2010年10月02日

toujyouka016.jpg 朝鮮学校の無償化

8月27日8月29日に、高校無償化のお話をしましたが、
(え?だれもそんなの読んでないって?)
このとき、たんぽぽは、朝鮮学校のことはなにも言わないのかと、
思ったかたもいるかと思います。

というわけで、今回は朝鮮学校の無償化についてです。
(まったく時期をはずしているけれど。)
わたしと、問題意識の近いエントリがいくつかあったので、
それをご紹介しながら、お話したいと思います。

「朝鮮学校を政治利用しようとする右や左の皆さんへ」

「また「先送り」」
「朝鮮高校無償化問題」

 
朝鮮学校が無償化の対象になるかの基準は、
「日本の高等学校相当の教育を行なっているか」です。
もうすこし具体的には、学校教育法1条(いわゆる「1条校」)や、
学習指導要領で定められた基準を満たしているか、です。

外国人学校もそうですが、日本国内でも各種学校のように、
1条校以外の場合は、日本の高校に準じた基準を
満たすかどうかになります。
朝鮮学校の場合、これがはっきりしなかったので、
その調査のために、無償化の適用が遅れていることになります。


この「高校に準じた基準」というのは、
教科内容ですが、「英語の時間に仮定法が出てくる」とか、
「数学の時間に微積分をやっている」というたぐいのものですよ。
こちらで言われているように、使っている教科書を見れば、
わりあい簡単に確かめられるものだと思います。

したがって、ここでいう「教科内容」とは、
「反日教育を行なっている」というたぐいではないですよ。
(思想教育のために時間が取られすぎて、
微積分や仮定法の授業がじゅうぶんできない、
ということでもないかぎり。)

それから、ここでいう「基準」というのは、
微積分や仮定法の授業が「存在する」ということで、
落ちこぼれが出ないことでは、
かならずしもないのだろうと思います。
なので、「1条校出身でも算数もできない子がいるのに、
朝鮮学校だけ水準を求めるのはおかしい」
という主張もあたらないと思います。


外国人学校を、日本国内の高校に準じていると
みなすかどうかは、じつは学校教育法で定められています。

「学校教育法施行規則及び告示の一部改正について」

ひとつは「評価団体による評価」で、WASC、ACSI、ECISという、
国際的な教育認定機関に認められている学校です。
(これらの認定を、日本政府は認めている)
日本にあるインターナショナル・スクールで、
大学受験資格のある学校は、この認定を受けています。

ふたつめは「本国での位置付けを尊重」というもので、
本国で高校相当と認められている、
(本国政府を教育認定機関とみなす)ということです。

朝鮮学校はこれらの意味では、教育水準の認定を、
どこからも受けていないというわけです。
もちろん国際的な「評価団体による評価」は受けてないです。
また、朝鮮学校には「本国」もないからです。
(「北朝鮮」ではありませんよ。
戸籍の「朝鮮籍」とおなじようなものでしょうか。)


朝鮮学校の無償化を民族問題としてとらえるなら、
高校相当の基準をみたすかどうかに、
いままで無頓着だったことにあると思います。
高校無償化という、公平性を重視した政策が、
これをはっきりさせたと言えるでしょう。
(その意味では、民主党の功績だと思うのですが...)

わたしの意見を言えば、朝鮮学校の教育水準の認定は、
日本政府の責任で行なうことだと思います。
「朝鮮学校の水準はふじゅうぶんだから無償化に反対」
というのなら、相応の水準を満たすよう支援するのも、
日本政府が行なうことだと思います。

ひとつは、朝鮮学校を認定する「本国」が存在しないのは、
日本の植民地統治にも原因の一端があるので、
旧宗主国が責任を持つことだと考えるからです。
もうひとつは、子ども手当の外国人受給と同じで、
学校教育という福祉も外国人や異民族に対して、
自国民同様に開かれるものだと考えるからです。

posted by たんぽぽ at 20:35 | Comment(4) | TrackBack(1) | 政治・社会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

はてなブックマーク - 朝鮮学校の無償化 web拍手
この記事へのコメント
こんばんわ。TBと情報,拙記事の紹介,いろいろありがとうございました。

少しパピヨンの考えとはニュアンスが違うようです。拙記事の方に書いたので,ここに重複はやめておきますね。要点だけ少し書いておきますと

戸塚ヨットスクールのようなものをはじき出せるような基準であればよい,と思いますので,必ずしも高校3年英語で仮定法があるかどうか,など個別の内容に踏み込む必要はない,というように考えます。

大学受験資格を多くの大学が認めている,これで十分と考える次第です。

ほかに,地下猫さんの考察もあったと思います。
Posted by アルバイシンの丘 at 2010年10月02日 23:11
アルバイシンの丘さま、コメントありがとうです。

コメントをくださるのとほぼ同時に、
ふたつ目のエントリを投稿したりして、ごめんなさいね。
(たんぽぽも、朝鮮学校の教育水準には、
懐疑的だと思われていたのかな?
貴ブログで、filinionさんのエントリを
紹介したときも、それっきりにしていましたしね。)

じつは、最終的な結論は、わたしはfilinionさんと
違っていたのですが、「朝鮮学校の無償化は
教育問題として扱うべし」という、
問題意識は近いと思ったので、注目したのでした。


>大学受験資格を多くの大学が認めている,

方向性がちょっと変わってくるけれど、
「受験資格」に関して、大学入学資格試験(バカロレア)を行なう、
という案が、つぎのエントリで言われていますね。
http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20100901/1283340737

評価団体の評価によらないで、教育水準の保証ができて、
しかもさまざまな学校の形態に適応できるという点で、
好ましいですから、検討してよいのではないかと思います。
Posted by たんぽぽ at 2010年10月03日 21:27
大学入学資格試験を行う,というのは大賛成です。しかし,バカロレア自体はよく知らないのですが,今の受験文化が根底から覆るでしょうね。
今大流行の推薦入試やAO入試はできなくなる可能性が高いです。
私のイメージにある資格試験は以下のようなものです。
時期はいつでもいいから,歴史,地理,数学,・・・などの科目を受験して,合格したらそれは生涯有効とします。
各大学は,受験者に合格しておくべき科目を指定します。
その上で,必要な科目に絞って入試科目の試験を行う,とまあ,こういうわけです。
これだと,例えば理系学部でも社会系2科目の合格実績を求めることも可能です。入試には社会系の試験はしなくとも,ちゃんと履修はしています。
なあんて構想も持っているのですが,誰も聞いてくれませ‐ん(悲涙)
Posted by アルバイシンの丘 at 2010年10月03日 22:57
コメントありがとうです。

じつは、わたしもバカロレアは知らないです。(苦笑)
寡聞にしてはじめて聞きました。

たしか、いまのセンター試験を、大学の入学資格試験に
拡張するという案があったように思いました。
(構想だけで終わったと思ったけど。)


資格試験は、一度に1科目だけ受けても、
何科目受けてもいいとか、柔軟性を持たせるといいですね。
実施時期も、年に2-3回とか、機会を多めにすると
いいかもしれないです。

試験結果を、偏差値の代わりにされないよう、
「合格」「不合格」の2基準だけにして、
スコアを見て入学する大学を決めたり、大学側の足切りに
使われないようにする必要はあると思います。

ただ、大学側が資格試験と別個に、独自の「2次試験」を
行なうのは、やむをえないと思います。
2次試験を受けるためには「入学資格試験」に
合格していることが必要、というふうになるのだと思いますが。


>誰も聞いてくれませ‐ん(悲涙)

はーい、わたしは聞いてます。
(なんて、わたしでは意味ないんでしょうけど。(苦笑))
Posted by たんぽぽ at 2010年10月04日 19:31
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]


この記事へのトラックバック

朝鮮高校無償化問題
Excerpt:  高校授業料の援助政策は,公立高校の授業料程度を支援するということのようだ。でも,当然ながら公立高校のみでは不公平になるので,私立高校【注1】にも公立高校の授業料と同額の支援を行うという。これだと公立..
Weblog: アルバイシンの丘
Tracked: 2010-10-02 23:27