配偶者控除は、夫だけが外で働き、妻は家庭に入って
専業主婦をするという、高度経済成長期に普及した
ライフスタイルに、もっとも適合するようにできています。
前のエントリのグラフを見てもあきらかなように、
妻が専業主婦のほうが、共稼ぎ世帯より有利で、
さらに言えば高所得者ほど有利にもなっています。
「自民党の子ども政策--選択と集中」
「配偶者控除のゆくえ」
「なんで、配偶者控除廃止しようとするの?」
「配偶者控除の廃止に向けての声明」
配偶者控除のもっとも困ったことは、
専業主婦の「囲い込み」として機能することだと思います。
年収が103万円を超えると、適用されなくなりますから、
きゅうに税金が高くなって、収入が減ることになります。
それで、配偶者控除を得るために、妻の年収が、
わざと103万円を超えないような、パートなどの低賃金労働を、
女性がみずから望むことになります。
こうして専業主婦という立場から、抜け出しにくくなり、
女性の就労の抑制として働くことになります。
また、こうした状況を見て、雇い主の側も、
女性をわざと低賃金で働かせようとします。
これにより、女性の非正規雇用や低賃金が解消されず、
女性の労働条件が改善されないことにもなります。
これは専業主婦を望まない女性も、割を食うことになります。
10月20日エントリで、男女平等指数をご紹介しましたが、
男女の賃金格差が、前年より縮まったとはいえ、
0.53であり、依然として大きくなっています。
このように低賃金の女性が多いのは、
配偶者控除と、それにともなう女性の就労抑制が
その原因の一端を担っていると言えるでしょう。
(じつは、賃金格差が縮まったのは、景気が悪くなって、
男性の非正規雇用が増えたからだそうです。
雇用対策がなされて状況が改善されたら、
男性から正規雇用が増えて、ふたたび格差が
広がるだろうというご指摘をいただいています。
さくらさま、ありがとうございました。)
「女性の社会進出」なんてお題目がさけばれて
もうずいぶんになりますが、ライフスタイルの公平性のためにも、
専業主婦という特定の生きかたに「囲い込む」ことが
このましくないのはあきらかだと思います。
また、内閣府の2007年の男女共同参画白書の
調査によると、共稼ぎ世帯の割合はだんだん高くなっています。
不況や雇用の不安定から、共稼ぎが増えているわけで、
かかる経済的事情からも、女性も働きやすい環境を
整える必要があることになります。
さらに女性のほうが賃金がすくないので、
女性の貧困率を高める原因にもなっています。
年齢層別で見ると、高齢層で貧困率の男女差が
顕著であることがわかります。
配偶者控除は高度経済成長期には、
よく適合していたのかもしれないです。
しかし現在では、ここにあげたいくつもの理由で
現状に合わなくなっています。
それゆえ配偶者控除の廃止が望まれることになります。