先月のことで恐縮ですが、「国立女性教育会館」という
官製の女性センターが、事業仕分けされたにもかかわらず、
判定を無視して、またぞろ復活しているというお話があります。
「国立女性教育会館の事業仕分けに見る、
《箱モノ設置主義》に席巻されてきた男女共同参画政策の限界」
「国立女性教育会館(NWEC)の事業仕分けに見る、
《箱モノ設置主義》に席巻されてきた男女共同参画政策の限界」
『アルファ・シノドス』というメールマガジンなのですが、
全文は購読しないと読めないです。(購読料有料)
無料で公開されている範囲でも、かなりのことがわかるので、
これをもとにお話をしたいと思います。
ようは「国立女性教育会館」のような「立派な」施設で、
なにをやっているのか、男女共同参画の発展になることを
しているのかわからない、ということです。
教育内容は、どこのセンターも似たり寄ったりで、
「あたかも「ジェンダー」ということばを
理解することが女性リーダーたる資格であるかのような
教育がなされて」いるとあります。
また集まる受講者たちは、性別役割分担の中で
主婦になった、50-60代が多いとあります。
しかも、このような官製の女性センターは、
どこも豪華な建物らしく、国立女性教育会館も、
3ヶ月も休館にして、大改修をするといいます。
これはもう、立派な建物を建てるなどして、
予算を取ってくるのが目的で、あとは格好だけの
授業をやっているという疑いが、濃厚ではありませんか。
税金の無駄遣いと見られて、仕分けにあうのも
むべなるかなだと思います。
官製では、やはり官僚が利益を捻出できる
しろものしか作られない、ということなのでしょう。
このような男女共同参画センターの
およそ9割は、国の補助金から出ているそうです。
本当に必要な施設を作りたければ、官界に頼りすぎる現状から
改める必要があると、記事では考察しています。
こうした官製女性センターの仕分けは、
当然こころよく受け入れられないことになります。
「女性教育会館をなくすことは、男女共同参画の後退だ」
という見かたをする人は、官界だけでなく、
学会のあいだでも見られるようです。
理化学研究所のスーパーコンピュータが
事業仕分けにあったのを、科学技術振興の後退と
単純に受け止める人がすくなからずいます。
これとおなじ反応だとも言えるでしょう。
官僚の焼け太りのための「はこもの」でも、
なんらかのご利益がある関係者はいるのでしょう。
しかし、自分のところだけ既得権益を主張していては、
官僚機構との闘いで押し切られて、取り調べ可視化や、
八ツ場ダムの中止を断念した、菅政権のことを、
とやかく批判できなくなるだろうと思います。