すでに先週ですが、「ジェンダーギャップ指数」が
ことしも発表されましたので、見ておきたいと思います。
「The Global Gender Gap Report 2010」
「ジェンダー・ギャップ指数(男女平等指数)2010発表、日本は94位」
日本のデータはこちらです。
「Country Profiles and Highlights(JAPAN)」
いちばんの話題は、日本の順位は94位で、
昨年の101位より、すこし上昇していることです。
2006年に現在の基準で、ジェンダーギャップの調査を
始めて以来、日本の順位が上がったのは初めてです。
なので、特筆してもよいだろうと思います。
調査対象国が増えているので、対象国の数で順位を割って、
上位何パーセントかをしめしたグラフも作りました。
2008-09年は下から1/4以下まで下がっていましたが、
今年は下から3割近くまで浮上し、
2006-07年と同じ水準になっています。
スコアは0.6524で、昨年からの伸びは+0.0077です。
昨年まではほぼ横ばいでしたが、今年ははっきり伸びています。
それでも、OECD加盟国の中では、日本と韓国が、
最低レベルというのは、いままでどおりです。
順位の上位は北欧諸国が占めているのも、いつもどおりです。
上位10位までを表にしておきます。
意外なのは、南アフリカの小国レソトで、
06年から毎年順位をあげて、8位に入ったことでしょうか。
レソトは男女の賃金格差を縮めたことと、
大学や中等教育の進学率の高さのためとなっています。
アジアの国では、フィリピンが、
2009年と同じく、9位にランク入りしています。
これは教育の機会均等が進んでいることや、
技術、専門職に女性が多いためのようです。
1. アイスランド 0.8496
2. ノルウェー 0.8404
3. フィンランド 0.8260
4. スウェーデン 0.8024
5. ニュージーランド 0.7808
6. アイルランド 0.7773
7. デンマーク 0.7719
8. レソト 0.7678
9. フィリピン 0.7654
10. スイス 0.7562
日本がとりわけスコアが低く、男女の格差を作る
原因となっているのは、「経済分野」の
「経営、管理」(0.10)と、「政治参加」の全項目です。
つまり、意思決定の場は、男性が大半を占めていて、
女性がその下で働くという状況にあるというのが、
日本社会の特徴ということになります。
(「日本の女性は家庭で働くのが喜び」などと
女性起業家サミットで言った人がいたのを、思い出した。)
2010年になって、まがりなりにも日本の順位が
上がった原因のひとつは、「経済分野」の「同一賃金」です。
2009年までは0.44-0.46でしたが、
2010年は0.53に上がっています。
男女の賃金格差が、若干解消されたことになります。
もうひとつは、「政治参加」の「女性議員」です。
2009年までは0.10でしたが、2010年は0.13です。
2009年の衆院選で女性候補者が、たくさん当選したことが、
効いているもののようです。
対象国すべての順位の推移。
「The Global Gender Gap Index 2010 rankings:」
2008年までのようすは、こちらにまとめてあります。
「世界経済フォーラム〜男女平等指数」
正規雇用が減り、男性も非正規雇用が増えたせいでしょうね。
景気対策や雇用対策が奏功して正規雇用が増えたら
もちろん男性から先に正規雇用されることになり
賃金格差が再び増える予感。
>正規雇用が減り、男性も非正規雇用が増えたせいでしょうね
おおお、そういうことだったのですね。
女性の待遇が改善されたのではなく、
男性の待遇が悪化して格差が縮まったわけだ。
(じつは、わたし、賃金格差が縮まった原因が
わからなかったの。)
>もちろん男性から先に正規雇用されることになり
そうならないように(格差を広げないように)
雇用対策をしていくことが、政治の役目なんでしょうけどね。
さくらさまの予感があたる可能性のほうが
大きいように思います。
ジェンダーギャップ指数って、
相対的な格差がどれだけか、ですからね。
格差が小さいからといって、単純にめぐまれた
生活をしているとは、かぎらないんですよね。
その簡単なサンプルのようですね。