもがかわいそうとか、「主義主張のツケ」が
子どもに回るのがよくないと考えるなら、
子どもがかわいそうになったり、つけが回ったりしないよう、
法律や制度を変えることに、賛成するべきなんだけどね。
Posted by たんぽぽ at 2010年09月06日 00:31
しまあじさま、おひさしぶりです。

>だいたい、似たような考えの方同士で
>仲良くなることが多いと思いますので

ははは...

「まわりも自分とおなじ」というのは結構事実で、
案外そういうことなのかもしれないですね。

(もっとも、「まわりにいない」のほうは、
別姓を希望していてもそれを隠すので、
いないように見える、ということもありえるけど。)

わたしのまわりも、別姓を希望しているかたは、
それなりにいるほうです(だと思います)。
やはり似たものどうしで、集まっているみたいですね。


それから、職業上の理由で別姓が必要な状況だと、
おなじ職場にいる人たちが、
みんな希望していることもありそうですね。

お医者さまは、国家資格がいりますし、
資格はいまだに戸籍の苗字しか認めず、
通称が認められないので、別姓を希望する人も
おのずと多くなると思います。
Posted by たんぽぽ at 2010年09月06日 00:35
さわさま、おひさしぶりです

>私も医師で事実婚中ですが

あら、ご同業のかた、いっぱいいらっしゃりそうですね。
(わたしは、お医者ではないけど。)


>私の周りには看護師さんでも
>医師では私以外にも事実婚の前例が

なるほどねえ...(ちょっと興味深いです。)

さわさまのまわりの看護師さんと、
しまあじさまのまわりのお医者さんが、
別姓に関してほぼおなじ状況というわけですね。

どこでも状況はおなじ、ということはなく、
場所によって状況の違いは、あるみたいですね。
(これも、似たものどうしで集まるという
傾向の反映でもあるのかな?)

それで、さわさまのまわりのお医者さんは、
事実婚を選ぶかたが多くなっているのね。
看護師さんでも、事実婚のかたがいる、
というところも、どこかにあるかもしれないですね。
Posted by たんぽぽ at 2010年09月06日 00:37
 たんぽぽさん、コメントありがとうございました。少し補足です。
医師でも、事実婚の割合は多くはありません。
私の他に、同じ病院で二組知っているだけです。
三組とも、法律婚していないということは周りにあまり知られていないようです。
 通称使用(いずれも女性)の医師は、私が知っているだけで3人います。
 看護師さんの事実婚の事例が見つかりにくい要因はいくつか私見がありますが、確かに日本のどこかにはいらっしゃるのかもしれませんね。
Posted by さわ at 2010年09月07日 13:16
さわさま
またコメント、ありがとうございます。

>私の他に、同じ病院で二組知っているだけです。
>通称使用(いずれも女性)の医師は、私が知っているだけで3人います

事実婚のかたが3組あれば、結構多いほう
なのではないかな?と、わたしは思いますよ。

通称使用のかたを合わせれば、夫婦別姓のかたが
6組いらっしゃるわけだけど、わたしのまわりより多いですよ。
(前のコメントで、「それなりにいるほうです」なんて、
わたしは書いていたけれど。)

職場の規模もあるのかもしれないけれど、
どれくらいで「多い」と思っているかも、
人によるのかもしれないですね。(苦笑)
Posted by たんぽぽ at 2010年09月07日 22:51
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