12月19日と12月20日のエントリでお話したように、
配偶者控除は、女性を専業主婦という立場に
「囲い込む」ことで、働くことへの制限をもたらすので、
「ライフスタイルの公平性」という観点から、
廃止が望まれるものでした。
それでも、税金の負担を軽減してはいるので、
これが廃止されることで、経済的に苦しくなる
家庭が出てくることは考えられます。
「配偶者控除を基礎控除に一本化すべきである」
「なんで、配偶者控除廃止しようとするの?」
国税庁と厚生労働省の2000年の資料がもとなので、
データが古いのですが、以下のグラフのように、
配偶者控除の適用率は、年収400万円を
超えたあたりから、きゅうに高くなってきます。
したがって、配偶者控除をそのまま廃止すると、
年収300-600万円程度の「中間層」に対する負担が
とくに大きくなると考えられます。
http://d.hatena.ne.jp/binbowwomen/20101108/1289218513
また、健康上の理由で働くことが難しいとき、
その人を扶養する配偶者から税控除するのは、
福祉の肩代わりとして役に立つというご指摘もあります。
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一方、配偶者控除はある種の「福祉肩代わり」の面がある。
健康上などの理由で市場労働を行うことが難しい
(かといって入院したり障害者手帳を
持つほどでない)場合、その人を扶養する配偶者に
税控除して少しばかり支援するという。
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そこで、一部世帯の経済的圧迫を緩和するために、
「配偶者控除を基礎控除に一本化する」
という対案が、考えだされています。
「基礎控除」はこれもよくご存知のように、
納税申告者全員に一律に適用されます。
http://ryuseisya.cocolog-nifty.com/hakata/2010/08/post-a89d.html
下の図のように、現行ではパート世帯の妻が、
配偶者控除と基礎控除のふたつの控除を受けることになります。
これを基礎控除に一本化することで、
「福祉の肩代わり」を残しつつ、ひとり一控除となりますから、
「公平性」も確保できることになります。