菅首相が続投すると、なにが懸案されるのかは、
前のエントリでお答えしていると、言えると思います。
ここでは、小沢氏が首相になった場合の、
わたしが思うところの懸案事項を、お話したいと思います。
そのひとつは、やはり「政治とカネ」のことです。
といっても、小沢はやっぱりうさんくさい、
と言いたいのではないですよ。
西松献金事件のときも、鳩山政権のときも、
証拠があがらず起訴できなかったですし、
これ以上いくら叩いても、なにも出て来ない
可能性のほうがずっと高いと思います。
しかしそれでも、小沢氏が政権につけば、
失脚させるために、検察は恣意的な捜査でもなんでもやって、
ふたたび叩きにかかることが、強く予想されます。
そしてこれは、世論の「支持」を背景できて、
かなり効果があるのは、すでにしめされていることです。
ふたつ目は、政策調査会の廃止などの、
党運営にかかわることだと思います。
鳩山政権のときの政調廃止で、議員立法を禁止にしたことで、
政策決定にかかわれない議員を増やすことになり、
不満を溜め込むことになったのでした。
またこれにより、法案を政府提出にこだわったので、
閣議決定できず、民法改正法案が成立しなかったことは、
記憶に強く残っていることだと思います。
「政治とカネ」のような、外からの攻撃より、
このように内側からくずれていくほうが、
深刻なのではないかと、わたしは思います。
今年の通常国会の法案達成率が56.6%と
過去最低だった背景には、小沢執行部体制への不満ゆえに、
内側から足を引っ張られたのも大きいようです。
政治献金疑惑が起きても、党をあげて
小沢氏を守ろうという気運が出て来ないのも、
小沢氏に対する党内の不満がたまっていたのも
あったのかもしれないと、わたしは憶測しています。
ようするに、小沢氏が首相になっても、
党運営で内部に不満がたまらないようにしないと、
鳩山政権のときとおなじように、
また内からくずれてしまうのではないかというのが、
わたしの心配していることです。
以下のエントリを見ると、政策調査会の廃止のかわりに、
「政策会議」なるものを設けたらしいのですが、
ほとんど機能しなかったみたいです。
小沢氏はこれに言及していて、鳩山政権時代が
失敗だったことは、認めているようです。
「小沢一郎さんが自らの非を認める 政策会議の設計ミス」
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小沢さんは「鳩山内閣では、政策会議というのを
つくってあったんです。
そこでは誰でも参加して、政府の政務三役と
(衆参の)委員会の人たちを中心とした党の人たちと
議論をする、という場にしていたわけです。
そこが上手く機能しないで、単に形骸化しているというところが、
みんなの不満のところだったと思いますが、
それがきちんと運用されていれば
そういう弊害はなかったと思う」と述べました。
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このほか、『かみぽこぽこ。』のエントリを見ると、
主要な人材が、ほとんど菅陣営にまわっている、
ということがあります。
「民主党代表選について。」
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しかし、小沢氏の周辺には、
優秀な人材がいないという印象だ。
いかに「剛腕」小沢氏でも、一人ですべてを仕切れない。
小沢氏が首相に就任すれば、国会が空転せず
難局を乗り切れるというのは、根拠のない話だ。
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小沢氏は出馬前から、挙党一致を主張していましたし、
実際に組閣することになったら、多くの閣僚や役員を、
菅陣営にまわっていた人から採るだろうと思います。
ここはわたしは、あまり気にしてないです。