じつはこれまでの事業仕分け、かなりのものが、
判定を無視して復活しているらしいです。
これに関しては、さきの女性センターにかぎらないようです。
(名前を変えたり、縮小や統廃合をするなどして、
べつの事業のようにカモフラージュはしているようですが。)
「110事業、再仕分けへ 廃止・見直し判定を無視」(1/2)
「110事業、再仕分けへ 廃止・見直し判定を無視」(2/2)
もともと法的な強制力がないので、無理もないとも言えます。
しかし当初は、ここまで踏み倒されるとは、
思わなかったのではないかと思います。
(菅政権の統治能力の低下のあらわれなんでしょうけれど。)
>女性教育
前のエントリでご紹介の「シノドス」の記事に、
「女性教育」とはなんぞや?ということが出ています。
男女のあいだで、進学率の差がほとんどなくなった、
21世紀初頭の現在、あえて一般成人と区別して、
女性を教育するとはどういうことか?です。
というのは、「女を男より劣ったものとして、
特別に教育する必要がある」とか、
「国家や男社会に都合いいように女性を教育する」といった、
たぐいの「教育」が考えられるからです。
太平洋戦争中、富国強兵策のために、
女性の喜びは家庭に入って子どもを産み育てることだという、
「母性教育」がなされたのですが、
これはまさにそれに当てはまるでしょう。
現在でも「女性教育」に意味があるとしたら、
女性自身が主体となって、ジェンダー問題に対処する力量を
身につけるという性質のものだ、という記事の指摘は
賛同できるかたも多いことと思います。
>アルファ・シノドス
『アルファ・シノドス』というメールマガジンですが、
あの荻上チキさんが編集長なのですね。
どうりでレベルが高いわけだと、わたしは納得しましたよ。
(これは、月額525円を払って購読する価値があるかなと、
思いかけているんだけど。)
女性の喜びは家庭に入って子どもを産み育てることだという、
「母性教育」がなされたのですが、<
太平洋戦争も後半になると労働力不足となり、女性が仕事(電車の車掌等)をしたり、兵器工場や車両製造工場に動員されました。
国防婦人会などの主婦は積極的に外に出て兵士の激励・慰問。
平時は「女は家庭」ですが、困ってくると仕事せい、と。
まことにご都合主義な女子教育ですね。
サラリーマン社会が広く一般的に成立する以前は、夫が稼いで、妻は家事育児に専念するべしという価値観はなかったんですよね。
百姓も町人も夫婦で働くのが当たり前。近代サラリーマン家庭とは違う。
生活が苦しくなって夫婦とも稼がなければやっていけないような今の時代の現実において、「内助の功」的な専業主婦モデルに男女とも憧れ出すのは、ある種の悲哀ですね・・・・。
コメントありがとうです。
>平時は「女は家庭」ですが、困ってくると仕事せい、と
戦時人口政策には「母性教育」だけでなく、
経済的な支援もあったのですが、
太平洋戦争の後半になると、財源が続かなくて破綻した、
というのは聞いていました。
具体的にどうなったのかなと思えば、
そういう方向に政策が転換していたのですね。
(経済が逼迫してくると、共働きでないとやっていけないことを
暗に示していますね。)
しかもこの「ご都合主義」は戦後になっても
まだ続くから、いやになってしまうんだけど。
子どもはすくないほうが、外で働く男性が
家に帰って来たとき負担にならない、という企業利益のために、
「子どもはふたりくらいがしあわせ」と言って
「標準家族」を定着させた、というものだけど。
お返事が遅くなってごめんなさいです。
前にも話題になったけれど、きょうびは専業主婦世帯に
憧憬があるわけではないようですよ。
http://d.hatena.ne.jp/rengejibu/20100828#p1
男性はむしろ共稼ぎを期待しているみたいです。
というのは、景気が悪くて雇用が不安定なので、
収入の口を確保したいからでしょう。
その一方で、家事分担はしたがらない男の子は
まだまだたくさんいるみたいです。
それで、女の子は家事を負担してくれないなら、
外で働かないと、なってしまうようです。
家庭とお仕事を両立させる環境が、
まだまだふじゅうぶんなのでしょう。
それで「現実的な」選択をしている、ということだと思います。
あと、いまから5年ほど前は、結婚をしても
子どもを作らずにお仕事を続ける、という女性が多かったようです。
それで格好だけは、M次カーブのくぼみが小さくなったんだけど。
http://lacrima09.web.fc2.com/teardrops/surround/m-curve.html
家庭とお仕事の両立がむずかしいという状況は
ほとんど変わってなくて、あとはどちらを取るか、
ということなんだろうと思います。
「イクメン」なんて気取った言い方が現れても、それは仕事をしなくてもいいよ、ということではないでしょう。
きょうびは、ごく一部とはいえ、
そうでもなくなりつつあるみたいだけど。
http://business.nikkeibp.co.jp/article/topics/20101203/217374/
それはともかく、女性が家庭から外に出て、
まがりなりにも男性並みにお仕事を
持てる人が現れるようになったのは、
先人たちが相応の闘いを続け、苦労して勝ち取ったからです。
男性は仕事に出られることを「特権」と考え、
家庭に入ることを「権利」と考えず、
(女性という「劣った」人たちの立場と考えて)
ずっと興味を持たなかったのでしょう。
それで「特権」の立場にいられるという既得権が、
かえって負担になっている、ということだと思いますよ。
専業主夫という選択肢を得たいなら、
闘って勝ち取ることだと思います。
女性が仕事を持つ権利を勝ち取ったよりは
すくない労力でなんとかなるでしょうし。
女性に対する教育、と聞くと私は「家庭内暴力(DV)への対応」を連想してしまいます。ほとんどの女性にとって、男性のカラダは自分より大きいし、これからも必要になってくるものといえばコレでしょうか。でもDV関連の避難設備って足りてないらしいので、「教育会館」なんて作るんであればシェルターにカネを回してほしいですね(DVは家庭内の刑事事件なのに、警察が助けないという日本の現状を考えれば、の話)。
5年前は職業を選択したものの、「タイムリミットを考えた結果子供を産むことにした」という人が出てきた影響の結果が2008-2009年にクローズアップされた産院不足だったのかもしれません。今年下半期に入ってそんな状況も落ち着いたようです(伝聞)。
>「教育会館」なんて作るんであればシェルターにカネを回してほしいですね
なるほどね、それはいい考えかもしれないです。
現在ある女性センターの建物を改築したっていいでしょうしね。
(3ヶ月も休館にして改修するくらいなら、
できないこともないでしょう。)
>「タイムリミットを考えた結果子供を産むことにした」
>という人が出てきた影響の結果が
>2008-2009年にクローズアップされた産院不足
ああ、なるほど、そうなのかもしれないですね。
専業主婦願望が目立つようになってきたのも
そういえば、2008-09年ごろからだったようですし。
ちなみに、「女性教育」で、わたしが思い浮かべるのは、
フェミニズムやジェンダー論の基礎知識ですよ。
これらの知識は、女性問題に積極的に対処し解決する、
とまではいかなくても、現代社会において、
女性として生きて行くには、必要な「処世」だと思うからだけど。
フェミニズムやジェンダー論、同感です。これまでの経緯を当事者である女性が把握することで物事が進むと思います。男女または同性であっても「人間」のペアが分かち合う、という方向に動いているのは確かですから、その手段なりフォローなりを考えていければ、いわゆる「昔の人たち」の苦労は報われるんじゃないかしらとか。
そうやってあちこち修理をやって、予算を取ってくるんだと思いますよ。
>フェミニズムやジェンダー論、
わたしも、こういうサイトを作るくらいだから、
わかっていることになるんでしょうけど、
高校や大学で、ちゃんとお勉強したことはないんですよね。
でも、みんなが一通りのことを知っておいたほうが
いいことでしょうから、れっきとした教育機関で
お勉強をする機会があったほうがいいんだろうと思います。
すくなくとも、「セクハラは性欲不満のはけ口だから、
家庭で妻が責任を取れ」なんてなことを言う
女性県議が出てこない程度には、知識を普及させておく
必要があるのではないかと思います。