2010年11月27日

toujyouka016.jpg 政治主導確立法案のメモ

こないだお話した政治主導のかなめである、
国家戦略室の「局」への格上げなどを含めた、
政治主導確立法案がどうなったのか、情報が入っているので
ご紹介したいと思います。

「政治主導確立法案審議入り」
「政治主導法案、今国会も断念=内閣委理事が伝達−政府・民主」
「政治主導確立法案、民主党単独で趣旨説明実施」
「「政治主導確立法案」今国会成立絶望的に」

 
『下町の太陽』の11月19日エントリに、
法案の内容がややくわしく触れられています。
ほぼ最初の案に近いかたちで、審議入りしたみたいですよ。
国家戦略局を設け、内閣官房副長官を増員のうえ、
局長を兼務し、国家戦略官というポストをつくります。
また総理補佐官を10人に増員します。
行政刷新会議、税制調査会などを法制化。
国家公安委員長の下に大臣政務官を1人置くことができるようになります。
また政務調査官というポストをつくり、
大臣に情報を上げることができるようです。

「国家戦略局」は、これまでに何回か、
わたしのブログでお話してきたものです。
財務省に代わって、予算編成の基本方針を決める機関で、
いわば「政治主導」のかなめとなる組織です。

「国家戦略局のメモ」
「嗚呼、国家戦略局。」

補佐官や政務官などの各種ポジションの増員は、
「官邸主導」の強化のためと思います。
官邸の中にいて、省庁から独立した組織に人材が多くなれば、
官僚に取り込まれにくくなり、政権の予定通りに
政策を実行しやすくなる、ということです。

行政刷新会議と税制調査会も、財政や税制を
政治主導で行なうための組織です。
くわしくは、こちらをご覧になるといいでしょう。

「税制改革と財政改革を考える(前編)。」
「税制改革と財政改革を考える(後編)。」


じつは、この政治主導確立法案は、
7月の参院選のあと、大幅に後退していました。
「国家戦略局」も予算編成の権限をなくして、
首相に提言や情報提供を行なうだけの、
シンクタンク的なものへの縮小していました。

その後10月には、国家戦略室を「局」へ
昇格させないまま、「シンクタンク」と、
重要政策の企画や立案を行なう2部門へと、
ふたたび拡大することになったのでした。
「国家戦略室を増強、2部門に 鍵は首相の指導力」
「国家戦略室:拡充案固まる 政策調整機能を分担 玄葉担当相「第2官房長官」に」

今度の法案提出では、はじめの構想に
ほぼ戻ったのでして、ふたたび政治主導の実現を
菅政権は目指しはじめたことになります。
一時期の萎縮ぶりからしたら、大改善であり、
これは評価していいだろうと思います。


審議の進捗状況はまったく暗いものとなっています。
自民、公明、共産、みんなの党が、法案修正要求に
応じていないと言って欠席し、法案の趣旨説明は
民主が単独でやる事態になったのでした。

読売の記事を見ると、野党各党は、
「副大臣、政務官を増員する国会法改正案と
あわせての審議を主張」しているとある。)

さらに、ほかでもないこの法案を担当する
仙谷由人官房長官が問責決議を可決され、
野党各党がその後の審議の応じないかまえなので、
いよいよ見通しが立たなくなっています。


付記1:

マスコミの取り上げかたは、じつに小さいです。
日経の記事なんて数行しかないです。
『下町の太陽』の宮崎信行さまでさえ、
「事前の報道などでまったく知らなかった」と書いています

(尖閣諸島のビデオや、「暴力装置」発言なんかより、
こちらのほうがずっと大事だと、わたしは思います。
でもメディアが大きく取り上げることはないのでしょう。)


付記2:

政治主導確立法案の中身については、
わたしもすっかり理解しているわけではないです。
もっとお勉強して、なにかわかったら、
くわしいことをお話するかもしれないです。


付記3:

議員立法の筆頭発議者は、小沢一郎だそうだ。

posted by たんぽぽ at 23:48 | Comment(2) | TrackBack(4) | 政治・社会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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この記事へのコメント
「政治主導」とは手段なのか目的なのか。
民主党があまり「政治主導」を指向するとそれによって足をすくわれるかもしれません。
Posted by pulin at 2010年12月04日 10:01
コメントありがとうございます。

「なぜ政治主導なのか」について、
新しくエントリを書いてみました。
これを持ってお返事としたいと思いますので、
お時間のあるときにでも、ご覧いただけたらと思います。
http://taraxacum.seesaa.net/article/171992459.html
Posted by たんぽぽ at 2010年12月05日 23:25
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