9月1日なので、もうすこし過ぎていますが、
民主党の代表選の告示が出ました。選挙は9月14日です。
いまさら言うまでもないですが、候補に立っているのは、
現首相の菅直人氏と、小沢一郎氏です。
「民主党代表選 2010」
「民主党代表選について。」
たんぽぽ、お前はなにか言うことがないのか?と、
お思いのかたも、これをご覧の中にはいるでしょう。
そこで、わたしの考えていることを、お話したいと思います。
民主党代表選の争点は、つぎのようなものです。
(政策の内容を争うのではないですよ。)
http://plaza.rakuten.co.jp/kingofartscentre/diary/201009040000/
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衆院選マニフェストの政策を、財源を確保しながら
順次実現していくか(菅首相)、
財政の抜本的組み替えによる「満額回答」で実現するか(小沢氏)
という、政策実現の方法論である。
菅首相の官僚と協調的な政権運営は、
自民党政権時代とさほど変わらない「現実路線」である。
一方、小沢氏による国家財政も抜本的な組みかえは、
過去どの内閣もできなかったことだ。
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あるいは、こちらのエントリによると、
菅政権派は「マニフェスト修正路線」と、
小沢派は「マニフェスト原理主義」となっています。
菅首相派=「修正路線」=「官僚主導の大幅容認」
小沢派=「原理主義」=「官僚主導からの原則脱却」
と考えてよいだろうと思います。
「原理主義」というとことばが悪いですが、
「官僚主導の容認か脱却か」が争点ということです。
「修正路線」の人たちは、実際に政権を運営して
現実の壁があることがわかったと言います。
この「現実」とは、まことに失礼な言いかたをすれば、
「官僚機構に太刀打ちできず、屈するはめになった」
ということだろうと思います。
具体的な政策を例に出すと、「子ども手当て」の場合、
「これは官僚が嫌いな政策だけど、必要なものだし、
あえて財源を使って満額支給をめざそう」
というのが「原理主義」と考えてよいでしょう。
これに対して、「財務省も予算を出さないことだし、
官僚が気に入るよう、一部をクーポンにかえたり、
保育所を建てるとかに、振り替えようではないか」
というのが「修正路線」と考えてよいでしょう。
前にもお話しましたが、7月11日の参院選で、
民主党がまさかの大敗を喫したのは、
官僚主導から脱却できないと、失望されたことによります。
敗因がこのようであるにもかかわらず、
菅政権は方針を抜本的にはあらためないようで、
「修正路線」の強化に走っていくようです。
たとえば、国家戦略局の事実上の断念があります。
本質的なのは、「国家戦略局」から、
予算編成の機能を外したことです。
これにより、財務省と対決する組織がなくなるわけで、
官僚主導からの脱却をめざす拠点を、
設けることをあきらめることを意味します。
このほかにも、「経済財政諮問会議」を
はっきりしない理由で廃止したり、「特別枠」という
不可解な予算編成システムを導入するなど、
政治主導を断念し、官僚主導を維持するつもりだと
思われることが、いくつもあります。
しかもこれらは不透明で、民主党の貴重な政治文化である、
「情報公開」「説明責任」と相反するものです。
菅支持の1年生議員から、菅政権への要望が出されています。
参院選の敗因分析をはじめ、国家戦略局の設置など、
官僚主導から政治主導への移行を主張していて、
これらは、わたしも納得できるのですが、
菅政権がどれだけ実行するかはとても疑問です。
こんどの民主党代表選は、じつは日本の今後の
命運を決める、重要な意義があるのではないかと、
予感しているかたもいると思います。
つぎのエントリの最後を引用しておきます。
http://plaza.rakuten.co.jp/kingofartscentre/diary/201009040000/
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小沢氏は、戦後60年以上続く
財務省(大蔵省)と政治家の主計局の
予算編成権を巡る争いの、政治側の最後の砦だ。
今回の代表選で小沢氏が破れれば、財務省の勝利が決まる。
今回の代表選は、歴史的に大きな意義を持っている。
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2010年09月06日
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菅、小沢が、代表選後の挙党態勢を意識+自衛隊の辺野古など沖縄基地共用
Excerpt: 「人気ブログ・ランキング」「ぶろぐ村・政治社会問題」の 2つのランキングに参加しています。 それぞれ、どこか1箇所のバナーを1日1回クリック して頂けると幸いです。 ← まず、ポチっと、..
Weblog: 日本がアブナイ!
Tracked: 2010-09-09 04:56
これを危惧するアメリカにけしかけられて、日本のマスコミや官僚が異様な小沢バッシングをした、とまでする批判は、確実な裏付けがなければ「陰謀論」と言われればそれまででしょう。自民党政治家やマスコミの一部がCIAのエージェントだったという疑惑が指摘されていても。
でもやっぱり・・・・
出勤前にあわただしくひとことだけ。
かみぽこぽこさんの鋭い分析,さすがと思います。
ただ,
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戦後60年以上続く
財務省(大蔵省)と政治家の主計局の
予算編成権を巡る争い
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とは思えないんですけどね。政治家はそれに気が付いていなかった,というより大蔵省に頼り切っていた,というのが正解ではないかなと思っています。
それを,「諸悪の根源,霞が関にあり」と見たのが小沢さん,ではないか,と思っていますが,どうなんでしょう。とりあえず一言。
官僚もマスコミも、自民の支持基盤の右翼系諸勢力も、
アメリカも、それぞれ独自の利益や既得権があって、
原則それにもとづいて行動しているのだと思いますよ。
おたがいの利害が重なれば、協力はいくらでも
ありえるでしょうけれど。
あわただしい中のコメントありがとうです。
>政治家はそれに気が付いていなかった,
>というより大蔵省に頼り切っていた,というのが
たしかに、官僚主導は、60年前からあったでしょうけれど、
高度経済成長期のころは、これを問題視する意見は、
ほとんどなかったでしょうね。
問題視する意見が顕在化したのは、30年ほど前からで、
本格的に闘うようになったのは、
15年ほど前からだろうと思います。
官僚主導を問題視するのは、民主党にいる人たちの
共通の認識だったと思います。
エントリでやり玉にあげた「国家戦略局」も、
もともとは、菅直人氏のアイデアですしね。
えー,そうなんですか。全然知らなかった,といったら怒られましょうかね。(パピヨンの無知を)
左派は階級闘争と憲法9条だけしか頭になく,そのすき間に隠れて官僚たちはせっせと税金収奪システムを作り上げていたのでした,というのが以前のパピヨンの記事の趣旨でした(^o^)/^^^^
だから社共以外に第三の政党が必要だったんですね。
この意味から,現総理のような政権であれば存在価値が無意味になるんです,という物語でしたっ。
(わたしもこれを見て、はじめて知ったんだけど。(苦笑))
http://plaza.rakuten.co.jp/kingofartscentre/diary/201008040000/
菅直人氏は、社民連にいましたから、
政治改革の本流のようなかただと思います。
官僚主導の弊害は、よくわかっていて、
むかしから批判していたはずだと思います。
>だから社共以外に第三の政党が必要だったんですね
その目的で作られたのが、民主党だったわけですね。
なので、民主党に集まっている人たちは、
多かれすくなかれ、官僚主導批判をはじめ、
政治改革を目指しているはずです。
>現総理のような政権であれば存在価値が無意味になるんです
まったく、おっしゃるとおりです。
ここは「実行力」の問題ですね。
実は今日,ひょんなことから以下の記事を発見しました。
ー既視感の共産党批判ー
ttp://taraxacum.seesaa.net/article/152572241.html
その中で拙記事を引用していただいてたのですね。いまさらですが,ありがとうございます。
パピヨンが早春から冬眠していた時期にひと騒動あったんですね。
その記事の内容が陳腐になる時期はなかなか来ないようです。国会議員絶滅の方が早いのではないかと危惧しておりますが・・・
それにしてもこの記事を書いた頃はモチベーションが高かった・・・
ありがとうございます。
>パピヨンが早春から冬眠していた時期にひと騒動あったんですね
6月は、ウェブの共産党の人たちが、
またまたお騒がしくなっていたころでした。
「なんだまたか」という議論が勃発して、
そのとき書いたものなんだけど。
http://taraxacum.seesaa.net/article/152992076.html
同じ話題なら、これまでと変わったことを
書きたいと思うわけでして...
それで、アルバイシンの丘さまの
エントリを思い出して、言及したしだいです。
>国会議員絶滅の方が早いのではないかと
こないだの参院選で、党勢の後退が早まった感じです。
来年4月の統一地方選の結果いかんでは、
党崩壊の危機もあるとも言われています。
>この記事を書いた頃はモチベーションが高かった
昨年の12月...
アルバイシンの丘さまのモチベーションが、
とても高くて、わたしにとっては、よかったですよー。
でなければ、わたしのブログは、
いまごろつぶれていたかもしれないですからね。
いまごろつぶれていたかもしれない
そのように思って下さるのであればほんとに嬉しいですが,とんだ買いかぶりで恐縮です。
それにしても共産党員でない人の共産党への信頼感はすごいですね。党員の方がよほど幻滅してるのではないでしょうか。遠くにいると自分との関係で考える必要がなくなりますからね。
立候補問題と似ています。
いや、まじめなお話、本当にやばかったですよ。
(もっとも、「たんぽぽのブログなんて、
つぶれちゃえばよかったのに」と思った人も
いるでしょうけれど、ね。)
>共産党員でない人の共産党への信頼感はすごいですね
ヨーロッパの旧西側諸国と比べると、
日本における共産党の信頼のされかたは
異様だと言われています。
つぎのページを見ると、このあたりが
すこしわかるかもしれないです。
(URLのスペースは取ってください。
なぜか禁止ワードになっていて投稿できないの。)
ttp://www2s.biglobe.ne.jp/~mike/Co mintern.htm#m4