2010年10月15日

toujyouka016.jpg ドイツの両親手当(2)

ところでドイツにおける「両親手当て」の導入には、
家族政策の方針の、抜本的な転換が背景にあるのでした。

http://tinyurl.com/266gx65
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家族政策の方針を、従来の「子どもが小さいうちは
母親が家庭で面倒を見る」といったものから、
「共働きを前提に子育て家庭を支援する」ものへと転換しました。
これは、家族政策のコペルニクス的転換とも言えるものです。
========

「共働きを前提」というのは、ライフスタイルの
変化への対応、ということにもなるでしょう。
また、男性と女性を、同等に扱うことにもなるでしょう。
いずれも、現在の日本にも必要なことだと、わたしは思います。

 
具体的には、両親ともに育児休暇を取らないと、
受給できる期間が、14ヶ月から12ヶ月に短くなる、
という制度になっています。
========
両親手当は両親が合計で最大14カ月受給できますが、
一方の親が需給できるのは12カ月が上限で、両親ともに
取得しない場合は2カ月分の受給資格が消滅してしまいます。
つまり、父親の育児休業の取得を明確に
意識した制度になっているのです。
========

育休の期間については、両親ともに取得すると
2ヶ月延長させるというのは、北欧諸国で導入されている、
「パパ・クオータ制度」に見られるものです。
(日本でもことしの6月に、ようやく「育休プラス」という
ネーミングで導入されるようです。)
これを、手当ての受給にも、適用したことになります。

家族政策をライフスタイルの保証に軸足をおくのも、
日本ではむずかしいのではないか、わたしは思います。
すでに導入されている「子ども手当」も、
そうしたものなのですが、すぐに「景気対策」とか
「貧困対策はどうなる?」といった内容に、
議論が転化されるからです。


ちなみに、ドイツにおけるこれらの家族政策は、
メルケル政権になってから、きゅうに勧められたものです。
http://tinyurl.com/266gx65
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第2次シュレーダー政権の頃からドイツの家族政策は
変わり始めましたが、2005年にドイツで初の女性首相となった
アンゲラ・メルケル首相と、医師で7児の母でもある
ウルズラ・フォン・デア・ライエン大臣の下で、
新たな両立支援策が急ピッチで実行されました。
========

記事には書かれていないですが、首相や関係閣僚が
女性というのは、やはり大きいのでしょうか?
(この点でも、日本はむずかしいことになりそうです。)

posted by たんぽぽ at 06:28 | Comment(4) | TrackBack(3) | 家族・ジェンダー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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この記事へのコメント
女性の権利に関わることに政府が腰を上げるには、政府の主要な位置に女性がいるといいっていうのは、日本でも過去に前例がありますね。例えば男女共同参画社会基本法。
斎藤美奈子氏の「物は言いよう」の234ページあたりにあるのですが、当時閣外協力とはいえ与党だった社民党とさきがけのそれぞれのトップが女性であったことが大きいらしいです。
(そして、彼女達をバックアップする大物政治家が自民党の中にいたこと(野中氏)なんかも書いてありますね)

政権が変わっても、女性閣僚が「特別枠」的な登用のされ方にしか感じられないのは、残念ですよね…。
Posted by 七重 at 2010年10月15日 23:16
七重さま、コメントありがとうです。

>女性閣僚が「特別枠」的な登用のされ方にしか感じられないのは

ここで「特別枠」という表現は、とっても皮肉かも。
http://taraxacum.seesaa.net/article/162414550.html

それはともかく、人数だけでも増やしてほしいところですよ。
数が多いというだけでも、話題になりますし、
それだけで雰囲気が結構変わると思います。
現政権であれば、人気取りのために女性を起用するような
コイズミよりは、実質的なことができると思いますし。

>女性の権利に関わることに政府が腰を上げるには、
>政府の主要な位置に女性がいるといいっていうのは、

鳩山政権のときの、千葉景子と福島みずほの起用も、
そういったものだと言えるんだけどね。
ふたりだけだったので、やはり層が薄かったのでしょう。
ジェンダーに関係する政策は、ふじゅうぶんにしか
なされなかったですね。
Posted by たんぽぽ at 2010年10月16日 15:52
>「特別枠」

あー…そういう意図はあまりなくてですね(^^;
「女性ならでは」の分野に「特別に」閣僚枠を割り当てているような印象があるのです。
それじゃあ、「女性ではない」という意味で「無徴」の人々にとっては他人事になっちゃうし、中枢で声が小さかったらいよいよ後回しにされちゃうなぁ…と。
(昔、gegenga様が当事者意識を高める意味で
「少子化担当大臣を男性にしたらどうか」
と書いているエントリーがありましたので、ぺたり。

http://blog.livedoor.jp/gegenga/archives/51510432.html

民主党は自民党みたいな「名誉男性」とか「古い価値観の守護者」の「女性」議員は少ない印象を勝手に持っているので、人数を増やすだけでも、結構効果はありそうな気がしています。
Posted by 七重 at 2010年10月16日 18:46
またまたコメントどうもです。

>あー…そういう意図はあまりなくてですね

はははは...
たぶん意図したんじゃないだろうとは思ったです。
意図しないで書いたから、余計皮肉に聞こえたんだけど。(笑)


>「女性ならでは」の分野に「特別に」閣僚枠を

うーむ...
実際はともかく、そういう印象はありますね。
それから「女性ならでは」でない分野に、
女性を起用しない(印象がある)ので、それもあるかもしれないです。
(実際にはいるんだけど、数がすくなくて印象に残らない...)

>http://blog.livedoor.jp/gegenga/archives/51510432.html

アイディアとしてはおもしろいと思います。
でも、実際にやっても、あまりうまくいかないかもです。
現時点では、積極的に女性を起用したほうが、
効果がずっとありそうに思います。
(エントリを書いたのは自民党政権のころだけど、
自民党だと、男性ではそういう人材がいないのもありそう。)


>「名誉男性」とか「古い価値観の守護者」の

本当にすくないんだろうと、わたしも思いますよ。
(そのあたりは、自民党よりは安心できると思います。)
「お偉いさん」よりも、生活感の強い人を
候補者に選んでいますし。

>人数を増やすだけでも、結構効果はありそうな気がしています

民主党の女性議員は1期目が多いので、
まだ要職につけない、というのもあるのかもしれないです。
Posted by たんぽぽ at 2010年10月17日 10:35
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