2010年10月02日

toujyouka016.jpg 朝鮮学校の無償化(2)

朝鮮学校の基準については、認定する機関がない、
ということで、急きょ別途調査することになったのですが、
8月に文部科学省から出た判断では
「日本の高校に類する教育課程」にあたるとのことでした。

「「無償化」が実現」
「朝鮮学校に無償化適用へ 文科省「高校課程類する」」

朝鮮学校は「大学受験資格も多くの大学が認めており、
高校総体などスポーツ大会にも参加できる」ので(参照)
取り立てて問題ないのではないかと思います。

 
ある人たちは、朝鮮学校に無償化を適用しないのは、
朝鮮に対する差別であり、レイシズムだと言います。
拝外主義的な理由で、朝鮮学校を無償化の対象から、
適用除外することを主張する人たちも現にいるので、
彼らに対する批判は必要でしょう。

ここでの本質的なことは、教育水準が高校相当かどうかです。
そこで学んでいる子どもたちのためにも、
基準を満たさないのに支援するのは、好ましくないでしょう。
また、民族問題としてとらえるなら、朝鮮学校の認定に
いままで無頓着だったことだと、わたしは思います。
ところがこうした議論は、あまりなされないようです。

中には、民主党や政府、文科省まで、排外主義的理由で、
朝鮮学校の無償化適用に反対しているかのように
思っているふしもあるようです。
文科省や川端大臣の考えは「日本の高校と同じカリキュラムが、
朝鮮学校にも外形的にそろっているか」であり、
「北朝鮮による独裁政治の思想教育や歴史教育は
適用の判断材料」としてはいないですよ。

「【朝鮮学校無償化】 「思想教育」「反日教育」は判断材料にせず 文科省が説明」

(もっとへきえきするのは、朝鮮学校のことに
彼らの関心が集中していて、それが高校無償化問題の
すべてのような印象を受けることでしょうか。
それだけで、高校無償化全体が悪法だと言いたいような。)
直接そうは言っていないけれど。)


べつのある人たちは、朝鮮学校では反日教育を
行なっているから反社会的であり、
無償化の対象とするべきでないと言います。
こうした主張をするのは、排外主義者はもちろんのこと、
反共主義者の中にも見られるようです。(参照)

しかしこれらは、教育の水準となんら関係ないですし、
無償化の判断基準とは、なりえないものです。
そもそもが、思想信条の自由に反しますし、
また前のエントリですこし触れたように、
福祉を外国人や異民族にも公平に開くという、
国連人権規約にも反します。

ところが、文部科学省のさきの判断もつかのま、
「政府・与党内や、北朝鮮による拉致被害者の
家族会などからは、「北朝鮮に制裁を行っているなかで
支援を行うという、矛盾した対応を取るべきではない」」
という意見が出て、またしても、朝鮮学校の無償化は
先送りになったのでした。

「朝鮮学校無償化 結論先送りへ」

ここに出てくる「政府・与党内」の人たちが、
どういう人たちかは、想像にがたくないと思います。
それこそ、おおむかしの民法改正の議論と同様、
どこかでトップダウンで「がちゃん」と決めてしまわないと、
いくら議論を続けても、彼らは「慎重に」と言うだけで、
納得することはないのではないかと思います。

posted by たんぽぽ at 23:04 | Comment(4) | TrackBack(2) | 政治・社会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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この記事へのコメント
続けての精力的なご考察,ご苦労様です。

この記事にある,

>朝鮮学校は「大学受験資格も多くの大学が認めており、高校総体などスポーツ大会にも参加できる」ので(参照)、取り立てて問題ないのではないかと思います。

これで十分だと思う次第です。

その他の部分についても,全く仰る通りと思います。
Posted by アルバイシンの丘 at 2010年10月02日 23:18
拉致問題を原理主義的として、それで思考停止してしまうから、あの関係者は、巣くう会、とか、華族会、とか揶揄されるされるようになったんでしょうね。
Posted by pulin at 2010年10月03日 06:20
アルバイシンの丘さま
こちらにもコメント、まことにありがとうございます。

ご指摘の通り、朝鮮学校も大学の受験資格はあるので、
日本の高校レベルの教育はなされているのでは?と
わたしは思っていたのでした。

仮定法や微積分を出したのは、教育問題とは具体的に
どんなことを指すのかを、はっきりさせたかったのもありますが、
大学受験資格があるなら、仮定法や微積分の授業くらい
ふつうにあるだろうという予想も、念頭にありました。

文科省が時間割りを調べた程度で、基準を満たすと
判断したのも、そうした実態を常識的に知っていて、
それを勘案したのかもしれないです。


リンクしたfilinionさんのエントリは、
朝鮮学校の教育水準には懐疑的ですね。
それで無償化の適用にも反対になるのでしょう。

filinionさんのエントリで、むしろ大事なのは、
「朝鮮学校は日本の高校レベルの基準を満たすか」という
教育問題が核心だというのを、指摘したことだと思います。
それで、なにを議論するべきかが、はっきりしたのであり、
結論はちがっているけれど、問題意識としては、
わたしと近いと考えたしだいです。
Posted by たんぽぽ at 2010年10月03日 21:29
pulinさま、おひさしぶりです。

「家族会」は、一時期批判がタブーになったせいもあってか、
かなり強力な、圧力団体となっているようですね。


文科省や関係閣僚は、核心が教育問題であることは
最初から把握していて、その線にそって
淡々と調査を進めていた、という感じですね。

「家族会」とそれに支援された、一部の議員やメディアが、
筋違いの方向から反対していて、さきに進まないでいる、
というのが実態なのでしょう。
Posted by たんぽぽ at 2010年10月03日 21:30
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