ネットではすでにあちこちで話題になって、
いまさらわたしが、なにか言うことも
ないのかもしれないけれど、ご紹介したいと思います。
石原慎太郎東京都知事による、同性愛差別発言です。
「都青少年健全育成条例改正案:PTA団体など、都に成立求め要望書」
「石原都知事:同性愛者「やっぱり足りない感じ」」
「「テレビにも同性愛者が平気で出るでしょ…」
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石原慎太郎知事は「子供だけじゃなくて、
テレビなんかにも同性愛者が平気で出るでしょ。
日本は野放図になり過ぎている。使命感を持ってやります」と応じた
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同性愛者について「どこかやっぱり足りない感じがする。
遺伝とかのせいでしょう。
マイノリティーで気の毒ですよ」と発言した。
過去に米・サンフランシスコを視察した際の記憶として、
「ゲイのパレードを見ましたけど、見てて本当に気の毒だと思った。
男のペア、女のペアあるけど、
どこかやっぱり足りない感じがする」と話した。
同性愛者のテレビ出演に関しては、
「それをことさら売り物にし、ショーアップして、
テレビのどうのこうのにするってのは、外国じゃ例がないね
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これは「都青少年健全育成条例案」の議論のときのもので、
ようするにアニメなどのキャラクターの
性描写規制に関連して出て来たものです。
そこへもってきて、同性愛者がテレビに出るのが
野放図だというのですから、石原慎太郎がなにを
考えているのかは推して知るべしです。
「マイノリティーで気の毒」なのは、
まさにイシハラのような人間がいるからでしょう。
マイノリティでも「気の毒」でなく
暮らせるようにするのが政治の役目のはずです。
「遺伝とかのせい」というのはなんでしょう?
性的志向は胎児期に受けたホルモンの影響だと
考えられているので、そうだとすると
生得的ではありますが、遺伝ではありませんよ?
日本の新聞で、この石原発言を取り上げているのは、
エントリでリンクした毎日新聞だけみたいです。
ふたつ目の記事は、石原発言の真意を問うためだというので、
問題意識はあったのだと思います。
しかし、はじめの記事は都内版で、全国ではないようです。
(ふたつ目の記事は、なにも書いてないので全国版しょうか?)
3つ目の、事実関係だけでなく批評に踏み込んでいる
ごく短い記事は、岡山の記者が書いたものです。
石原発言はネットではかなり批判されましたが、
紙メディアではかなりローカルなので、
一般ではあまり批判は広がっていないみたいです。
日本のメディアは、外国から女性差別を批判される記事を
書きたがらない傾向があるのですが、同性愛差別についても
おなじような事情があるのでしょうか?
それから、外国でも同性愛に差別発言をする
政治家はいるのですが、つぎのように強く批判されるようです。
批判のされかたは、日本よりずっと激しいということのようです。
http://d.hatena.ne.jp/o-kojo2/20101209
http://d.hatena.ne.jp/miyakichi/20101105/p1
外国と言っても、アフリカのかなり多くの国で、
同性愛は法律で禁止されています。
同性愛者のパレードなんて、まずできないでしょう。
石原の考える「外国」は、こうした国のことなのでしょうか?
まさに目の前に困ってる人がいても放置する2000年前の祭司(参照: http://mmmthinking.blog.shinobi.jp/Entry/7/)。人間って変わらないのねと思ったけれど、批判されるのわかってて言ってる様子を考えるに、失礼ながら彼は現代人ですらない気が…
あ、そういえば何でもかんでも遺伝のせいにしたがる行動がメディアでも政治家でもかなり見られますが、「それは親のせいだから親が責任とってください」と言わんばかりですね。でもそれ発言しちゃったら…この世界には社会、つまり国も政府も政治家も要らないんですけどね。個人が取れる責任なんてたかが知れたモンだと思っています。
「遺伝のせい」とか専門的なことは公的な立場にある人が軽々しく言うもんじゃありませんね、それこそ専門家に訂正されて恥かくのがオチだ。
テレビなどに同性愛者が出てくるのは、それこそ差別視があるからなんじゃないでしょうか?
これは実際にゲイの人の手記で読んだことがあるのですが、テレビにでるようなゲイの人は当たり前だけど特殊な同性愛者というか、テレビ芸人なので、それによって同性愛者が歪んだイメージに捉えられそうでつらいということを読んだ事があります。いわば、お笑い芸人テレビで観て大阪人はみんなこんな感じだと思うようなもんでしょうか?
タブー視している対象を実はよく知らない自称保守派な人々には「センセイ」たちも含まれているわけで、その立場に似合わない無知さ加減ですよね。「え、こんなの調べればすぐ出てくるよね、何でこんな『ご』立派な『お』立場の方がご存知ないのかしら」とよく思います。
もしかして…タブー視するあまりに「それらにまつわる知識」にも触れることすら避けてまわって、無知という恥部を本人が「積極的に」発言によって現してしまっているのかな…。未成年が都市伝説的な性について語ってるのとあまり大差ないような。石原氏もNHK教育でも見ればいいのにとか思います。私はTV嫌いなので、「視察だの何だのって、そういうケアをしてる施設に行って直接見てくれば」というのが本音です。なんだかなー
>マイノリティを気の毒と思う前に気の毒にさせない活動を
気の毒にさせないのが、政治の役目のはずですからね。
(政治家なら「こうした問題も解決したいと思います」って
格好だけでも言うものだと思います。)
ちなみに、石原慎太郎の支持基盤も、
ご多分にもれず、宗教団体が多くなっています。
(イシハラのマイノリティに対する理解は、
こういう支持基盤の影響を受けているのもあるらしいです。)
http://d.hatena.ne.jp/kamayan/20101203#1291374268
>そういえば何でもかんでも遺伝のせいにしたがる
というか、「遺伝」ならそれこそ本人の努力では
(もちろん親の努力でも)どうにもならないことだと思います。
なのでなおさら政治や社会は、そのままを受け入れて、
サポートする必要があるんだと思います。
>「視察だの何だのって、そういうケアをしてる施設に行って直接見てくれば」
こんなふうに、かな?
(これ、石原発言の全文がはっきりしなくて、
評価が微妙なんだけれど。)
http://d.hatena.ne.jp/lovelovedog/20070331/isihara
コメントありがとうです。
>都知事にはイロイロなものが著しく足りないと
まあ、いろいろとね...
(あと、この人が平気でテレビに出ちゃうのは、野放図だと思います。)
>「遺伝のせい」とか専門的なことは
>公的な立場にある人が軽々しく言うもんじゃありませんね
エントリに書いたけれど、同性愛は産まれつきで
変えられないけれど、遺伝ではないと考えられていますね。
でも政治家とか公人が、この手のことに関しては
おかしな認識を持っていて、それをしゃべっちゃう、
ということは、そんなにめずらしくないんですよね...
>テレビなどに同性愛者が出てくるのは、
>それこそ差別視があるからなんじゃないでしょうか?
うーむ、そういう一面はありそうですね。
差別的に見られるというネガティブな要素を、
逆手に取って「売り」にするのもあるでしょうし、
それは芸人でなければ無理なことだと思います。
なので、テレビに出るような人たちが、
同性愛者として特殊なのは当然のことでしょうね。
もし、かの人が視察に行ってああいった残念な発言で仕事を終えているんであれば、政治家として、人間として…。何も感じないのかなと。限界がある中でも、できる限り最善を尽くす姿勢が欲しいなと思いました。
もともと法華経だけが正しい教え、
という考えで、他の宗派に対して排他的ですよね。
それで攻撃的なところが出てくるのでしょう。
わたしも、こちらでちょっと教えてもらったくらいで、
受け売りなんだけど、国家主義とか予言とか
カルト的な性格もあるみたいです。
http://kinshati.exblog.jp/12324485/
日本仏教全体の中では、どうなのかわからないけれど、
目につく政治活動をやっている仏教系団体は、
かの有名な創価学会をはじめ、たいてい日蓮のようですね。
>かの人が視察に行ってああいった残念な発言で仕事を終えているんであれば
重度障害者の件については、石原は彼らに対して
同情したのであって、メディアによって広められたように、
差別的意図があったのではないとされていますね。
前のコメントでリンクしたエントリだけの判断だけど、
石原は障害者への憐憫の域を出なかったのではないか、
という気が、わたしはしないでもないです。
メディアも発言を一部しか取り上げませんよね…アレは本人の意図が理解できなくてあまり判断基準には入れてません…ああいう人こそ本人による定期的な更新のあるブログをやった方がいいですね。
自分たちだけが正しい、という自負が強い人たちが
陥りやすい傾向なんだと思います。
(赤い色で象徴される某政党とおなじですね、
なんて言ったら嫌われるかな?だいじょうぶかな?)
>アレは本人の意図が理解できなくてあまり判断基準には入れてません
用心深い人は、重度障害者に関する発言は、
避けているみたいですね。
>ああいう人こそ本人による定期的な更新のある
>ブログをやった方がいいですね。
そうそう、失言癖が多いとされている人こそ、
ご自分でウェブログで発信すればいいのにと思います。
不本意な曲解をされたなら、ウェブの読者限定とはいえ、
誤解が解けるのですし。
ううむ、他山の石とします。謙虚こそ語り合いには必須ですね。心引き締まります。
>ブログ
小泉元首相の頃も思いましたが、これだけネットが発達したのだから場所を作ってしっかり主張を説明してほしいなあと思うこと多数です。必要になれば印刷して配ればポスターよりずっと役に立つ選挙運動になると思います…石原氏も作家出身ですから色々読めたらきっと面白いだろうとも思います。
いえいえ、
mmmさまは、まったくだいじょうぶだと思います。
>石原氏も作家出身ですから色々読めたら
そういえば、そうですよね。
工夫をこらして文才を発揮すればいいのにと思います。
もっとも、石原氏は、最近ネットを使い出したようだし、
(「2ちゃんねる」にはまっているらしく、
そこにある「便所の落書き」レベルの情報を、
真に受けたりするらしい)あの世代だと、
ITは障壁が高いのかもしれないです。